逆光で撮った写真のレタッチ方法について説明してみた Part1
逆光とは?
逆光とは、カメラのレンズが光源(太陽やライトなど光を発するもの)またはそれに近い方に向けられた状態を指します。
ポートレートを撮る場合でいうと、人物の背後に太陽などがある状況ですね。
逆光時の問題
ズバリ逆光時の問題は、被写体が黒くなり、何が写っているのか判別できなくなること。
撮影しているときに「あ〜、逆光じゃん!」となって撮影をやめてしまう、または向きを変えてしまうことはないでしょうか?
逆光の状態で記念撮影した場合、被写体が黒つぶれ(黒くなってしまって判別できない)状態になることが多いです。
人間の眼ではある程度明るく見える場合でも、いざシャッターを切ると黒つぶれしてしまうなんてことも。
これは、カメラのレンズが人間の目と比べて性能が悪いためです。
カメラのレンズよりも人間の目の方が輝度(明るい・暗いといった指標を数値化したもの)を細かく捉えることができます。
カメラはある一定の暗さ以上の部分を細かく見分ける能力が人間の目よりも劣るため、全て黒く潰れてしまうのです。
敢えて逆光で撮る
じゃあ逆光は避けたほうがいいのかというと、そんなこともありません。
逆光の反対は順光。つまり、光源と逆向きにレンズが向けられている状態です。もっとわかりやすく言うと、被写体の前面に光が当たっている状態ですね。
順光の写真は明るくて綺麗、色味もしっかり出ています。
これは個人個人の解釈ですが、あまり面白みがない写真にも見えないでしょうか?(もちろんモデルの方は大変美しいのですが)
撮るべくして撮ったような印象を覚える方もいるかもしれません。
一方でこちらの2枚の写真はどうでしょうか?逆光で撮影した写真です。
激しい明暗差によって被写体は黒つぶれ(もしくは気味)してしまっている部分もありますが、どこかドラマチックに見えませんか?
1枚目はライブハウスで撮った写真です。ギターを持った女性の輪郭がオレンジ色に浮かんでいます。
スポットライトが直接当たっていないことから、幕間なのか、それともライブが始まる直前なのか。いずれにしても演奏中でないことは確かです。
少しうつむいたその表情を伺い知ることができませんが、一体どのような気持ちでステージに立っているのでしょうか。
一方で2枚目は町中で撮った写真です。
あたりはオレンジ色に染まり、歩道を渡る女性の影が長く伸びています。これは朝なのか夕方なのか。 旅行かばんを引いていますが、これからどこかに行くのでしょうか?それとも帰ってきた後?
このように、逆光は被写体がよく見えないからこそ、色々と想像させるような風景を作り出すことができるのです。
また、上の二枚を観てもわかるように逆光は被写体の輪郭を際立たせるため、非常にドラマチックな雰囲気を出すことができます。
したがって逆光写真はある意味「芸術性の高い写真」とも言えます。
どうでしょう?敢えて逆光で撮るのも良いかも。。と思えてきたのではないでしょうか?
逆光写真の救済
とはいえ、あまりにも光が強すぎる場合は完全に被写体が黒くなってしまい、もはや何が何だかわからなくなってしまうのも事実。
しかしこれを救済できるとしたらどうでしょうか?例えばこんな風に。
次回からは逆光写真の救済方法と、より逆光の良さを引き出すためのレタッチ方法について説明していきます。
続きます。