GANZOの財布を買ってみた
ウン年振りに財布を新調したので紹介したいと思います。
選ぶに至り結構悩みながら選びました。
スーツに合う財布が良い
財布を選ぶときに自分が重要視していたポイントの一つに「スーツと組み合わせて使えるクラシックスタイルに合うもの」がありました。
スーツに合うとなると、派手すぎない、クラシックに合う見た目であること以上に形状も重要になってきます。
通常スーツのポケットは使わないものです。
ポケットにモノを入れるとシルエットが悪くなったり、重さでスーツの型崩れが起こってしまうためです。
そんなポケットの中で唯一使ってもいいかな?と思えるのはジャケットの内ポケット。
万が一から崩れしても外から見えないためです。
しかし厚みのある財布を入れてしまうとシルエットが悪くなってしまうためNG。したがって薄い財布であることが前提条件となります。
一方私が最近まで使っていた使っていた財布は二つ折り・カード入れ付き・小銭入れ付きという太くなる要素しかない財布でした。
特に小銭入れは現金を使えば使うほどかさが増していくのでまず除外しなければならない機能ですね。
良い財布がいい
どうせ買うなら良い財布がいいと思っていました。
良いという尺度は幅がありすぎて難しいですが、僕の考えていた「良い」を体現しているメーカーが「GANZO」というブランド。
時を重ねるほどに、輝くもの。GANZOは、あなたの手によって"世界最高"の完成品となる。
という公式サイトの文言にあるように、GANZOの革製品は新品の状態では悪い言い方をすると「無味乾燥」です。
特に派手な色付けがされたわけでもなく、華美な装飾もありません。
しかし、革の風合いを最大限に活かして作られたアイテムたちは使えば使うほどエイジング、経年変化によりその姿を味のあるものへと変えていきます。それも、持ち主の使い方次第で千差万別の仕上がりに。
GANZOのコレクションは、あなたに選ばれ、使い込まれることでパフォーマンスの頂点に達し、替えのきかないオリジナルとして完成されていくのです。
という言葉が示す通り、使い込めば使い込むほど自分自身だけの、唯一無二のアイテムになっていくというわけです。
いい意味で華やかさのないGANZOのデザイン
先程買ったばかりのGANZO製品は「無味乾燥」と言いましたが、そのままでも十分美しい仕上がりになっていると僕は思います。
いい意味で華やかさがない。
言い換えればいやらしさがない。
いやらしさと言っては失礼ですが、やはり紳士たるものよく磨き上げられた鈍く光る道具を懐に忍ばせるべきだと思うのです。
革に派手に色付けしているメーカーも沢山ありますが、どうも性に合いませんでした。
華やかなものというのは時の流れに弱い。華やかなものほど時間が経てば経つほど色あせ、本来の、買ったばかりのときの色を失っていく。
一方で鈍く光る革は時間が経てば経つほど良さが出てくる。
他人に与えられた一過性の華やかさではなく、一生続く、そして自分で作る鈍い輝き。
そんなところに魅力を感じるのです。
そんなこんなでGANZOの製品たちは僕の望みに完全にマッチしており、ここの財布を買おうかなーと思っていたのですが。。
時代はもうキャッシュレス
ここまで読んだ方も思ったと思うのですが、今更財布?感が拭えないですよね。
キャッシュレス化が進む昨今、クレジットカードだけでなく様々な電子マネーが現れては消えしのぎを削っています。
かく言う僕も普段の買い物はほぼほぼ電子マネーとクレジットカードだけになってきました。
その上今はクレジットカードや電子マネー全てをスマートフォンに集約させて使うことが可能です。
現金が必要なシーンはまだまだあるとはいえ、財布にそんなこだわらなくてもいい時代が到来しようとしているのです(というか、到来した)。
しかしやはり革がいい
革靴のブログでも散々語りましたが、天然皮革にはそれにしかない魅力があるのです。
そう、これは趣味の領域なんです。
誰がなんと言おうと、僕は天然皮革の持つ風合いが好きなんだと。
趣味という言葉は、全てを置き去りにする必殺技なのです。
で、結局買ったのは…
結局、マネークリップとコインパースという組み合わせになりました。
マネークリップとは、紙幣を挟んでおけるクリップのこと。
一般的には小銭入れを持たないので、かなり薄くコンパクトになります。
一方で小銭入れはその名の通り小銭だけを入れておく財布です。
小銭だけ入れるので太くなりがちですが、最近は小銭が必要になるタイミングも少ないので問題ないかなと。
どうしても現金で払わないといけない場合にだけ使う奥の手として、持っていくカバンに忍ばせておく想定です。
そのため膨れる小銭入れをスーツや衣服のポケットに入れることはないため、型崩れやシルエット崩れの心配はありません。
結婚式ではそもそも現金を使わないので、小さい手持ちカバンに入れて預けてしまえばいいですし。
今回買ったのは以下2点。
- GANZO THINBRIDLE MONEY CLIP
- GANZO CORDOVAN COIN PURSE
先程紹介したGANZOですね。 やはりここに行き着きました。
GANZO THINBRIDLE MONEY CLIP
マネークリップの種類は大きく分けて2種類あります。
- クリップだけのシンプルなもの
- 2つ折り財布形式
前者はこちら。
クリップに紙幣を挟んだ後、間にカードを差し込むタイプ。 どちらかというと、こちらが本来のマネークリップでしょう。
今回購入したGANZOのものは後者です。
ここまで革の話を散々しといて前者を買うわけないだろという感じですが…笑
単純なクリップタイプもミニマルデザインで素晴らしいですが、天然皮革への憧れとカードポケットの使い勝手の良さから後者を選択しました。
カードを入れる最低限の数のポケットと、二つ折りの折り目部分に紙幣を挟むための開閉式のクリップが付いています。
縦横の長さこそ普通の二つ折り財布と同等ですが、カードと紙幣しか入れないのでかなり薄くなります。
そして今回選んだのは、GANZOのTHIN BRIDLEというシリーズ。
このTHIN BRIDLEは、表面にブライドルレザー、内面に柔らかなヌメ革を使用したシリーズになります。
ブライドルレザーは、皮革に蝋を染み込ませることで強度を高めたものです。
革の表面に蝋のワックスを擦り込むことで浮かびあがる「ブルーム」という白い粉が特徴です。
表面に白い粉のようなものが見えるのがわかりますでしょうか。
一方で内側のヌメ革はなめし(樹液や薬品を用いて動物の皮に耐久性をもたせる工程のこと)ただけで着色されていない皮革を言い、自分で使い込むことで色を付けていく楽しみがあります。
表面のブライドルレザーは頑丈でツルツルした手触りである一方、開くとヌメ皮の柔らかくさらさらとしたコントラストを感じることのできるコンセプトが売りです。
また、ブライドルレザーで耐久性を高めつつ、ヌメ皮による経年変化を楽しむことができるハイブリッドなモデルとなっています。
使い方としては、このようにクリップを開き、
紙幣を挟んでパチンと閉じることでしっかりと固定されます。このパチンの音がまた小気味よくて素晴らしい。
そしてGANZOの製品全般に言えることですが、コバ(革の切った部分)の仕上げが素晴らしいです。
切り落とされたままの毛羽立ちを残すのも野性味があって良いですが、このように断面を綺麗に揃えてから彩色したタイプも主張しすぎない高級感があって素晴らしいです。
GANZO CORDOVAN COIN PURSE
続いては小銭入れです。
小銭入れも色々なタイプがありますよね。
馬蹄型と言われる、馬の蹄の形状によく似たもの。
パカッと開いた部分に小銭をスライドさせることで、目的の硬貨を高速にピップアップすることができます。
もう一方はBOX型。ボタンを外して開くと、折りたたまれた内壁が展開して正方形の収納スペースが現れます。口が広いので硬貨が開きやすいことが特徴です。
今回購入したのはこのBOX型になります。
当初は馬蹄形にしようかと思ったのですが、GANZOの馬蹄形はサイズが小さめであり、鍵が入りそうになかったためBOX型を選択しました。
鍵の持ち運びには結構苦労しており、別途キーケースを用意すると荷物が増えてしまうし、容量が大きい嵩張る財布は持ち運びたくない。
もともとカードやお金はマネークリップと小銭入れの2つだけにまとめたいかつ二つのデザインを合わせたいと思っていたので、GANZOのBOX型小銭入れはちょうどいいデザインかつサイズでした。
今回はCORDOVANのシリーズを選択しました。
マネークリップ同様統一感を持たせたかったためTHIN BRILDLEにしようと思っていたのですが、CORDOVANの方が縦横共に0.5mmだけ大きいためこちらを選択しました。
CORDVANシリーズはその名の通り皮革の中でも希少であるコードバンを外側に使っています。
コードバンは馬の臀部から採取される皮から作った皮革です。
その採取面積の狭さから天然皮革の中でも希少かつ高級であり、非常に滑らかでしっとりとした質感が魅力。
この小銭入れの外側も非常に触り心地がよく、ずっと触っていたくなるほどです。
一方で内部はマネークリップと同様牛ヌメ皮を使っており、マネークリップ同様内と外のコントラストを楽しむことができます。
開くと正方形の収納部が出現。
マチはコンパクトな見た目に反して意外と広く、比較的多めの硬貨を収納することができます。
ちょうど持っていた小銭を全て注ぎ込んでみましたが、型崩れすることはありませんでした。
- 1円玉 25枚
- 5円玉 5枚
- 10円玉 11枚
- 50円玉 3枚
- 100円玉 2枚
マネークリップ同様、コバの仕上げが美しいです。
このモデルでは後者で赤茶の色付けがされており、それが外側のコードバン部分のネイビーと非常によくマッチしていると思います。
この青と茶の組み合わせは、イタリアで定番カラーとも言われている“Azzurro e Marrone”(空色に栗色)に通ずるものがあり、上品でありながら遊び心のあるデザインです。
こういった目立たない工夫の積み重ねがGANZOのアイテムがシンプルでありながら高級感を覚える理由ではないかと思います。
使ってみて
友人の結婚式でスーツスタイルのときに早速使ってみましたが、実に良いですね。
マネークリップは胸ポケットに入れても主張しない薄さですし、小銭入れはいざ使うとなったときも硬貨が非常にピックアップしやすく使いやすいです。
なにより、良いものを懐に忍ばせているという感覚が良いですね。実に所有欲を満たしてくれていると思います。
決して安い買い物ではないですが、一生をかけて…は言いすぎかもしれませんが、長い時間をかけて作り上げていくものと考えるとある意味安い()気もしますし、何より革の良さは一度手にしてみないとわからない部分もあると思います。
ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。