InstagramのフィルターをLightroomで再現してみた Part5 RGBトーンカーブの調整
前回はRGBのヒストグラムについて説明しました。
今回はRGBのトーンカーブとその調整方法について説明します。
LightroomでRGBトーンカーブを操作できる状態にする
LightroomでRGBトーンカーブを調整する手順について説明していきます。
まず、トーンカーブのパネルの以下の部分をクリックします。
以下のようにパネルが変化しRGBの項目が表示されます。次はこのRGBをクリックしましょう。
そうすると選択肢が出てきます。それぞれの意味は以下のようになっています。
- RGB: RGBの三色を組み合わせたトーンカーブとヒストグラムを表示する
- レッド: 赤(R)のトーンカーブとヒストグラムを表示する
- グリーン: 緑(G)のトーンカーブとヒストグラムを表示する
- ブルー: 青(B)のトーンカーブとヒストグラムを表示する
試しにレッドを選択してみると、以下のように赤のトーンカーブとヒストグラムのみの表示に切り替わり、調整が可能になります。
青(B)と緑(G)も同様の手順で表示可能です。
RGBのヒストグラムからわかること
前回の復習も兼ねて、この写真のRGBヒストグラムから何がわかるのか見てみましょう。
まず、先ほどの赤のヒストグラムから。
着目してほしい点は2つです。
- ヒストグラムの左端(最も暗い部分)より少しだけ右側の数値が高くなっている(ピクセルが集中している)
- 画面右側上部の赤のヒストグラムと、トーンカーブのパネルの赤のヒストグラムの形状が一致している(アスペクト比が違うだけ)
後者については、前回説明したように上に表示されたカラフルなヒストグラムがRGB3つのヒストグラムの合成になっているということの確認です。
前者を踏まえて、赤と緑と青のヒストグラムを並べて見てみましょう。
赤に比べて、緑と青が左側(暗い方)に寄っていますよね。 したがって、写真の方も赤が強めに出ており(他の二色に比べて明るいので)、逆に青や緑は黒く潰れてしまって目立たないではないかということが見て取れます。
写真を見てみると確かにそうなっていることがわかります。
RGBトーンカーブの調整
さて、そろそろRGBヒストグラムのなんたるかがわかってきたところで実際にトーンカーブを調整していきましょう。例として、赤のヒストグラムを操作していきます。
結論から言うと、RGBのトーンカーブは、輝度ごとのRGBの色の強さ(赤のトーンカーブなら赤みを)を調整できる機能になります。
前々回説明したトーンカーブは、輝度毎の明暗を調整する機能でした。今回は明暗ではなく色の強さを調整できるというわけです。
では早速調整してみましょう。
曲げる前
上に曲げた後
下に曲げた後
前々回説明した輝度のトーンカーブでは上に曲げると明るく、下に曲げると暗くなりました。
一方で赤のトーンカーブの操作では、上に曲げると赤く、下に曲げると赤が薄くなるという効果が出ていることがわかります。
では次にS字のカーブを作ってみましょう。
比較的明るいボーカルの女性の顔部分が赤くなり、逆にそれ以外の部分が黒くなり(赤色が薄くなった)ました。
さて、ここでヒストグラムの重要な性質を思い出してみましょう。
そう、ヒストグラムは左側にいくほど暗く、右側にいくほど明るくなるのでした。
したがって上のようなS字カーブを作る調整は、明るい部分(右半分)のカーブを上に曲げ、暗い部分のカーブを下に曲げる(左半分)ことに他なりません。
よって、明るい部分の赤みが強くなり、暗い部分の赤みが弱くなるといった調整がされるため、比較的明るいボーカルの女性の顔部分が赤くなり、逆にそれ以外の部分が黒くなる(赤色が薄くなった)という変化が出てくるわけです。
これを赤だけでなく緑と青に対しても別々に調整することができます。 そしてそれこそがInstagramのフィルターを再現するのに必要不可欠なのです。
続きます。
今回の写真について
ちなみに今回の写真は、2019/8/12に渋谷で開催されたFor Tracy Hydeの1stワンマンライブで撮影させていただいたもの。
今回のワンマンを皮切りに、日本国内だけでなくアジア含めたツアーを展開、ニューアルバムが9/4に発売とイベント盛りだくさんなのでぜひぜひチェックしてみてください。