革靴の手入れ方法についてまとめてみた Part6「鏡面磨き」
前回は革靴の手入れの第二段階である「保湿・補色」について説明しました。
今回は、その後の工程である「保湿・補色」について説明していきます。
- クリーニング ← 前々回はコレ
- 保湿・補色(乳化性クリームの塗り込み) ← 前回はコレ
- 鏡面磨き(蝋製ワックスによる磨き) ← 今回はコレ
鏡面磨き
クリーニングが完了すると、皮革の表面のゴミや塵、こびり付いた汚れだけでなく乳化性クリームの層と蝋製ワックスの層が全て除去されるため、皮革が露出されます。
非常にクリーンな状態ですが、表面の油分・水分が枯れた状態であるため、このままではすぐに乾燥して革靴の寿命を縮めてしまいます。
前回説明した「保湿・補色」では、この状態から乳化製クリームを塗り込み、上から二層目の乳化性クリームの層を作りました。
今回の鏡面磨きでは、ここから更に蝋製のワックスを塗って磨き込むことで、靴の表面を保護する最上層を作っていくと共に、表面に綺羅びやかな光沢を与えていきます。
1. ワックスの塗布
まずは革靴にワックスを塗布していきます。今回は革靴の色と同様のブラックを利用します。
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少量を指に取ります。
シワの出にくい部分に塗っていきます。ワックスによるコーティングはシワができるとヒビ割れてしまうため、シワができない部分にだけ塗り込みます。
爪先は弧を描くように塗ります。
側面は指をスライドさせるように塗ります。
踵も爪先同様、弧を描くように塗っていきます。
一度塗り終わったら、4−5分置きます。こうすることで後工程で磨いた時に光沢が出やすくなります。
2. 磨き
続いて、ワックスを塗布した部分を磨いていきます。
まず、少量の水を用意します(私は受け皿としてワックスの蓋を利用することが多いです。)。
次に水を数滴、ワックスを塗布した箇所に落とします。ほんの1,2滴でOKです(多すぎないのがコツ)。
そして、フランネル布を指にキツく巻き付け、
極少量のワックスを指先に取ります。
この状態で、水滴を落とした部分を優しく磨いていきます。水が切れてきたなと思ったら水滴を更に落として続けます。
ワックスの塗布部分を一通り磨き終わったら、もう一度「1. ワックス塗布」 -> 「2. 磨き」の工程を繰り返します。
そうすることで靴の表面が光沢を帯びてきます。
複数回繰り返す理由は、蝋でできた膜を何層も重ねることで保護力を長持ちさせるため。また層を重ねた方が光沢も強くなり非常に綺麗に仕上がります。
シワはどうしても消せないので残っていますが、かなり綺麗になりましたね。
3. 紐を通す
最後に靴紐を通して、完成です。
メンテナンス前後の比較
メンテナンスの全ての工程が完了したので、お待ちかねのビフォー・アフターです。
爪先・全体俯瞰
横①
横②
踵
Beforeは色が若干霞んだ黒であるのに対し、Afterは全体的に黒みが増していますよね。 また表面の砂埃や水汚れなどもなくなり、光沢が強くなっていることがわかると思います。
特に踵はかなり綺麗に仕上がったのではないでしょうか。
おわりに
きっかけはキングスマン、革靴とはなんぞやから全6回に渡って書き連ねてきた革靴メンテナンスの記事でしたが、いかがでしょうか?
工程や使用する道具が多く、手間がかかる作業ではありますが磨き終わって光る革靴を見たときの達成感はひとしおです。
是非ご自分でメンテナンスされた靴でパーティーや結婚式、大事な打ち合わせなどに参加してみてはどうでしょうか。
きっとその場で一番輝いているのは貴方の靴です。