【写真撮影講座 番外編】ロードバイクを真横から撮る方法について語ってみた その②
今日はロードバイクを真横から撮る方法について深めに説明していきます。
前回のブログの内容があまりに短かったため、拍子抜けした方もたくさんいらっしゃったのではないでしょうか?^^; 実を言うと、書く内容に悩みに悩んだ結果何も書けなくなり、苦し紛れにさわりの部分だけなんとかまとめたというのが前回の内容になります。はい。
なぜ内容に悩んでいたかというと、自分の中で自転車を真横から撮るときはこうするのがいい、というポイントはあるものの、 それに対してなぜ「よい」のか、ブログ読者を納得させるための明確な理由付けがまとまらなかったため。
しかし「よい」に始まる何かを好きだという感情は、理由付けできないことも多いとも思うのです。 まず感覚的に「よい」と感じ、だからこそ良いところを探して、自分がそれを好きだという理由付けをする。 理由付けというのは人に説明するためのものであり、「よい」とは本来感覚的なものなのではないかという気がしてきています。
なのでここは自分を一旦許すことにします。 他者を納得させるための理由付けをしなくてもよいことにします。 なので、今回はどう真横から撮ると「よい」のか?という手段ベースの切り口で説明させてください。 (目的は手段を正当化する。よって本来ならば目的ベース、つまり「よい」理由を説明するべきなのだけど。。)
そして書き進めつつ、私自身が感じる「よい」とはどういうことなのか。 その答えに近づいていけたらと思っています。
言い訳が長くなりましたが、今日は撮影時のロードバイクのセッティングについて 説明していきたいと思います。
不必要なパーツを取り外す
ロードバイクは余計なパーツを何もつけない状態が一番美しいです。 なぜなら、それが走るために生まれてきたロードバイクにとって最適な形であり本来の姿だから。
なのでライト、サドルバック、ボトルなどは外しておくと、ハンドル・サドル。フレーム周りがスッキリし、 ロードバイク本来が持つフレームの造形美を際立たせることができます。 余計なパーツを付けたまま撮影するのは、人間に例えるとマスクをしたモデルを撮影するようなものです。
ただし例外的に、BMCのバイクにBMCチームのボトルを合わせるといったように何らかの意図を持たせる場合は別です。
また、自転車旅の最中は敢えてバイクパッキンググッズやライトをつけたまま撮ることで、旅の雰囲気を感じられる写真にすることもできます。
いずれにしてもパーツをつけて撮影する場合は意味付けが必要だと私は考えています。
地面に対してバイクを垂直に立てる
撮影はバイクのセッティングから既に始まっています。 真横から撮るときはバイクを地面に対して垂直に立てましょう。これに関しては誤差1°も許すべきではないと考えています。
ロードバイクは乗り物であり道具なので、それ単体では完成しません。 しかし、ただ一番にゴールラインを切るためだけに生み出されたその姿は単体でも美しい。 そんな自転車を主題に選ぶのだから、しっかりと直立させ、無機物には本来ないような力強さや意思のようなものを表現したいです。
少しでも垂直から離れていると、真横から撮影したときにバイクが壁に寄りかかっているように見えてしまい、 前述した力強さや意志といった表現が半減してしまうと考えています。
ステムとトップチューブを一直線にする
ステムとトップチューブが一直線ではない、つまりハンドルが左右どちらかに曲がっていると、正面から撮った時以下のようになります。
前輪と後輪の形に注目してください。後輪は円に、前輪は楕円に見えますよね。 この不統一感は私的にはNGです。NGとなる理由は、意図が見えないため。
ステムとトップチューブを一直線にすることで、 正面から撮影したとき両方のホイールが真円となり統一感のある絵になります。
ホイールの位置を合わせる
ホイールの位置にも気を配ると更に統一感が増します。特に理由がない場合はバルブの位置を下にしておくのが無難です。
ディープリムホイールの場合は、デカールの文字がどの位置にくるのが一番良いかを考えて位置を決めるのも良いと思います。
また、ホイールにタイヤを取り付ける際も、タイヤの特定の位置の意匠がバルブの上にくるようにするなど工夫しておくとよいでしょう。
クランクの位置を地面に対して平行にする
クランクの位置を地面に対し平行にすると、サドルやステム(17°の場合)、およびトップチューブ(ホリゾンタルフレームの場合)の3つが平行になるため統一感が生まれます。
このときペダルの向きも地面に対して平行になるようにセッティングすると良いでしょう。 なぜなら、バイクに乗ってペダルを回しているときペダルの面は常に地面に対し平行になっているため。
他にはシートチューブと一直線にするのも良いでしょう。 いずれにしても、何の意図もない方向に遊ばせておくのは統一感を崩してしまうため避けたほうがよいと思います。
今回はここまでになります。 書いていて、自分はロードバイクの撮影をするとき「統一感」を重視していると感じました。 それが自分にとっての「よさ」なのかもしれません。
今回は真横から撮影する際のロードバイクのセッティング方法について説明しました。 しかし、この方法に沿ってセッティングをしたとしても撮影者の位置やカメラの向きによってはいまいちな写真になってしまうことがあります。 次回はそのあたりについて説明します。