7meshのサイクルウェア(夏物)をレビューしてみた part3 - ASHLU MERINO JERSEY MEN'S
前回、前々回と2回にわたってメリノウールという素材について説明してきました。
今回はそのメリノウールを素材に使った7MESHのサイクルジャージ「ASHLU MERINO JERSEY」のメンズモデルについて紹介していきます。
7MESHはカナダ発のサイクルウェアメーカーです。
アウトドアウェア界では世界最高峰の技術を持つと言われるARC'TERYXの創設メンバーが始めたブランドで、その高い技術力とマインドを引き継ぎ数々の素晴らしいサイクルウェアを生み出しています。
詳しくは以下の記事を御覧ください。
まずはジャージの外見から見ていきましょう。
エンブレムは刺繍
7MESHの代名詞である7とMを組み合わせた左胸のマークはポリエステル製のQUANTUMではプラスチックのような素材でした。
今回紹介するASHLU MERINOでは刺繍になっています。
このあたり、天然繊維であるメリノウールの雰囲気や強度に合わせたデザインにしているといったところでしょうか。
使い分け可能な2つのジッパー付きポケット
QUANTUM同様、ASHLU MERINOも腰部分の両側にジッパー付きのポケットを備えています。7MESHの夏用ジャージ全てに共通するデザインパターンですね。
これによって右側は財布、左側はスマホ、といった形で使い分けが可能。非常に便利です。
iPhone 6sが余裕で入るくらいの大きさ。
引っかかりそうで危ない気もする輪っかの大きな紐ですが、その分掴みやすく信号待ちのなどのストップ&ゴーでもストレスなく中の物を出し入れできます。
腰部の反射材
バックポケットの両サイドに反射材が付いています。
左サイドの反射材。
実際にジャージを着てみると反射材の部分は側面まできていることがわかります。
後方からサイドにかけて反射できるように位置づけられているようです。
ハイブリッド素材の利用による相乗効果
ASHLU MERINOの特筆すべき点は生地としてハイブリッド素材を利用していること。
ハイブリッド、それはつまり異なる素材を組み合わせているということ。
一体何をどう組み合わせているのか、そしてそれによってどのような効果が生み出されているのか。
それを明らかにするために、ASHLU MERINOの組成を見てみましょう。
天然繊維と化学繊維のハイブリッド
- 身頃: 89% ウール, 11% ナイロン
- 対照: 77% ナイロン, 23% エラステイン
身頃はウールとナイロンを組み合わせた生地になっています。
ウールは天然繊維、一方でナイロンは化学繊維。
したがってASHULU MERINOの生地は天然繊維と化学繊維のハイブリッドになっているというわけです。
天然繊維の弱点を化学繊維でカバーしている
ところで身頃って何?ということで調べてみると。。
衣服の、そで・えり・おくみなどを除いた、体の前面・背面を覆う部分。
ということで、要は体の前面・背面を覆う部分らしいです。
おそらく私の持っているジャージでいうと赤色の部分かな?
バックポケット含む色が黒い部分は明らかに手触りが違うので、こちらが「対照」と書いてある部分でしょう(定義ではここも身頃に入りそうだけど)。
ASHLU MERINOという名なので、ウール部分にはメリノウールが利用されているのだと思います。
そしてナイロンは当ブログでは初めて出てきた素材ですね。ポリエステルと同様化学繊維の一種になります。
特徴は以下の通り。
- 吸湿性が低く、乾きが早い
- 弾力性があり、シワになりにくい
- 伸び縮みしにくく、型崩れしない
- 丈夫で、引っ張りや摩擦に強い
まとめると乾きやすい(水を吸いにくい)、丈夫、変形に強い、というところでしょうか。
前2つの特徴(乾きやすい、丈夫)はメリノウールと相反する性質ですよね。
どうやらこのASHLU MERINOはウールとナイロンを組み合わせることでウールの弱点を補うようになっているのではないかと予想できます。
ちなみに公式サイトの説明によると。。
アシュル・ペアと呼ばれる非対称ストレッチ・ナイロンと滑らかな17.5ミクロンのメリノウールのハイブリッド素材を採用し、クラシックなウール・ジャージーの近代化を図ります。
ということで、生地の全体がメリノウールとナイロンを組み合わせた「アシュル・ペア」という素材によって作られているようです。
これによって、メリノウールの弱点であった「保水しやすい、乾きにくい」、そして「耐久性に難あり、毛玉ができやすい」といった弱点を、ナイロンのメリットで打ち消すことで(化繊が闊歩している今の世の中ではある種古い)メリノウールで作られたウェアの近代化を図ろうとしているということでしょう。
ASHLUって何?
ちなみにこのASHLU MERINOの代名詞になっており、「アシュル・ペア」として素材名にも登場している「ASHLU」って何なの?と思って調べてみたところ、どうやらカナダにある川の名称のようです。
アシュルクリークはカナダ、ブリティッシュコロンビア州の短くて速い小川です。アシュルクリークはスカーミッシュ川の支流で、スカーミッシュの北西約24.3kmに位置します。(日本語訳)
ということで7MESH生誕の地であるカナダ、ブリティッシュコロンビア州スカーミッシュの近くを流れる川が由来になっているみたいです。
確かに繊維形状というのは流れる川に見立てることもできる気がしますよね(この川を選んだのはきっともっと深い理由があるんだろうけど)。
いくつもの小川が集まって大きな川になる様は、繊維が幾重にも折り重なって更に太い繊維になっていくのにすごく似ています。
バックポケット部分は素材を変えて強度を担保
バックポケット部分が「対照」部分であるとして話を進めていきます。
ナイロンが77%、エラステインが23%という組成から見てもわかるように、ポケット部分は強度をしっかりと意識した組成になっているということがわかります。
メリノウールをポケット部分に使用した場合、その性質からポケットが下にだらーんと下がってしまうため、伸び縮みしにくいナイロンを利用することでそれを防いでいるということになると思われます。
また、ポケットという性質上何度も出し入れすることを考慮して摩擦に強い素材を…という観点からナイロンを選択しているのでしょう。
そしてエラステイン、つまりポリエチレンを2割程度含んでいます。ポリエチレンは乾きにくいが伸縮性の高い素材です。
ポケットをすべてナイロンで作ってしまうと伸びにくいがそれ故にモノが出し入れしにくくストレスになってしまう。しかしメリノウールは摩擦に弱いので使えない。。そんな理由からエラステインを選んだのではないでしょうか。
横糸に多くエラステインを含むような編み方をすればポケットとしての使い勝手は損なわずに済みそうですよね。
エラステインを含むことで速乾性の低下が気になるところですが、そもそもナイロンを8割使っているのでも問題ないという考えだと思います。
肌触りの良さ
利用しているメリノウールの太さは17.5ミクロンということで、ランクとしては上から二番目のSuperfine Merinoになります。
太さ(ミクロン) | 名称 |
---|---|
< 15.5 | Ultrafine Merino |
15.6 - 18.5 | Superfine Merino |
18.6 - 20 | Fine Merino |
20.1 - 23 | Medium Merino |
> 23 | Strong Merino |
実際着てみると肌触りが非常によく、これはメリノウールの表面が撥水性を持っている(乾いている)からだけではなく、繊細なSuperfine Merinoで生地を作っていることに他ならないからでしょう。
優れた耐紫外線性能
このASHLU MERINOの紫外線遮蔽率はQUANTUM同様UPF 50+であり、衣類のUVカット性能としては最高値です。
UPFはUltraViolet Protection Factor(紫外線保護指数)の略で、UVカットの世界的基準値になります。
数値は高いほど紫外線を透過しない(つまり吸収する)ことになり、日焼けしにくいということになります。
例えばUPF 50であれば、その衣類を身に纏った場合、地肌を直接紫外線に晒したときよりも同じ日焼けにかかる時間が50倍になることを表しています。
つまり直射日光の下に10分いることでできる日焼けは、UPF 50の衣類を着ている箇所においては10*50=500分かかるということです。
50+はその数値が50よりも上であることを示しています(50よりも大きい数値の場合は全て50+に丸められる)。
洗濯における耐久性
タグに付いた洗濯マークは以下の通り。
- 液温は30℃を限度とし、洗濯機で洗濯ができる
- 塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止
- つり干しがよい
- アイロン仕上げ禁止
- ドライクリーニング禁止
基本的には洗濯機で洗い、つり干しするという他のサイクルジャージと同様の運用で大丈夫そうです。使用頻度の高いサイクルジャージなのでメンテナンスが楽なのはありがたいです。
ウールは比較的デリケートな素材ですが、ナイロンと組み合わせることで強度が上昇しているということなのかもしれません。
一方でアイロンは不可、液温は比較的低めです。
スーツやスラックスなどの多くはウール製であり、アイロンで仕上げることも多いですよね。したがってウール単体ではそこまで熱に弱くない。
一方でナイロンは熱に弱いため、液温は低めかつアイロン仕上げは禁止になっているのでしょう。
またウールは羊の毛ということもありタンパク質で構成されています。酸素系漂白剤はアルカリ性なので、タンパク質でを洗い流してしまうため使用できません。塩素系漂白剤は漂白力が強すぎるためNGです。
実際に利用してみて
いやー、このジャージめちゃくちゃ良いです。
7MESHの夏用ジャージは全部で三種類あり、全て着用してみましたが私はこのASHLU MERINOが一番好きです。
9月に乗鞍で2,000mほど一気に登って大量に汗をかいたにも関わらず全く不快感はなく、通気性の高さによる高所・下りでの汗冷えもウインドブレーカーを羽織れば全く問題なく。
非常に快適にサイクリングすることができました。
一方でQUANTUMを着ていた友人はウインドブレーカーを羽織っていたにも関わらず下りで冷えると漏らしていたので、このあたりメリノウールの断熱性が活きていたということでしょう。
確かにメリノウールの保温性と保水性を考えると、たしかに真夏の快晴時のロングライドやそこまで高所でもないヒルクライムなどはかなりしんどい気はします。
しかしそれ以外では積極的に使っていけるアイテムだという実感を持つことができました。素材がもたらすメリット以外の機能性を考えてもとにかくストレスのない作りになっていると感じます。
肝心の強度はどうなのか。
毎回洗濯機にてネットに入れてデリケートモードで洗っているにも関わらず表面に毛羽立ちが見られるようになってきました(着用回数は10回くらい)。
しかし毛羽立っている箇所が首の右側など特定の場所に偏っていることから、これはカメラをたすき掛けにして走っているせいなのではないかと思いました。
ストラップが自然と生地を痛めてしまっていた可能性が高い。
ナイロンを加えて強度をあげているのだと思うのですが、やはり直接の摩擦には弱いのだと思います。このあたりは想定外の使いかたをしているので問題ないかなと思いますが、リュックなどを背負う方は注意したほうが良いかもしれません。
まとめ
まとめるとこんな感じ
- 7MESH定番の使い分け可能なダブルジップ付きポケット
- サイドまでカバーするバックポケット横のリフレクター
- 天然繊維と化学繊維のハイブリッド素材で天然繊維の弱点を補う
- ウールの乾きにくさをナイロンの疎水性で軽減
- バックポケットは化繊のみで構成、ナイロンを使うことで伸びにくくした
- 高品質なメリノウールを使っていて肌触りが良い
- 洗濯機で洗って吊り干しでOK
とにかく着心地がよく、長時間着ても快適さが持続するという点がとても気に入ってます。
まだ素材だけでなくバックポケットなど機能面でも使いやすい工夫がされておりライドの度に着て行きたくなるジャージです。
おすすめ。
メリノウールについて調べてみた vol.2
今回もメリノウールについて説明していきます。
前回はその利点について説明しました。
メリノウールの利点をまとめると以下のようになります。
- 通気性があるため夏にアウター(トップス)として使っていける
- 保温性(断熱性による)が高いので冬のインナーに最適
- 激しく運動して汗をかいても臭いがつきにくい
- 表面が撥水するので水溶性の汚れがつきにくい
- 吸湿するが、表面は撥水するので汗をかいても快適性が持続
- 保温性と撥水・吸湿性によるり肌触りが良い
今回はメリノウールの欠点と、利点・欠点を踏まえたユースケースについて説明していきたいと思います。
メリノウールの欠点
まずはメリノウールの欠点から
欠点① 乾きにくい
メリノウールはスポーツウェアとしては比較的乾きにくい部類に入ります。
メリノウールの話をする前に、まずは速乾性に定評のあるポリエステルについて説明します。
ポリエステル製ウェアが乾きやすい理由
ポリエステルが速乾である大きな理由は、繊維自体が疎水(ほとんど吸水しない)する性質であるためです。
ポリエステルはほとんど水を吸いません。極端に言えば、常に繊維自体が乾いているようなものということですね。
実際、常にサラサラしていて濡れているように感じないことが多いのではないでしょうか。
しかしこのままではポリエステルのウェアを着た内部の汗は乾かないことになってしまいますが、実際そんなことはないですよね?
それは、生地の編み方が大きく関係しています。
繊維自体は水を吸わなくても、繊維の編み方によって吸水しやすい生地を作ることができるということです
上記のページにあるように、東レは「毛細管現象」を利用することにより、生地に吸水性を持たせることに成功しています。
毛細管現象とは、液体に細い管(毛細管)を入れると、液体が管の中を上昇する物理現象のことを言います。
東レでは生地を多層構造にし、それぞれ異なる密度の生地を利用することによって、肌と生地の間にある水分(汗)を徐々に外方向へ上昇させていくような仕組みを実現しています。
つまり、肌に近い部分は密度を粗く、外に近づくにつれて密度を細かくしていくことで多段に毛細管現象を発生させ、迅速に水分を外に出すことができるということです。
まとめると、ポリエステル製のスポーツウェアの急速速乾は繊維の疎水性と生地の「毛細管現象」による、ということになります。
メリノウールが乾きにくい理由
前回の記事で説明したように、メリノウールは保水しやすい性質を持っています。
その仕組みについてもう少し詳しく説明しましょう。
表面のスケール(うろこ形状)が撥水する一方で、スケールの隙間にある細孔から吸湿します。
スケールの内部はオルソ・コルテックスとパラ・コルテックスという2つのタンパク質により構成されており、この2つのうち吸水性の高いオルソ・コルテックスがスケールの間を通ってきた湿気を保水します。
(ちなみにウールはこれらのコルテックスが隣り合わせに張り付いたバイラテラル構造をしており、吸湿性の高いオルソ・コルテックスが空気中の水分を吸収し膨張、その左右差によって縮れ構造が生まれます。)
つまり繊維自体が水分を吸収するため、速乾性という観点においてはどれだけ生地を工夫してもポリエステルには敵わないということになります。
例えば夏のヒルクライムなど、汗を大量にかく状況では延々とこの細孔から吸湿してしまいます。
なので単位時間あたりの発汗量が繊維内部のオルソ・コルテックスが吸収できる貯蔵量を用意に超えてしまうため、吸湿に乾燥が追いつかずに濡れたままになってしまうことになります。
したがって、そのままダウンヒルすると持ち前の通気性が汗冷えを引き起こしてしまいます。
故にメリノウールは大量発汗するようなケースには向かないと言えるでしょう。
とはいえ、吸水しても表面が撥水するため、肌触りの良さがある程度持続するのがウールの魅力ですね。
欠点② 耐久性に難あり
ウールは以下の二点において耐久性に難ありと言えます。
- 毛玉が出来やすい
- 虫に食われる
毛玉ができやすい
ウールは毛玉が出来やすいです。
そもそも毛玉はなぜできるのか。
着用している間の擦れなどにより糸が毛羽立ち、その毛羽が絡まりダンゴ状になったものが毛玉です。
ウールの繊維表面はギザギザのスケール(うろこ形状)になっているので引っ掛かりやすく、その分毛玉もできやすいといういことになります。
このメリノウール製のジャージも5回程度の着用で表面がかなり毛羽立ってきました。
洗濯時にネットに入れて、おしゃれ着モード(洗いと脱水が優しいモード)で洗っているのにも関わらずです。
自分の場合カメラをたすき掛けにしたりと結構ハードに使っているからというのが理由な気もしますが。。。
虫に食われやすい
メリノウールは虫に食われやすいです。
ウールはメリノ種という羊の体毛から作られる繊維なので動物性繊維です。
虫は動物性繊維を好むので、メリノウールは格好のごちそうというわけです。
一方でポリエステルなど石油系の化合物を合成して作られた繊維は虫のエサにはなりません。
私達人間が石油を食べないのと同じですね。。。
というわけで、以上二点の性質によりメリノウールは耐久性という観点においては難あり、扱いに気をつけないといけない繊維であると言えます。
サイクリングにおいてメリノウールが活きるユースケース
もう一度メリノウールの利点・欠点をまとめてみましょう。
利点
- 通気性があるため夏にアウター(トップス)として使っていける
- 保温性(断熱性による)が高いので冬のインナーに最適
- 激しく運動して汗をかいても臭いがつきにくい
- 表面が撥水するので水溶性の汚れがつきにくい
- 吸湿するが、表面は撥水するので汗をかいても快適性が持続
- 保温性と撥水・吸湿性によるり肌触りが良い
欠点
- 乾きにくく、汗をかきすぎると汗冷えを引き起こす
- 耐久性に難があるため、扱いに気をつけなければならない
- 毛玉が出来やすい
- 虫食いになりやすい
以上の利点・欠点を踏まえると、どのようなユースケースにマッチするか考えてみました。
少し肌寒い季節のライドのトップスとして
メリノウールは汗をかきすぎると吸湿に乾燥が追いつかなくなり汗冷えしてしまいます。
したがって、夏の終わりから冬、冬の終わりから春の終わりといった少し肌寒く発汗量が抑えられる季節にトップスとして着用するのが良いと言えるでしょう。
メリノウールが持つ断熱性の高さによる保温効果が期待できます。
ダウンヒルなど少し冷える場合はウインドブレーカーを着用することでメリノウールの保温性を活用できるようにするのがよいでしょう。9月頭に登った乗鞍でもおおいに活躍してくれました。
メリノウールは汗をかいても快適性が保たれるので、ロングライドのような平均してあまり汗をかかないような長時間のライドにも最適だと思います。
寒い季節のインナー・中間着として
メリノウールが持つ断熱性をフルに活かすために、真冬のインナーとして活用
インナーとして活用するときの注意点は以下になります。
- 吸湿・保水による汗冷えを防ぐため、メリノウールに染み込んだ汗を逃がすようにする
- 通気による断熱効果の消失を防ぐため、メリノウールに風を当てないようにする
例えば以下のような組み合わせでしょうか。
メリノウールと接する部分には、ポリエステル製のジャージなど吸水・速乾系の素材のウェアを着用し、その上からGORE-TEXなどの防風・透湿のジャケットを羽織ることで外からの風をシャットアウトすると同時に、ジャージを通して上がってきた水分を透湿することで内部の環境を快適に保つ、という作戦です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事を書こうとしたモチベーションは、私自身普段からその「良さ」を感じていたメリノウールについて書かれた記事にどうも納得感が得られないものが多かったため。
正直言ってこの記事もそういった記事の断片の寄せ集めみたいになってしまったところはあるのですが、多少は納得感のある内容になったのではないかと思っています。
ちょうど中途半端な気温の時期に突入している今こそメリノウールの真価が問われる時、ということで色々試していけたらなと思っています。
メリノウールについて調べてみた vol.1
やっべ…夏ウェアのレビュー記事書くつもりがいつの間にか夏終わってたわ…
数ヶ月前に7meshの夏用半袖ジャージ三種のうちの一つであるQUATUM JERSEY MEN'Sについて紹介しました。
次は残り二種のうちの一つであるASHULU MERINO JERSEYについて説明しようと思っていたのですが、その前に。
このジャージはASHULU "MERINO"の名の通り、メリノウール製です。
メリノウールといえば当ブログでも何度か紹介していますね。
季節外れの夏用ジャージの説明だけで終わってしまうのもどうかと思うので、まずジャージの話をする前にこれからの季節も大いに活躍するメリノウールについてもしっかりと説明していきたいと思います。
メリノウールとは
羊毛から作られる天然繊維を「ウール」と言います。
中でもメリノ種と呼ばれる羊から取れる毛で作られるウールを「メリノウール」と言います。
天然繊維とは、人工的に作られたものでない繊維を指します。
天然繊維には以下の3つがあり、メリノウールは羊毛から生成されるので動物繊維に属します。
- 動物繊維
- 鉱物繊維
- 植物繊維
他の動物繊維だとカシミアヤギの毛から生成されるカシミアなどがありますね。
そして木綿や麻などは植物繊維、一時期話題になっていた石綿(アスベスト)は鉱物繊維に属します。
一方で、スポーツウェアの素材として広く使われているポリエステルなど、アルコールなどから化学的プロセスにより製造される繊維を化学繊維と呼びます。
前回紹介したQUANTUM JERSEYはポリエステル100%のジャージでしたね。
メリノウールの特徴
ではメリノウールの特徴、利点と欠点について見ていきましょう。
メリノウールの利点
まずは利点から。
利点① 断熱性が高い
断熱性が高いというのはつまり、熱移動・熱伝達を減少させる能力が高いということ。
これをサイクルウェアに当てはめるとどうなるかというと、ウェアの生地につつまれた中の熱を外に逃さず、一方で生地の外側の熱を遮断する能力が高いということになります。
この断熱性の高さはメリノウールの繊維の形状によって発揮されるものです。
メリノウールの繊維は以下のように一本一本が縮れた形状になっています。
その縮れ(クリンプ)が複雑に絡まり合い形成された空間にたくさんの空気を含むことができます。
空気は比熱が大きい、つまり温度を変えるのにエネルギーを多く必要とします。 もっと簡単に言うと熱しにくく冷めにくいため、接するものによって簡単に温度を変えられないということになります。
故に断熱性が高くなるのです。
よく寒い地方では寒さ対策として窓を二重にしていますよね?あれが寒さ対策足り得るのは、二重になった窓と窓の間に空気を含ませることで断熱の効果を生み出しているということです。
メリノウールのこの断熱性の高さは、夏は外の暑さを防ぎ、冬は寒さを防ぐといった効果をもたらします。
しかしメリノウールのこの断熱性も常に発揮されるわけではなく、NGパターンが存在します。
熱は物体を構成する分子が運動することで伝わります。 したがって、空気が激しく動き回るような状態では逆に断熱性が著しく低下してしまうということにほかなりません。
例えば、メリノウールのウェアを外側に着て自転車を漕いでいる状況はまさにそのNGパターンに該当するわけです。
じゃあメリノウールの断熱性の高さはサイクリングには活かせないないのでは。。。と思うところなのですが、メリノウールの上に防風ウェアを纏うことで、メリノウール部分への空気の流れをシャットアウトすることができます。
したがって、冬活用するときはインナーとして利用することで効果を発揮する素材であるということが言えます。
重ね着する場合は運動中にかいた汗が溜まって蒸れてしまうので、防風ウェアとしてはGORE-TEXなどの透湿系の素材を纏うことで軽減したいところです。
利点② 通気性が高い
メリノウールは非常に通気性が高い素材です。
一見断熱性と相反する性質ですが、繊維の構造を考えると合点が行きます。
断熱性の項で説明したように、メリノウールの繊維は1本1本が縮れており、それ故に生地に多数の空間が存在します。
これはつまり生地に微小な穴が多数空いているということに他ならず、目に見えないレベルのメッシュ構造のようになっているんですね。
したがって風通しが良くなります。
これをサイクリングのユースケースに当てはめると、止まっているときは断熱し、走っているときは(断熱性が失われる代わりに)風を通すということになります。
故に夏場でも使っていける素材になっていると言えるでしょう。
ただし止まっていたとしても風が吹いているケースにおいてはメッシュ構造により通気するため、やはり断熱性の項でも述べたように寒いときのアウターとしては不適切と言えます。
利点③ 臭いがつきにくい
これはメリノウールの驚くべき利点の一つであり、最も強く実感できるポイントだと思います。
サイクリングのユースケースに当てはめると、長時間メリノウールのウェアを着て汗をたくさんかいても臭くなりにくいということになります。
メリノウールが臭くなりにくい理由としては、素材が持つ免疫機能によって臭いの発生源となる細菌が育ちにくい環境となっているためです。
これらのメカニズムを語るには、そもそも汗の臭いがどのように発生するかというからしなければなりません。
汗だけでは臭いにはなりません。
汗と一緒に流れ出た皮脂をバクテリアが分解する際に生まれる排泄物が臭いの発生源となります。
バクテリアは以下のような環境で繁殖しやすいと言われています。
- 湿度が高い
- 温度が高い(36-37℃)
- 栄養豊富(エサとなる皮脂、垢などが豊富)
したがって、人間の肌に接している衣服や靴などは特にバクテリアが繁殖しやすい環境になっているわけです。
特に靴なんかは湿気が溜まりやすいですし、洗う頻度も少ないのでエサが無限供給されるような最悪の環境と言えるでしょう。
通常、人間含め生物の肌には外部から侵入してきた細菌を無力化する免疫機能があります。
羊の皮膚もそれに漏れず免疫機能があり、それは皮膚だけでなくそこから生えた毛にも及びます。
羊毛から作られたメリノウールはその免疫機能を引き継いでおり、その抗菌作用によってバクテリアなどが育ちにくい環境ができるのです。
したがって、汗や皮脂を吸収・付着しても臭いが残りにくいというわけです。
この「防臭効果の高さ」は先日の乗鞍でも遺憾なく発揮され、その効果を強く実感することになりました。
荷物を減らすためにトップスは替えなし、メリノウール製のジャージ一着で挑みました。
2,000mほどヒルクライムし散々汗をかいた後、洗わずに一晩ハンガーに干しておきました。 結果、翌日の朝全く臭くなかったので驚きました。
利点④ 水を弾き、湿気を吸収する
水を弾き湿気を吸収すると聞くと一見矛盾しているように聞こえますが、水は液体、湿気は気体です。
つまり液体は弾き湿気は吸収するということになります。
これもウールという繊維が持つ構造に起因する特性です。
ウールの表面には「スケール」といううろこ状のものが並んだ形状になっており、これが水を弾きます。
一方でウール内部は保水しやすい性質を持ちます。
このスケールは開閉することで液体は通れないが湿気は通れるくらいの細かい孔が現れ、これによる湿気のみを内部に吸収するような仕組みになっています。
メリノウールは水を弾くが故に、小雨程度でも身にまとっていける、そして汗を含んだ水溶性の汚れがつきにくいという利点があります。
一方で湿気を吸収するため、皮膚呼吸によって体表から出た汗が液体に変わる前に吸収してくれます。
このとき、メリノウールの繊維の表面は水を弾くため、常に皮膚に接している部分は「乾いている」ため(湿気は繊維の内部に吸収される)、汗をかいてもサラッとした快適さが持続します。
利点⑤ 肌触りが良い
さて、メリノウールでよく言われる特徴の一つとして肌触りの良さがあります。
が。
なぜメリノウールの肌触りが良いかという科学的な根拠を示した記事は見つからなかったので、少し仮説を含んだ説明をしていきたいと思います。
一般的に繊維が細いほど肌触りは良くなります。
以下の図のように、繊維が細ければ細いほど肌に触れる部分の凹凸が少なくなるため肌触りがよくなるという仕組みです。
繊維が太い場合
繊維が細い場合
ではメリノウールの繊維の太さはどの程度なのかということになりますよね。
メリノウールは太さによって等級が分けられており、細いほど高級になっていきます。
太さ(ミクロン) | 名称 |
---|---|
< 15.5 | Ultrafine Merino |
15.6 - 18.5 | Superfine Merino |
18.6 - 20 | Fine Merino |
20.1 - 23 | Medium Merino |
> 23 | Strong Merino |
さて、比較は最悪条件でやるべき。
ということで、メリノウールの中でも最も太い、一番下のStrong Merinoを見てみましょう。
Strong Merinoの太さは「23ミクロン(1/1000mm)より太い」となっているのがわかります。
果たしてこれは細いのか?ということになるわけですが。。。
調べてみると全く細いなんてことはないことがわかりました。
せっかくなのでQUANTUM JERSEYに使われているポリエステルの太さと比較してみましょう。
ポリエステルは化学繊維なので太さをある程度調節可能であり、それはもう使用用途によってパスタのように色々な太さがあります。
ここではたまたま見つかったユニクロのエアリズムの記事を参考にしてみましょう。
エアリズムに使用されているポリエステルは8マイクロとかなり細いことがわかりました。
Strong Merinoの約1/3の太さになります。めちゃくちゃ細いですね。
先程言ったように、化学繊維の特徴として(もちろん限界はあれど)ある程度太さを自由に調節できるというものがあります。
それによってポリエステルも8マイクロとかなり細くできるレベルまできているということですね。技術の進歩はすごい。
したがって繊維の太さだけの議論では「メリノウールの肌触りの良さ」を説明できないことになります。
じゃあネットに溢れる多くの記事は誤りなのか?ということになりますが、流石にこれだけ言われているんだから何かあるだろと思いたい。
実際に着てみても肌触り良いという実感もあります。
というわけでここからは素人の仮説になるのですが。。
メリノウールの肌触りの良さは、保温性と肌から水分を遠ざける性質によるのではないかと。
先程説明したように、メリノウールは表面がうろこ状になっているため撥水性がある一方、蒸気は吸収して繊維の内部に保水するという性質があります。
これによって、生地のうち肌と接する部分には水分はたまらず、比較的乾いた状態が維持されるため肌触りが良い状態が維持される。
したがって濡れた場合はポリエステルよりも相対的に「肌触りの良さ」を感じるということです。
またメリノウールは内部に溜め込んだ空気による断熱効果により、着た直後からほのかな暖かさを感じます。
これも相まって肌触りの良さを感じるのではないでしょうか。
まとめ
メリノウールの利点をまとめるとこんな感じでしょうか。
- 通気性があるため夏にアウター(トップス)として使っていける
- 保温性(断熱性による)が高いので冬のインナーに最適
- 激しく運動して汗をかいても臭いがつきにくい
- 表面が撥水するので水溶性の汚れがつきにくい
- 吸湿するが、表面は撥水するので汗をかいても快適性が持続
- 保温性と撥水・吸湿性によるり肌触りが良い
ここまで見ると夢のような素材ですが、メリノウールには欠点も存在します。
次回はメリノウールの欠点を語りつつ、具体的なユースケースについて説明していきたいと思います。
乗鞍を自転車で登って撮ってきた Part4 畳平~スカイライン~宿
前回は乗鞍高原(長野側)から乗鞍エコーラインを通り、日本最高舗装路である乗鞍岳畳平まで登る行程のレポートでした。
今回は乗鞍岳畳平から岐阜に下る乗鞍スカイラインと、今回の旅で宿泊した宿についてレポートします。
この絵でいうと①の行程が終わったところですね。
岐阜側のスカイラインを少し下ってつづら折りを観に行きます。
乗鞍スカイライン
スカイラインから望む山々。超絶景です。
エコーラインの最後の方で雲が出てきた時はどうしたものかと思いましたが、見事に晴れましたね。
少し残っている雲が作る空の表情がとてもいいです。山々の神々しさを引き立ててくれていると思います。
にしてもこの開放感。スカイラインの名のごとく、まさに空を走る道なのでないかと。
ここでも雲がいい仕事をしてくれています。モデルのSK君が向いている方向に雲が放射状に伸びている。
特に意識したわけでもないのですが、いい感じに視線誘導する構図になっています。
道の先には空しかない。
そして…
圧巻の九十九折。
もはや語彙力が足りず、最高とか素晴らしいとかそういうことしか言えないような世界。
訪れた時間が午後ということもあり半分くらい陰ってしまっているのですが、むしろいいコントラストになっているのではないかなと。
ダイナミックな風景の片隅に自転車に乗った小さな人間がいる。文明の利器が発達した時代になお人力で圧倒的な自然に挑んでいく姿。圧倒的孤独。しかしその中で感じる生。
そのギャップが撮りたかった。僕が自転車に乗っている時に感じることはまさにそれであり、これこそが撮りたいサイクリングフォトなのです。
逆光もまた美しく。
もう少し降りるとまたもう一つづつら折りがあるそうなのですが、既に時間は16時半。
このままいくと宿のチェックイン時間に間に合わなくなりそうなので名残を惜しみつつ引き上げることに。
きっとここでは素晴らしい夕焼けが観れるのでしょう。
人間いつ死ぬかわからないしいつだって今日死ぬなんて思わない。 でももう少し先だと思うから、またの機会にとっておきます。
さて、遅れるとわかっていても絶景を目にしたら撮ることを抑えられないのがフォトグラファーとしての性。 畳平に戻るまでもとにかく光が最高で絶景祭りでした。
抜けるような青空と赤いウインドブレーカーのコントラストが美しいですね。
夏の峠の色は空の青と木々の緑がメインだと思うので、被写体であるサイクリストはその補色である赤~オレンジあたりのウェアを着てもらうと映えますね。
赤のウインドブレーカーは大正解でした。
畳平に戻ると、エコーライン側から登ってきたときとは打って変わってガスが晴れ神々しい景色に。
急いでいたので55mmで撮影したのですが、山も湖も中途半端に切れていて何を見せたいのかわからない写真になってしいましたね。。
さて、宿に向かって畳平からエコーラインを下ります。ここで松本駅で会ったサイクリストと再会したので軽く会釈。
そういえば畳平に泊まると言っていたような。明日の朝は晴れだから凄まじい朝焼けが観れるだろうな。。カメラ持ってたし羨ましかったです。
ここからはチェックイン時間とのタイムアタックかと思ったのですが、普通に間に合わなさそうだったので宿に電話でチェックインが遅れる旨を伝えました^^;
安全に下って宿に到着。
宿
今回宿泊したのは山水館信濃様
Part1の記事で言ったように、僕らは前日の夜まで宿を決めていませんでした。
少しぐらいお金かかってもいいから良いとこ泊まろうぜという話になり。
最終的に「囲炉裏」という素敵な文字列に惹かれて予約。
囲炉裏を囲んで焼き魚と鍋を食べる、そんな旅にかねてから憧れていました。
我々は早速温泉へと向かいました。 そう、温泉にね。
さすが長野、険しい山岳地帯なだけあってどこに行っても(さすがに言いすぎだけど)温泉が湧いているイメージ。
無論この宿でも温泉が入れるわけです。
そして自転車に一日乗った後の温泉は最高と決まっているわけです。
おかげでゆっくり浸かっていたら夕飯に遅れる時間になってしまいました^^;
そしてこれも決定事項ですが、自転車に一日乗った後の飯は最高。
夕食
お待ちかねの囲炉裏!!
囲炉裏と言えばこれでしょう。一本串に刺さった岩魚の塩焼き。
汗をかきすぎて塩分が足りない身体に染みます。
続いて鴨鍋。ジューシーな鴨肉がたまらない。
野菜の天ぷら。素材の味が生きる天ぷらは大好きなので嬉しかったです。
信州サーモンの刺身。これまた肉厚で美味しい。
どうやら割と歴史の浅い鮭らしい。
やはり長野といえば蕎麦ですよね。
デザートは西瓜。こんなに甘くて美味しい西瓜は初めて食べたかもってレベル。正直言って西瓜は種取るのが面倒な割に当たり外れがあるのであまり食べないのですが、これは何個でもいける。。!
というわけで大満足な夕食でした。
夕飯食べたら温泉ラウンド2行こうかなんて話をしていたのですが、激しい眠気に襲われそのまま寝てしまいました。
前日実質3時間しか寝てねーからな。。
朝食
熟睡すること8-9時間、翌朝起きると窓から光が漏れていました。
天気予報通り晴れているようですね。外を見ると雲ひとつない青空が広がっていました。これから台風が来るとは信じられないですね。
朝食と言えば焼き鮭。これまた信州サーモンです。濃すぎず薄すぎずな味付けが素晴らしいですな。白米が進みます。
冷奴には生わさびが乗っていました。わさびということですが、全然辛くなく、シャキシャキとした歯ごたえが心地よい。
名前を忘れてしまった乗鞍高原名物料理。見た目焼いた漬物のような雰囲気ですが、期待を裏切ることなく味も漬物です。新感覚。
朝食を食べて玄関前を通るといい感じの光が差し込んで影を作っていました。
せっかくなので宿の外に散歩に出ることに。
木々の間から光が差し込み、一点だけが明るくなっています。こういう光を沢山見つけていきたい。
寒すぎない涼しいひんやりとしたきれいな空気がとてもいいですね。1年中この気候ならいいのにね。
きれいな緑と山々、そして空気。温泉。食べ物。長野はどれを取っても本当に素晴らしいと思います。
きっとこれからも何度も訪れてしまうだろうなぁ。
帰路
最後にもう一度だけ温泉に浸かってから、宿の女将さんに挨拶して帰路につきました。
帰りは来た道を戻るだけ。行きは登りだけだったので帰りは下りのみ。時たま止まっては撮影しつつ…
松本駅まではあっという間でした。
駅に着く頃には昼飯時になっていたので、何か良い食事処はないかと色々探して結局ラーメン屋へ。
麺匠佐蔵。信州味噌を使った濃厚な味噌ラーメンが推し。
実はここには3年ほど前に美ヶ原を登りにきたときに入ったことがありました。「味噌」ということ以外何を注文したのか忘れてしまいましたが美味かったのは覚えてる。
今回僕が注文したのは濃厚魚介味噌ラーメン。間違いのない美味さ。
魔が差して大盛りにしたのですが、思ったより多くて汗びっしょりになりながら完食。
ここから先は普通に篠ノ井線と新幹線を乗り継いで帰りました。
特筆すべきことはないのですが(笑)、帰りも篠ノ井線の姥捨駅からの景色は素晴らしかったです。一度ちゃんと時間を取って来てみたいですね。。
旅の最後に
正直言って乗鞍は想像以上でした。
今まで渋峠、浄土平、美ヶ原と名だたる聖地を走ってきて、もうこれ以上の絶景ないでしょ…思っていたのですが、乗鞍でまた度肝を抜かれました。
正直に言うと、あまり乗鞍の素晴らしい写真を観たことがなかった(能動的に探してなかったのもあるけど)ので、ただ標高が高いだけでそうでもないのでは?と内心思っていました。
でも実際に走ってその絶景を目の当たりにして、僕はなんて愚かだったんだろうと今は自戒しています。
今回の旅の記憶と写真がすべてを物語っています。
やはり自分の目で見て、走って、感じないと何もわからないですね。 今更何を言ってんだという感じですが。。でもそれを強く実感する旅でした。
7年前に渋峠を初めて自転車で登った時あまりの美しさに自転車の価値観が変わり、その絶景を綺麗に残したいと思って写真を始めました。
故に森林限界は僕の自転車と写真の原点、そして原動力でもあると思うのです。
一体これからどんな景色に出会うことができるのか。
それはきっと能動的に動き続けることで変わってくるのでしょう。
これからも貪欲に、自転車と写真という日本の柱を持って色々な場所に足を運んでいきたいと思います。
最後に、今回乗鞍を推してくれて、かつ僕の面倒くさい注文に答えて素晴らしい被写体になってくれたSK君に感謝して締めくくりたいと思います。
ありがとうございました!
乗鞍を自転車で登って撮ってきた Part3 乗鞍高原~エコーライン~畳平
前回は自宅~乗鞍高原までの行程の記録でした。
ルートについて
- 1日目(土曜日)
日本最高舗装路である畳平に至る道は2つあります。 * 乗鞍エコーライン: 長野県から登る道 * 乗鞍スカイライン: 岐阜県から登る道
美しいつづら折りの風景に定評のあるスカイライン。 そのつづら折りは頂上付近から少し下ったところにあります。
なので、まずは乗鞍高原から乗鞍エコーラインを登って頂上である畳平へ行き、その後スカイラインを少しだけ下ってつづら折りを見ます。 その後来た道を引き返し、畳平を通って長野側に下るという作戦です。
分かりやすく絵で描くとこんな感じになります。
分かりにくいとか言うなよ!!大体伝わればいいんだよ!!
乗鞍高原(乗鞍観光センター)の標高が約1,500m, 今回の目的地の乗鞍岳畳平の標高が2,702mであるため、20kmで約1,200mの獲得標高となるルートです。
松本駅の標高が約500mであり、松本駅~乗鞍高原間が40kmであることから、午前中走ったルートよりも獲得標高も平均勾配も高くなります。
乗鞍観光センター〜位ヶ原山荘
正昼食を食べたレストラン(ひこーき雲)からスタート。乗鞍観光センターから数百メートル先になります。
天候は完璧なまでの晴れ。レストランの前で会ったサイクリストから聞いた「今日の頂上は最高でしたよ!」の言葉から期待が高まります。
登り始めは森の中。木漏れ日が眩しい。
エコーライン登り始め pic.twitter.com/ivqS1gHkv0
— Weekendcycler (@weekendcycler) September 24, 2019
標高は既に1,500mを超えていますが、周囲を木が覆っているのであまり高さを感じないですね。
そこから淡々と登り続けると段々と視界が開けてきます。
うーん実にいい天気!ついつい止まって撮ってしまいますね。
視界が開けてくると標高の高さを感じる景色が出てきます。
2,350m地点の位ヶ原山荘に到着。既に渋峠であれば森林限界に達している高さですが、乗鞍はまだ木が残っていますね。
位ヶ原山荘ではRCCと思われる方々が休憩していました。 RCCは以前ブログでも紹介した、Raphaというサイクルウェアブランドのクラブです。
僕もRCCの端くれ(ほぼほぼROM専)なので話しかけてみようか迷ったのですが、そうこうしているうちに行ってしまいました(このRCCの方々とは後々畳平で再会することになります)。
既に観光センターから800mほど登っていることもありボトルはほぼ空。 残りの標高は350m程ですが、これから先何が起こるかわからないのでミネラルウォーターを購入。
少しだけストレッチして再びスタート。あと350m頑張ろう。。
位ヶ原山荘〜乗鞍岳畳平
位ヶ原山荘から標高にして100mほど上がるといよいよ絶景ゾーンに突入。
遠くに鬱蒼とそびえる山の美しさよ。これを見るがためだけに普段生きてる気がする。
止まっては撮りの繰り返し。
そこから更に100mほど登るといよいよ森林限界に突入。高さのない高山植物と地肌、岩石ばかりの地形。
周りが絶景すぎるおかげで疲れていることを忘れてしまいますね。ペダルが回る回る。
少し雲が出てきていますが、逆にいいアクセントになってます。
流石に疲れてきた感じもします…が、やはりこういう自然に囲まれて歯を食いしばっている時こそ生きているということを強く実感しますね。本当に最高です。
森林限界到達。流石に一日中登りっぱなしなのでしんどくなってきた。 pic.twitter.com/jVabMpEkeY
— Weekendcycler (@weekendcycler) September 26, 2019
空がとても近く感じます。
森林限界ならではの岩石がゴロゴロした風景。
うーん。視界良好。
最高の天気。青空に緑が映えますね。
絶景すぎる。遠くに登ってきたつづら折りが見えますね。
地肌の茶色、空の青、高山植物の緑の3つが作るコントラストが非常に美しい。雲のかかり方も神がかっているように見えます。
登りながらなんとなく嫌な予感はしていましたが、霧と雲が出てきてしまいました。
ゴール地点の畳平。長野と岐阜の県境です。畳平は曇っていて見えないですね。。
とはいえ曇っても尚神々しい乗鞍の山。
人がものすごく小さく見えるこのスケール感。圧倒的な自然を感じます。
SK君の愛車を撮影。
続いて僕の愛車です。安定性重視の置き方をした結果、結果看板の大部分が隠れてしまった。。
標高2,700mともなると下界より15℃近く気温が低いです。身体を冷やさないようにウインドブレーカーを羽織っていく。
そうこうしているうちに晴れてきました!山の天気は非常に変わりやすいということを実感します。
光と雲が岩山に作る影が美しい。いやはや感嘆しっぱなしですな。
ちょうどこの後写真を撮っていると先程位ヶ原山荘で見かけたRCCの方々に写真をお願いされるイベントが発生。
会話の流れで「実は自分もRCCなんです、でもまだイベントに参加したことなくて〜」と申し上げたところ、ちょうど来週末に誰でも参加できるパーティー的なイベントがあるから参加したらどうですか〜?とご提案いただきました。
これも何かの縁と思い参加させていただきました(下の写真はイベント中のもの、Rapha KoreのJacobさんのプレゼンテーション)。
皆さんとても快く迎え入れてくださり嬉しかったです。ありがとうございました!!
さて、畳平の次はいよいよ乗鞍屈指の絶景スポットであるスカイラインのつづら折りに向かいます。
続きます。
乗鞍を自転車で登って撮ってきた Part2 自宅~乗鞍高原
峠に写真を撮りに行くのは早朝に限る
峠のサイクルフォトは朝早く行くほど良い。
なぜなら雲が少ないから。
時間が経過するにつれて気温が上がっていき、水蒸気が段々と空に上がり雲となり地面に影を作る。
光の向きも同じ。
午前中は順光だった場所が午後は逆光になって影が落ちてしまう。
そして夕焼けを拝むことができるのは夕方だけだし、朝焼けは朝だけの特権だ。
したがって峠のサイクルフォトを満喫しようと思うなら、朝早い時間に頂上に到達するのが最も良く、なんなら前日から泊まってしまうのが一番いい。
旅程
などとカッコつけて語ってみたものの、実際は居住地、天気や仕事の兼ね合いもありそう上手くいくものでもなく。
今回は以下の旅程を組まざるを得ませんでした。
1日目(土曜日)
2日目(日曜日)
自分たちに許された時間は土日の2日間。
そのうち土曜日は晴れ、日曜は晴れのち台風ということで、これは晴れている土曜に行けるところまで行き絶景を楽しみ、日曜は台風から逃げるように帰るというプラン。
ちなみに当日もっともしんどいであろう1日目の2.~3.の区間のルートはこちら。
距離61.4km, 最大標高差2,133mのなかなかに厳しい行程です。
最近運動不足だったのでただでは済まないだるうなと思うものの、去年(運動不足ながら)600km走破したときのことを思い出して大丈夫行ける行けると自分に言い聞かせる(弱気)。
1日目: 自宅〜松本駅まで
朝3時に起き、朝まで使ってた充電器やケーブルやらなんやらを荷物に詰める。 自宅から東京駅までは自走で。
予報は晴れと出ていましたが、思いの外雲が多くなんなら雨も降りそうな気配で少し心配に。
少し早めに着いたので写真など撮りながら輪行の準備をしていると友人SKが到着。
輪行の支度が終わった僕は見張りをSKに任せトイレに。
少しだけ時間があったので売店でカツサンドを購入(ロードシューズで走るおじさん)。
新幹線は前もって駅ねっとで上越新幹線かがやきの最後尾を確保していたので、危なげなく座席の後ろにバイクを安置。
かがやきー!!!!!俺だー!!!!!かがやける未来を見せてくれ頼む!!!!!
この時点で3時間くらいしか寝ていなかったので新幹線の中で少しでも睡眠時間を稼ぎたいところでしたが、僕にはやらなければいけないことが…
そう…
ブ・ロ・グ★
溜めて書いてると思いきや実は毎週ギリギリに書いてるんやで!
ちなみに3時間しか寝ていないのは前日に記事に載せる素材を作っていたため。
そして新幹線の中でスマホで書き上げた記事はこちら。
予め内容を考えて素材を作っていたためスムーズでした。おかげで睡眠不足のまま松本に行くことになったわけですが。。
さて、長野駅で新幹線を降り、在来線の篠ノ井線に乗り換えて松本駅に向かいます。
ワンマンでほぼほぼ単線。のどかな景色に癒やされるも、意外と乗っている人が多く座れない^^;
駅に近くなったときだけ一時的に複線になる。
時折スイッチバックするのが土地ならではで面白いですね。
山がちな長野は急勾配な区間が多く、そのまま前進したのでは登坂できない。 なのでまずは折り返し線に入って停止してから後ろ向きに進み駅に到着するという。
篠ノ井線は姥捨駅(標高551m)でスイッチバックするのですが、この駅がとにかく絶景。
電車の中から撮ったので見にくいですが、写真の中央に棚田が広がっていますよね。 これが非常に美しい。
この棚田を含む善光寺平は、日本三大車窓の一つにも選ばれたそうな。
55mmかつ室内ということで美しさを十分に伝えられていない感がありますが、夏の太陽に照らされた新緑の棚田と町並み、山々は大変美しく。
今度ぜひここを目的地に旅をしたいですね。
1時間程乗ると松本駅に到着。駅前で輪行袋を解いてバイクを組み立てます。
SK君のサドルバッグが新しくなってますね。ベース部分をサドルに残し、バッグ部分だけ簡単に取り外せるタイプ。
このタイプはレベレイトデザインのテラピンが走りな気がしますが、値段が高いということでRestrapをチョイスしたとのこと。
テラピンは3万円、Restrapは1万円そこそこと同容量(14リットル)にも関わらずお値段控えめ。評価も中々良い。
始終便利そうで羨ましかったです。
僕のサドルバッグは取り外せないタイプだったので、宿に入る時いちいち必要なものだけ取り出してサコッシュに入れるとかしないといけなくて面倒でした。 (ちなみにサドルバッグ外すのはもっと面倒)
そして見てわかるようにウォーターボトルは1本勝負。
二本差しと迷ったのですが、とにかくサドルバッグに入れる荷物を減らしたかったので片方はツールボトルに。
乗鞍エコーラインの途中は補給できるところもあるということで、まぁ大丈夫だろと。
そしてここで同じく輪行の人がいたので話しかけてみると、やはり乗鞍に行くとのこと。そりゃそうよなぁ、この天気で松本、他にどこいくのっていうねw
今日は乗鞍の頂上である畳平に泊まるらしく、あー。。その手もあったのかと。 日曜日の朝は晴れなので上手く行けば最高の朝焼けが見れるというわけです。
宿決めたの前日だったし、今更どうしようもないのでそれはまた次の機会に取っておくことにします。
ここから先は時間との勝負(前述の通り遅くなるほど雲が出る)ということで、ささっとコンビニで補給と買い物を済ませ、乗鞍高原目指してスタートしました。
1日目: 松本駅~乗鞍高原
40kmで1000mほどアップ。
その間ほぼノンストップで走行、故に写真もほぼ無しです。。
いやいや流石に何枚かあるやろ?と思ってSDカード見てみたら、道を調べるのに止まった時に1枚だけ撮ったSK君の写真しかなかった。。
道はどうだったのかというと、かなり厳しかったですね。
最初の20kmで200mくらいしかUPしなかった(予定では松本駅~乗鞍高原まで1000mUP)ので嫌な予感がしていたのですが、その期待?を裏切らない鬼畜ぶりで、残り20kmから徐々に登り始め、最後の10kmは10%が頻出するレベルの激坂でヒィヒィ言いながら登っていました。
とはいえ道中の景色は本当に最高で、新緑のトンネルやダム、真っ青な湖とまさに夏を感じられるような情景が広がっていました。 東京の早朝に感じた懸念はなんだったのか。
元気だった最初の20kmはSK君と二人で「夏しかない!」「最高!」ととにかく騒ぎまくっていました。元気だった頃はね。
そんなこんなで乗鞍高原に着く頃にはかなり疲労困憊していたのですが、(体力も絶景も)本番はここから。
ということで時間を使ってでもしっかりと腹ごしらえすることにしました。
ひこーき雲様にてのりくら丼をいただく。
地元の素材(岩魚と季節野菜)で作られた天ぷらがふんだんに乗った丼はボリューミーで登坂で疲れた身体にめちゃくちゃ効きました。
味噌汁の塩分がうれしい。。。もう何でも美味しい状態。。。
いつまでも座っていると永久に居座ってしまうので、ちゃんと時間を切って立ち上がる勇気。
会計してお店を出てバイクの鍵を外していると、乗鞍の峠方面から下ってきた人に話しかけられる。これからなんですよーと言うと、
「今日は最高の天気、頂上は雲ひとつないですよ!!」
とのこと。
スカイライン方面も絶対行ったほうが良いですよとアドバイスをいただく。
これは期待が高まる。。!! 確かに現時点でも峠方面の空は雲ひとつない快晴。この天気が上までもってくれればよいんですが。。
食事を終え少し体力が回復し、そんな話を聞いたものだから俄然登る気が湧いてきた僕たちは、はやる気持ちと不安が半々くらいで日本最高舗装路への道を再び登り始めた。
続きます。
乗鞍を自転車で登って撮ってきた Part1 準備と機材
サイクリストの聖域、乗鞍
自転車乗りなら誰もが憧れるサイクリストの聖地、乗鞍。
頂上の畳平は標高2,700m、日本で最も高い舗装路がある場所。
つまりロードバイクで行ける日本で最も高い場所ということになります(グラベルを考慮するといくらでも上がありそうだけどここはひとまず置いておく)。
年に一度、アマチュアヒルクライム王者を決める大会が開かれることでも有名ですね。
標高2,700mともなると、高木が生育できず森林が形成されない所謂「森林限界」に到達し、視界が一気に開けて凄まじい絶景を見ることが出来ます。
同じく森林限界に到達可能かつ絶景パラダイスを楽しめる長野の渋峠(標高2,172m、日本国道最高地点)と福島の浄土平(標高1,600m)には何度か登ったことがありました。
一方で日本の最高舗装路である乗鞍には行きたいと思いつつ行けていなかったのですが、今回ついにその夢が叶ったのでつらつらと感想を書いていきたいと思います。
直前までの葛藤
今回は友人と行くという予定を立てていたこともあり完全に日程がFIXしていました。なので天気が悪ければキャンセルというスタンス。
友人は所帯持ちなのでそう何度も休日に家族を置いて旅行することは難しい(社会人あるある)。
もともと土曜日に決行しその日は現地で一泊、日曜に東京に帰ってくるという旅程を組んでいたのですが、直前になって台風が接近しているというニュースが。
天気予報としてはぎりぎり日曜に雨降るかどうかといった感じ。
日帰りで浄土平にするか、それとも乗鞍に懸けるか。
一週間前からあーでもないこーでもないと友人と議論し、宿を予約したりキャンセルしながら前日に。
せっかく泊まりで行けるのだからあまり行かないところに行きたい!ということで「ええい、ままよ!」と乗鞍行きを決めたのでした。宿もここで予約。
毎度のことながら自転車旅の宿決めはギリギリまで決めないことが多いですね。 やはり行くなら天気がいい時に行きたいし、現地では自転車乗ってるだけなのでプランもへったくれもないしね。
電車の中でルート調べたり、飲食店調べたりなんてザラです。
そしてそれが許される自転車乗り同士の関係というのも僕は好きです。
なにせ一番の目的は絶景の中を走ることですからね。
撮影機材
もちろん今回も一眼を持っていきました。
SONY α7 II ILCE-7M2 ボディ kakaku.com
SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS SEL1635Z kakaku.com
SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z kakaku.com
ケンコー Zeta ワイドバンドC-PL 72mm kakaku.com
a7iiのボディに広角ズームと標準単焦点の組み合わせです。 あとは広角ズームレンズ用のC-PLフィルターですね。
広角ズームは主に山の風景を、標準単焦点はサイクリストのポートレート写真を撮影するために持っていきました。
フィルターは空をより青く、そして反射を取り除くことで山々の緑をより鮮やかに写すことを目的としています。
重さもさることながら、合計の値段もかなりのもの。バイクも含めると落車したらひとたまりもありません。
落車は運ですが、重さについてはある程度サイクルフォトライドを繰り返すことで慣れてきた感があります。
基本的な運用方法としては、走行中はどちらかのレンズを付けたボディをたすき掛けします。
diagnl カメラストラップ Ninja Strap テープ幅 38mm Black 513868
- 出版社/メーカー: ダイアグナル(Diagnl)
- メディア: Camera
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利用するストラップはdiagnalのニンジャストラップです。 伸縮自在、使わないときは短くして身体に密着させておけるという所謂速射ストラップという類のものですね。
一見便利そうなニンジャストラップですが、サイクリング中の利用には致命的な欠点が。
それは、滑りまくること。 シートベルトのような材質なので、どれだけ締め付けても背中のカメラが身体の前に回ってきてしまいます。
自分の場合は150mmのステムをベタ付けしているので前傾がかなりきつく、余計にその傾向が強くなります。
したがって今回は以下の補助ストラップを別途購入、利用しました。
- メディア: ウェア&シューズ
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これで三点止めになるので、カメラが前に回ってくることはなくなります。
そして、使ってない方のレンズはフレームバッグに入れておきます。
標準ズームレンズを入れるとこんな感じ。結構突っ張ってますがちゃんと入ります。
ウェア類
標高2,700mということで、乗鞍の頂上は外界(笑)と比較して15℃くらい気温が下がるはずです。
情報収集で様々なブログを見たとき、真夏でもしっかりと防寒はしていくことと書かれてあったので、色々詰め込みました。
- ウインドブレーカー
- アームウォーマー
- レッグウォーマー
- フルフィンガーグローブ
結果サドルバッグも必要になり、バイクの見た目はこんな感じに(当日の東京駅、朝5時半)。
次回に続きます。