Weekendcycler

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ISO感度についてまとめてみた Part1

そのままアイエスオーかんどと読むときもあれば、ローマ字読みでイソ感度と読むこともあるISO感度

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ライブ撮影の記事で少しだけ説明しました。

大きくするとノイズが出るが明るい写真が撮れるというのがISO感度の性質です(ISO100の方は明るくするためにシャッタースピードを長くしています)。

  • ISO100 20190301-DSC00050-4

  • ISO25600 20190301-DSC00051-3

したがって、ノイズが気にならない程度のISOを時と場合に応じて調整するのが画質の鮮明さと明るさを両立するための鍵となります。

…とエラそうに語っておきながら、自分は撮影時は割と適当にISOを設定したり、そもそも仕組みを上手くわかっていなかったりするのが現状だったりします。

その理論や仕組みを知ることでもう少し色々な状況に瞬時にかつ的確に対応できるフォトグラファーになりたい。。

というわけで、今回は写真の露出を決めるパラメータのうちの一つであるISO感度について勉強・まとめてみることにしました。

フィルムにおけるISO感度とは

ISO感度のISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization, 略してISO)のことを指し、ISO感度はその国際標準化機構が決めた写真フィルムの規格です。

今やカメラといえばスマホ含むデジタルカメラがメインになっていますが、我々(20代後半から30代前半くらい)が小さい頃はまだフィルムカメラが主流でしたよね。

フィルムにおけるISO感度とは何かというと、そのフィルムが記録できる光の下限、つまりどの程度の光の弱さまで記録できるかというフィルムの能力を示します。

ISOの数値は100とか200で表され、数値が大きくなるほどより弱い光を記録できる、つまり感光(物質が光によって化学変化する)しやすい、感度が高いことを意味します。

なのでISO200のフィルムの方がISO100のフィルムよりもより弱い光を捉えることができるということになり、それ故にシャッタースピードを速くしても明るい写真が撮れるということになります。

逆に言うと、シャッタースピードを速くすると取り込める光の量が少なくなるが、ISO感度を上げるとより弱い光を取り込めるようになる(ISO感度が低い状態では取り込めない光を取り込める)ので写真の明るさは変わらない、ということです。

なぜシャッタースピードを上げると光を多く取り込めるのか?それについてはライブハウス撮影記事の3回目で説明しました。もう一度復習してみましょう。

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シャッタースピードとはつまり、カメラ本体にあるイメージセンサー(撮像素子)を光に晒す時間を指します。

デジタルカメラでは、光はセンサーからレンズを通ってイメージセンサーに当たり、それによって写真データが作成されます。

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光はレンズを通ってイメージセンサーに当たる

したがって、光があたっている時間が長いほど作成される写真データは明るくなるということになります。

これはフィルムカメラでも同様のことが言えます。というのも、フィルムカメラデジタルカメライメージセンサーをフィルムに置き換えたものだからです。

センサーが素子が敷き詰められた網目状の構造になっているのと同様に、フィルムも粒子の集合体になっています。

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センサーは素子が敷き詰められた網目構造になっている

一つ一つのフィルムの粒子に光が当たり、化学変化する(感光する)ことで、1枚のフィルムが写真になるという仕組みです。

したがって、フィルムカメラでもシャッタースピードが長い、つまり光をフィルムに当てる時間が長いほど取り込める光の量が多くなります。

シャッタースピードを上げられるということはすなわちより動きの激しい被写体にも対応できるということです。

なので、シャッタースピードを上げるためにはISO感度の高いフィルムを使うというわけです。

それによって薄暗いライブハウスでの撮影が楽になったり(ライブハウスは暗い上に被写体が動く)、手ブレを発生を抑えたりできる(シャッタースピードが長い状態で手持ちして撮ると手ブレが発生する)ようになります。

フィルムのISO感度を上げることのデメリット

さて、ISO感度を上げることで明るく撮れるならいくらでも上げたら良いじゃないかという話になりますがそう簡単にはいきません。ちゃんとデメリットが存在します。

ISO感度が高くなればなるほどフィルムの粒子が大きくなります。

粒子一つ一つが一つの色を表現します。

したがって、粒子が大きくなればなるほど表現できる色の数が減るため、写真が荒くなるということです。

便宜的に、フィルム上の1粒子を1マスで考えてみましょう。

マス目一つずつが一つの色で表されると過程すると、43のマスのフィルムでは家が9色で表現されます(33マスの正方形に入っている)

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4*3の解像度で表現された家の写真

一方でISO感度が高いフィルムは粒子が大きくなる、つまりマスが大きくなるので以下のようになります。

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1.5*1.7の解像度で表現された家の写真

1.51.7マスのフィルムであるとすると、家が1色(11マスの正方形に入っている)でしか表現されません。

ゆえにフィルムの粒子が大きくなると被写体を表現できる情報量が減るために写真が荒くなるということですね。

したがって、フィルムのISO感度については以下のようなことが言えます。

  • ISO感度を上げると
    • より弱い光を記録できる
    • フィルムの粒子が大きくなるため画質が悪くなる(写真が荒くなる)

したがってフィルムにおいてもデジタルと同様、ISOを上げることは画質とのトレードオフになるということです。

一方で、デジタルカメラにおけるISO感度の仕組みはどのようになっているのでしょうか。

イメージセンサーは網目構造になっていますが、マスの大きさは固定です。

またデジタルカメラの場合、ISO感度を上げることで発生するデメリットがはノイズが発生してしまうことです。

したがってフィルムカメラとは別の仕組みであることが考えられます。

次回はその辺りについて解説していきたいと思います。