InstagramのフィルターをLightroomで再現してみた Part3 トーンカーブの調整
前回の復習です。
- Lightroomのginghamフィルターの再現するために動画を参考にした
- Lightroomで写真の明暗を調整するとき、ヒストグラムとトーンカーブが重要になってくる
- ヒストグラムは、写真のピクセルの輝度(明るさ)の分布をグラフで表現したもの
トーンカーブ
そのうち今回はトーンカーブについて説明します。
トーンカーブで出来ることをものすごく簡単にまとめると以下の2つです。
では実際に点コントロールポイントを打ってみましょう。斜め線の好きな部分をクリックするとコントロールポイントを打つことができます。
以下の例ではコントロールポイントをトーンカーブの真ん中あたりに打っています。
では次に、打ったコントロールポイントを掴んでカーブを曲げていきたいと思います(頭痛が痛いみたいだな)。
が、まずはトーンカーブの上のパネルにあるヒストグラムに注目してください。
上にあるヒストグラムは、トーンカーブの背景にあるヒストグラムを色別(RGB)に分けて表示したものです。
コンピュータ上では、色はRGB(赤: Red, 緑: Green, 青: Blue)の数値の組み合わせで表現されます。
例えば茶色であれば R: 115, G: 66, B: 41 と言ったような数値になり、全ての色をRGBの三色に分解することができます。
一枚の写真のピクセル全てをRGBの色別に分解し、RGBそれぞれの数値と輝度でヒストグラムを3つ作り、これらを重ねて表現したものが上にあるカラフルなヒストグラムです。
赤と緑が重なる部分は黄色(Yellow)に、緑と青が重なる部分はシアン(Cyan)に、青と赤が重なる部分はマゼンタ(Magenta)になっています。
一方で、トーンカーブの背景になっているヒストグラムはピクセル毎の輝度で作成したヒストグラムになります。
…と、小難しい話をしましたが、ヒストグラムにおいて重要なことは以下の2点です。
- 右に行くほど明るい
- 左に行くほどくらい
これだけを意識して、トーンカーブを曲げたときの写真とヒストグラムの変化を見ていきましょう。
曲げる前
上側に曲げた後
下側に曲げた後
いかがでしょうか?この観察からわかることは…
ということ。トーンカーブを上に曲げると明るく、下に曲げると暗くなるということですね。 このあたりは実際にLightroomで実施してみるとわかりやすいと思います。
もう少し曲げ方を工夫してみましょう。 コントロールポイントは複数打つことができるので、以下のようにコントロールポイントを2つ追加(合計3つ)し、S字、逆S字に曲げてみます。
曲げる前
S字に曲げた後
逆S字に曲げた後
いかがでしょうか?
S字に曲げた(トーンカーブの右側を上に曲げて、左側を下に曲げた)場合は明暗のコントラストの強い(明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く)硬調な写真になりました。
一方で、逆S字に曲げた(トーンカーブの右側を下に曲げて、左側を上に曲げた)場合はコントラストが弱く(明るい部分は暗く、暗い部分は明るく)のっぺりとした写真になりました。
何故このような変化が起きるのでしょうか?
ヒントは、右側と左側に分けて曲げていること。
このあたりでピンときた方もいるかもしれません。ここでヒストグラムの仕組みを思い出してみましょう。
そう、ヒストグラムのx軸は右に行くほど明るく、左に行くほど暗くなるのでした。
実はトーンカーブの曲線はこの法則と連動しており、トーンカーブの右側を曲げると明るい部分が調整され、逆に左側を曲げると暗い部分が調整されるという仕組みになっているのです(真ん中を曲げると中間の明るさの部分が調整される)。
つまり輝度別に明暗を調整できる機能こそがトーンカーブというわけです。
更に、カーブの各点と基準の線の距離の大小がそのまま調整の強弱として現れます。
基準線からのカーブの距離が小さい場合は明暗の変化が弱い
基準線からのカーブの距離が大きい場合は明暗の変化が強い
さて、これでトーンカーブの背後にヒストグラムがある意味がやっとわかりましたね。
写真の輝度分布を見ながら、トーンカーブで明暗をいい感じに調整するんやで!というLightroomなりの愛を感じることができます。
つまり暗すぎる部分を持ち上げて明るくしたり、明るすぎる部分を下げて暗くしたりといったことができるわけです。それも細かく。
さて、このトーンカーブを操作することでLightroomのフィルターを再現できるわけですが、次回からはいよいよ実践に移っていきます(導入なげえな?)。