革靴の手入れ方法についてまとめてみた Part5「保湿・補色」
前回は革靴の手入れの第一段階であるクリーニングについて説明しました。
今回は、その後の工程である「保湿・補色」について説明していきます。
- クリーニング ← 前回はコレ
- 保湿・補色(乳化性クリームの塗り込み) ← 今回はコレ
- 鏡面磨き(蝋製ワックスによる磨き) ← 次回はコレ
保湿・補色
クリーニングが完了すると、皮革の表面のゴミや塵、こびり付いた汚れだけでなく乳化性クリームの層と蝋製ワックスの層が全て除去されるため、皮革が露出されます。
非常にクリーンな状態ですが、表面の油分・水分が枯れた状態であるため、このままではすぐに乾燥して革靴の寿命を縮めてしまいます。
そのため、乳化性クリームを塗り込んで保湿していく必要があります。
表面の状況によって異なる乳化製クリームを利用します。
乳化製クリームには主に色付きと色なし(ニュートラル)の2種類があり、表面の色が薄くなったり剥げている場合は前者を利用し補色を、それ以外や色を変えたくない場合はニュートラルを使います。
色付き(ブラック)
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また、敢えて表面の色とは少し異なる色のクリームを部分的に使うことでグラデーションを作るといったオリジナリティを出していくことも可能です。
以下の革靴は本来茶色一色のものですが、メンテナンス時に爪先部分だけ焦げ茶のクリームを塗ることで重厚感を演出しています。
1. 乳化性クリームの塗り込み
今回は若干のスレや色あせがあるので、表面の色と同じブラックのクリームを塗り込んでいきます。
少量を直接手に取り、
革靴の表面全体に塗り込んでいきます。アッパーとコバの接続部分にもしっかりと塗り込むようにしてください。
指で直接塗る理由は、体温によってクリームが溶けて馴染みやすくなるためと、塗り過ぎ防止のため。
どうしても指を汚したくない場合は塗布用のペネトレイトブラシを使って塗る手もあります。
コバ部分に塗布しやすい一方で、ブラシ自体のメンテナンスが面倒なのがデメリットでしょうか。
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塗り終わるとこのように塗りムラが出た状態になります。
2. ブラッシング
今度はこれをブラシを使って均していきます。目的は塗りムラをなくすこと、クリームを皮に染み込ませること、そして余分なクリームを取り除くこと。
ここで利用しているのは豚毛ブラシです。
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見てわかるように真っ白で綺麗ですが、これは購入したばかりであるため。
いつもは馬毛ブラシを使っていたのですが、クリームを皮に塗り込むにはコシの強い豚毛ブラシが良い、ということで今回新しく購入して使ってみました。
革にクリームを押し込むイメージで、少し強めにグイグイとブラッシングしていきます。
塗りムラがなくなりましたね。
3. 磨き
最後にフランネル布をきつく指に巻きつけ、乾いた部分で全体を磨いて「保湿・補色」の工程は完了です。
次回は最後の工程である「鏡面磨き」について説明します。