Weekendcycler

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革靴の手入れ方法についてまとめてみた Part4「クリーニング」

前回は天然皮革の靴を選ぶ意味とメンテナンスの重要性、そして革靴のメンテナンスの工程について説明しました。

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メンテナンスの工程は以下の3つからなります。

  1. クリーニング
  2. 保湿・補色(乳化性クリームの塗り込み)
  3. 鏡面磨き(蝋製ワックスによる磨き)

今回は、最初の工程であるクリーニングについて詳しく説明します。

0. 今回モデルに使う革靴について

自分の持っている革靴は比較的綺麗なものが多い(割と新しいかつメンテナンスしている)ので、ビフォー・アフターが分かりづらいと思いました。

そこで、今回はモデルとなる革靴を別途、高円寺にある古着屋のWhistler様で購入しました。

ライブの合間に買い物に付き合ってくださったFor Tracy HydeのU-1さん(Gt.)、Sokoさん(Dr.)ありがとうございました!

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幅広かつ甲が低いという私の足に合うものを店員さんに探してもらったところ、いい感じの黒のウイングチップがHITしました。ちなみにアメリカ製。

状態は非常によく、若干色がくすんでいる程度で革底の減りもほぼなし。クリーニングだけでかなり綺麗になりそうということで、U-1さんとSokoさんの後押しもあり購入しました。

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黒のウイングチップ

Whistler様では購入時にクリーニングのサービスがあるそうですが、今回はメンテナンスの記事を書くために購入したので敢えてそのまま持ち帰らせていただくことに。

黒のウイングチップ持っていなかったのでちょうどよかったです。

1. 紐を抜く

ローファーなどの紐のない靴を除き、殆どの革靴には紐がついています。

紐が付いたままだとメンテナンス時にその部分が引っかかってしまって、均一に乳化性クリームを塗ったり汚れを取ることができません。

まずは紐を抜きましょう。

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2. シューキーパー(シュートゥリー)を入れる

シューキーパーとは、靴を適切な形に保つための道具です。

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シューキーパーを入れることで靴についたシワをしっかりと伸ばすことができます。

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これによって、後工程のブラッシングでシワの隅々のゴミを掻き出したり、乳化性クリームを奥まで浸透させることができるようになります。

シューキーパーはメンテナンス時だけでなく、履いていないときは常に入れておくことをおすすめします。

型崩れを防ぐことができるだけなく、木製であれば湿気を吸ってくれるためカビや臭いの発生を防ぐことができ、結果として革靴の寿命を大きく伸ばすことができます。

出張先に革靴を持っていく場合などは軽量なプラスチックのものを使うのもアリです(吸湿はできないので注意)。

3. ブラッシング

いよいよ本格的なクリーニングに入っていきます。まずはブラッシングです。

ブラッシングの目的は、靴の表面についたゴミや塵を掻き出すこと

ゴミが塵が靴の表面に付いたままだと、表面の水分・油分を吸うため乾燥しやすくなってしまいます。

また、後工程で乳化性クリームを塗り込んでいく際に、表面にゴミが残った状態だと革靴を傷つけてしまうと共に、表面にゴミを閉じ込めてしまうことにもなります。

ブラッシングには馬毛のブラシを使っていきます。

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[コロニル] 馬毛ブラシ 17cmx5.4cmx4.5cm CN044042 Brown F

[コロニル] 馬毛ブラシ 17cmx5.4cmx4.5cm CN044042 Brown F

馬毛ブラシは毛1本1本が細くてしなやかであるため、シワやコバ部分(アッパーから外にはみ出た部分)の汚れを掻き出すのに非常に適しています。

1cmくらい曲がるような強さで毛を表面に当て、箒で地面をはらうようなタッチで全体を磨いていきます。

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コバの部分は毛が隙間に入るように当てて、スナップを効かせて掻き出していきます。

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4. ワックス落とし

革靴のメンテナンスでは、乳化性クリームによる栄養補給と、蝋製のワックスによる鏡面磨き(光沢と表面の保護が目的)を実施します。

したがって、メンテナンス後の革靴の表面には乳化性クリームと蝋製ワックスによる層ができていることになります。図にすると以下のようになります。

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メンテナンス後の革靴の表面に形成される階層構造

古いワックスやクリームが残っていると保湿・補色ができないため、まずはクリーニングでこれらを順に取り除いていきます。

「ワックス落とし」の工程では最上層のワックスを落としていきます。所謂化粧落としの工程になります。

ワックスは蝋でできているので、油性のクリーナーを使って落としていきます

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まずはフランネル布を指に巻き付けます。このとき、指先の布がピンと張るようにします。

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指先で少量のクリーナーを取ります。取りすぎた場合は、指先を別の布にポンポンと付けて調節します。

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指先で弧を描くように、ワックスが付着した部分をこすっていきます。

通常ワックスは爪先と踵、両サイドなどシワができにくい部分に塗ります(シワができるとワックスを塗った部分はヒビ割れてしまうため)。

自分でメンテナンスした場合は塗った部分だけ、そうではない靴(中古や新品)は全体にかけていくのがよいでしょう。

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擦ると指先が黒くなっていくのがわかると思います。表面のワックスが浮いて布へと移ってきているためです。

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黒みが増してきたら、布を一旦指から解いて再度きれいな面が指先にくるようにします。

ワックス部分を擦り終わったら再度馬毛ブラシをかけます。これによって表面に残った余分なクリーナーを取り除きます。

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乾いた布で全体を磨いておくと更に綺麗になります。

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5. 乳化性クリーム落とし

クリーニングの最終工程は乳化性クリーム落としです。

水性のクリーナーを使って、全体の古くなったクリームと汚れを落としていきます。所謂洗顔の工程になります。

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[エム・モゥブレィ] 汚れ落とし M.モゥブレィ ステインリムーバー    60ml

[エム・モゥブレィ] 汚れ落とし M.モゥブレィ ステインリムーバー 60ml

こちらも少量を指先に取り、

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全体を指先で優しく、弧を描くように擦っていきます。こちらも指先が黒くなってきたら布の面を変えることを繰り返しながら実施していきます。

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全体を擦り終わったら、同じようにブラシで余分なクリーナーを落としていきます。

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これでクリーニングの工程は完了です。

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表面の汚れが取れて綺麗になりました(左がクリーニング後、右がクリーニング前ですが、分かりづらいと思うのでリンク先で拡大してみてください)。

次回はここに乳化性クリームを塗り込んでいく「保湿・補色」の工程について説明します。