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ライブハウスでFor Tracy Hydeを撮影してきた 〜ライブハウスで明るく綺麗に撮影する方法〜 その④(最終回)

前回 weekendcycler.hateblo.jp

今回が最終回となります。

これまでの3回で説明した内容を振り返ってみましょう。

ライブハウスは暗いので、

  • F値をなるべく小さくし、カメラ内部に光を多く取り込めるようにする(最小F値が低いレンズだとなお良し)。

ただしF値を小さくすると被写界深度(ピントの合う範囲)が浅く(狭く)なり、ライブのような被写体がよく動く環境では写真がボケてしまう。なので、

  • 置きピンしてから連射する(数撃ちゃ当たる作戦)ことでピントの合った一枚を撮影する。

また、被写体がよく動くライブハウスでは、シャッタースピードが遅いと写真がブレてしまうため、

しかし、シャッタースピードを速くするということは、シャッターを開けている時間を短くすることになるので、光の量が減ってしまう

F値を下げて対応したいところですが、既にF値を限界まで下げている状態。もうこれ以上F値を下げることはできません。 そんなときどうやって対応するか?というのが今回のメインテーマになります。

ISO感度を上げる

のっけから答えを言ってしまいます。 前回紹介した露出の三要素、覚えていますでしょうか?

ですね。

このパラメータのうち、ISO感度を上げると写真は明るく、下げると写真は暗くなります。

したがって、F値を上げてもカバーできない暗さについてはISOを上げていけ、というのがアンサーになるわけですが。。 実はこれ、一筋縄ではいきません。落とし穴があります。

ISO感度を上げるとノイズが出る

何が落とし穴になるかというと、ISO感度を上げるとノイズが出てしまい、写真の鮮明さが失われてしまいます。 つまり、写真が劣化してしまうというわけです。

さて、口でノイズと言ってもわかりにくいと思うのでどのような影響が出るかわかりにくいので、手っ取り早く写真で見てみましょう。

一見わかりにくいですが、ISO25600で撮影した写真の右上あたりにザラザラとした粒子が混じっているのがわかると思います。 これがノイズです。

拡大してみるとその差は一目瞭然です。 20190301-DSC00050 20190301-DSC00051

ISO100の方は背景がとろけるような綺麗なボケになっていますが、ISO25600の背景はざらざらとしています。

20190301-DSC00050-3 20190301-DSC00051-2

チョコボの毛並みがノイズによって全て潰れてしまい、色と明暗の違いくらいしかわかりません。

ついでにシャッタースピードにも注目してください。 ISO100の方が240倍もシャッタースピードが遅くなっていますよね?(6:1/40=250:1)

これは、ISO感度が低い(つまり写真が暗くなる)ため、 カメラのオート機能がよきにはからって適正露出(目で見て自然な明るさ)を出すためにシャッタースピードを遅くしてより多くの光を取り込もうとしているということになります。

デジタルカメラにはISOもオートで設定するモードがあります。 そのモードに設定して暗所で適当に撮影するとISOが自分の意志とは無関係に高めに設定されてしまうこともあり、結果としてノイズだらけの写真が撮れてしまいます

せっかく一眼を使っているのに、ノイズだらけの写真を撮ってしまっては勿体無いです。 ぜひともそのモードはオフにして、ISOを自分で設定できるようにしてください。

ちなみにこのシャッタースピード(6秒)だと確実に手持ちではブレるので、作例は三脚に取り付けて撮影しています。

逆にISO100にてシャッタースピード1/40秒で撮影したらどのような絵になるでしょうか? こんな感じです。

DSC00053

え?なにこれ?って感じですよね。暗くて殆ど何も見えません。

ISOが低い、かつシャッタースピードも速い(1/40秒)状態だと、F値が2.8(このレンズでは最低)でもこんなに暗くなってしまいます

先程の写真では6秒もシャッタースピードがあったため、その分多くの光を取り込めたということになります。

というわけで、暗所でシャッタースピードを速くしたい場合はノイズが目立たない程度の適切なISO感度を設定する必要があるということになります。

適切なISO感度とは?

これはとても難しいですね。 というのも、カメラによってISO感度を上げた時のノイズの出にくさ、つまり「高感度耐性」が異なるからです。

世の中には高感度での撮影に特化した機種も存在します。 kakaku.com

というわけで、どこまでISO感度を上げられるか?というのは公式サイトに載っているわけでもなく万人に明確な答えがあるわけでもなく感覚的な部分が大きいです。

私の実感としては、そのカメラを使いながら掴んでいくしかない部分になる。。という曖昧な答えしか今のところは出せていないです。

とはいえ何らかの指標は出す必要があるため、私の普段の設定を紹介します。

ズバリ、ISOは3200まで。この写真もISO3200で撮影しています。 20181216-DSC01342 しかしこの設定は光が十分ではない上にシャッタースピードを速くしなければいけないライブハウス撮影のみです。 (とはいえこの写真もよく見ると結構ノイズが出てしまっており、スモークが出てるせいでなんとか誤魔化せている感はある)

普段の手持ち撮影はもっぱらISO400~800に設定しています。ブレなどはなるべくホールドや本体の手ぶれ補正でカバーしているというわけですね。

また三脚を使った静物・夜景撮影などではこちらの動きと被写体自体の動きを気にする必要がないため、ISO100に設定して最高画質を目指して撮影する、というように使い分けています。

私のカメラは特別に高感度耐性が高いわけではないので他の機種でも通用する値なのかな。。と思いますが、ぜひ自分のカメラでISOを変えて撮影してみて、どこまでが許容範囲なのか見極めて使っていってほしいです。

敢えてノイズを出す

これは番外編ですが、アレだけ抑えろと言ったノイズを敢えて出していくことで別の表現として昇華させようという話です。

例えばこの写真、ノイズによってレトロな雰囲気が出て味な写真になっていると思いませんか?

20190216-DSC03240

これはISO感度を上げて撮影したのではなく、あとで現像する際にノイズのような粒子効果を上乗せしています。 本末転倒な気もしますが表現方法としてはアリだと思います。

何度も言っていますが、大事なのはその表現で何を伝えたいか?です。

まとめ

全4回に渡ってお届けしてきたライブハウス撮影講座、いかがだったでしょうか?

内容もまとまりきれてなくて実に読みにくかったと思いますが、最後にもう一回おさらいしておきましょう。

ライブハウスは暗いので、

  • F値をなるべく小さくし、カメラ内部に光を多く取り込めるようにする(最小F値が低いレンズだとなお良し)。

ただしF値を小さくすると被写界深度(ピントの合う範囲)が浅く(狭く)なり、ライブのような被写体がよく動く環境では写真がボケてしまう。なので、

  • 置きピンしてから連射する(数撃ちゃ当たる作戦)ことでピントの合った一枚を撮影する。

また、被写体がよく動くライブハウスでは、シャッタースピードが遅いと写真がブレてしまうため、

しかし、シャッタースピードを速くするということは、シャッターを開けている時間を短くすることになるので、光の量が減ってしまう。そこで、

  • ノイズが目立たない程度にISO感度を設定して撮影する。

ということになりますが、ちょっと考えること多すぎない?と思ったアナタ。アナタは正しい。

私はライブ撮影時にこんな感じで撮影パラメータを決めています。

  1. 高速連射モードに設定

  2. カメラを絞り優先オートに設定

  3. F値をそのレンズで設定できる最低値に設定(絞り優先オートはF値を決めるとカメラが勝手にシャッタースピードを決めるので、ここでシャッタースピードも決まる)

  4. ISOを800ぐらいに設定

  5. 置きピンして連射

  6. 出来上がりの写真が暗いもしくはブレているなら、ISO感度を1段上げて(初回は 800 -> 1600)もう一度5.から繰り返し

簡単ですよね?

おわりに

ここまで読んできた方にはわかると思うのですが、カメラってちゃんと撮ろうとするとものすごく考えることが多いのです。

でもそこで手を止めないで欲しいです、

ちょっと極端な言い方になりますが、カメラの仕組みを正しく理解し、自分の意思でパラメータを設定して撮影して初めてデジタルカメラの本当の力を発揮できると私は思います。 逆にそうでなければスマートフォンのカメラで十分だと思うのです。

これはカメラを手にしたばかりの方にはとても難しいことだと思います。私もかつてはそうでした。

しかしそういった方々にも素敵な写真を撮ってほしい。そしてカメラを、写真をもっと好きになってほしい

その想いからカメラ講座の記事を書き続けているというわけです。

これからもよろしくお願いいたします。

最後に。今回写真を撮影させてくださったフォトハイの皆さん、本当にありがとうございました。

何枚か私のお気に入りの写真を貼らせて頂いて仕舞いにします。

20190216-DSC02732

20190216-DSC03112

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