ライブハウスでFor Tracy Hydeを撮影してきた 〜ライブハウスで明るく綺麗に撮影する方法〜 その①
昨年For Tracy Hyde(以下フォトハイ)というバンドを撮影する機会に恵まれた。 写真はVocalのEurekaさん。
私は楽曲を語る語彙力を持ち合わせていないが、曲を聴いて思い浮かんだ単語は「透明」「煌めき」「スピード感」。
記憶から浮かんだイメージは、ロードバイクで走っているときに移りゆく、目の前を通り過ぎていく世界、視界の片隅に映る光や水面の煌めき。そんな場面が次々と目まぐるしく移り変わっていくようなイメージ。
この機会をいただくに至った経緯については最早忘れかけていたのだが、記事のネタを考えているときに段々と思い出してきた。
そうだ、この写真だ。 この御仁はフォトハイのギターであるU-1さんである。なんと柔らかな表情であろうか。ちなみに写真のタイトルはブリットポップ。
私とU-1さんの出会いはウン年前(ゴメン覚えてない)、王ドロボウJINGという、大昔にコミックボンボンとマガジンZ(THE KING OF BANDIT JING)で連載していた伝説的なコミックを通じてネット上で知り合ったのだった。
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今回はこのブリットポップを本人の許可なく私が発表資料で利用、つまり無断転載したことに対し私が謝罪し「なんなら今度撮りますよ!」みたいなことを言ったことがキッカケであった。
(ちなみに本人曰くこれもフリー素材なので全く問題なかったとのこと。)
正直、かなり差し出がましいお願いだったと思う。
私はライブでの撮影経験はほぼ皆無であったし、既にお付きのカメラマンがいるような状態(たぶん)でどこの馬の骨ともわからない私を快く受け入れてくださったフォトハイの皆様方には感謝しかない。
そして今回非常に嬉しいと思ったのは、
「Weekendcyclerさんに頼むってことはWeekendcyclerさんの写真が好きってことだし最終的に自分がいいと思う感性は大切にしたほうがいいですね!凝り固まらずに気楽にやっていいと思います!」
とU-1さんに言っていただけたこと。
この言葉を受けて余計凝り固まって挑んだ本番だったわけだが、私としてはそこで非常に良い経験をさせていただいた。
なので今回はそれを「ライブハウスにおける撮影方法」というテーマで数回に分けてここに書き残しておこうと思った次第である。
というわけでポエムっぽい雰囲気でスタートした今回の記事だが、ここからは打って変わって撮影テクニックの話になる。
ちなみに、今回はこの記事を読んだ方がすぐに撮影に活かせるように手段ベースで説明していく。
撮影ポジション
舞台は高円寺Highというライブハウス。
高円寺HighでPhotoを撮る。つまりPhotoHigh(フォトハイ)。なんたる偶然()
フロア全体の俯瞰図はこんな感じ
図の通り今回はステージ真ん前の柵の内側と観客席、2階の機材席?を行ったりきたりしながら撮影させてもらった。 ステージの横の長さは大体10mくらいだろうか。高さはしゃがんだ私がぎりぎり隠れるくらい。
柵の内側での撮影は主に右端と左端のみから実施した。理由は、望遠レンズ(遠くを切り取るレンズ)を持っていったがために、被写体であるバンドメンバーからある程度距離を取る必要があったため。
中心付近はボーカルに近づきすぎる立ち位置しか取れないのと、ライブを聴きにきている方々の邪魔になることが懸念されるため避けざるを得なかった一方で、端は観客席まで下がればある程度クリアランスを保つことができるため撮影に最適だった。
一方で真正面からの写真も撮影したかったため、必要に応じて観客席に移動して撮影した。
ちなみに2F機材席からは手持ちのレンズと私自身の撮影スキルの問題であまり良い構図で撮れなかったため、今回はその部分に関する説明は割愛する。
撮影機材
機材はレンズ+本体1セットのシンプルな構成。
レンズ
今回は大三元の望遠ズームレンズSEL70200GMを選択。
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その他の理由は以下
- 個を美しく撮るということで、被写体が歪まない望遠レンズが最適(広角レンズは被写体が歪む)
- ライブハウスは暗いため、最低でもF2.8が下限の明るいレンズを選択したかった(本音を言えばF1.4に望遠単焦点を2台持ちぐらいで使いたかった)
- 撮影中にレンズを交換する手間を省きたい&幅広い焦点距離に対応したかったため、ズームレンズ1本に絞った
- 望遠域の明るい単焦点レンズを持っていなかった
このあたりの詳細については、これまでの記事では出てきていない撮影に重要な要素も多々入り込んでいるため、後ほど説明したい。
本体
sony a7iiを選択。というか選択するも何もこれしか持っていない。
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SDカード
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ある程度動体(動くもの)を撮影したことがある方ならこの選択肢は失敗であることがわかるだろう。
決して東芝のせいではない。この理由については後ほど書くことにする。
今回はここまで。 次回はこれらの機材を使って実際に撮影してみた感触と、ライブ撮影の要点について更に深掘りして説明していく。