Weekendcycler

Cycling, taking photographs, and drinking a cup of tea on the weekend

厳冬期を乗り切るグッドデザインなサイクルウェアを買ってみた③

前回 weekendcycler.hateblo.jp

今回はCafé du CyclisteのBelgium Capについてレビューしていきます。 www.cafeducycliste.com 公式サイトによると"BELGIUM WINTER CYCLING CAP FOR COLDER WEATHER RIDING"、直訳すると「寒い日のライドための冬用ベルギーキャップ」

ベルギーキャップを敢えて訳さなかったのは理由があります(このくだり前回もあったな)。

このCafé du CyclisteのBelgium Capのようにイヤーフラップ(耳あて)が付いたキャップはどうやらベルギーの伝統的なものらしく、画像検索するとちらほらヒット。

f:id:weekendcycler:20190131195917p:plain
ベルギーキャップでググった結果
なお、Belgium Capで検索するとベルギーの国旗色のキャップばかり出てくる模様。

よってこのキャップ正式名称は不明。

ググって出てきたイヤーフラップ付きのキャップのが殆ど自転車用であることから、ベルギーのサイクリスト向けキャップで代々受け継がれてきたデザインなのかも。

カラーはGrey MelangeとRed Melangeの2色展開です。私が選んだのはGrey Melange、なんたって色が合わせやすいからね! www.cafeducycliste.com

どちらもやや淡い色をしていますね。このMelange(メランジェ)はフランス語で”混ぜたもの”という意味で、ドイツ語圏ではミルクを加えたコーヒー飲料を指す言葉のようです。

その背景を知ってからこのキャップを見てみると、確かにミルクコーヒーのように淡い、そして濃い色と薄い色が混じり合ったような色をしていることに気づきます。そしてそのせいか温かみも感じますね。

20190131-DSC02544

そしてブランド名は"Café" du Cycliste…なんだか全てが繋がったような気がしませんか? これを被ってコーヒースタンドに立ち寄って仲間と「今日はどこに走りに行く?」みたいな話をするところまで想像しました。実に良い冬だ(実際のところ最近は室内でローラーばかり)。

公式サイトの説明をまとめるとこんな感じです。

  • 三層構造

  • 内膜(Interior Membrane)は防風、耐水、通気性あり

  • 外側(Outer Shell)はメリノ(ウール)混合のストレッチ素材

  • 内側(Inside)はメッシュ

  • リブ編みのウール製イヤーバンドは上げ下げ可能

この訳し方でいいのかわかりませんが、おそらくOuter ShellとInsideに挟まれてInterior Membraneがあるという三層構造になっているのでしょう。外側 -> 内側 -> 内膜という順に見ていきましょう。

外側

外側はメリノウール配合のストレッチ素材になります。

メリノウールについては前回も説明しましたね。メリノ種という羊から取られる、非常に保温性と通気性が高い高級天然素材です。

それに加えてなんとこのメリノウール、伸縮性も兼ね備えているのです。この特色が、帽子というワンサイズで幅広い層に適合しなければいけないウェアに丁度よいのかもしれません。 頭がでかい日本人には嬉しいところ(ちなみに僕も例に漏れず頭はでかい。身長が高いのでごまかせている感はある。。)。

ちなみにRaphaのClassic Capはコットン(綿)製です。 www.rapha.cc 20190131-DSC02547-2 こちらもデザインはかなり好み(MILANO ROMA COLLECTION)で素材の特性故に通気性が抜群で夏は最高なのですが、いかんせん生地が堅いため髪が伸びてくると頭がでかい属には厳しい。 20190131-DSC02549 そしてコットンは洗うと縮むので頭がでかい属はさらにキツい。

その点このBelgium Capは柔らかく包み込みつつもしっかりとホールドしてくれるので非常に良いです。 特に体が固まりやすい冬はこういった伸縮性の高い素材のウェアを選ぶと快適ですよね。

サイクルキャップ選びの際はぜひ素材にも着目していただきたいと思います。

内側

内側はメッシュ構造になっています。 夏のスポーツウェアによく利用される構造ですね。 特徴としては、吸水・発散性が非常に高いことが挙げられます。

20190131-DSC02543

地肌に近い層に配置することで、肌から出た汗をすばやく吸収し外側に発散させることができます。 これにより汗冷えや蒸れを防ぎ、常に内側をドライで快適に保つことができるというわけです。

内膜

さて、一見完璧な外側・内側かと思いきや実は気になる点が一つありました。

外側にメリノウール、内側はメッシュ構造を採用しているため、非常に「通気性が高い」んですね。 じゃあ風通しちゃうじゃん!寒いじゃん!冬なのに大丈夫?となるところ。

そこはしっかりと内膜でカバーしているのがこのキャップのミソでございます。

冒頭で記載したように、内膜が防風・耐水と通気性を備えています

このように相反するような属性を同時に兼ね備えた素材になっていてホントかよと思ってしまうところですが、現実には似たような素材は存在しています。

かの有名なGORE-TEXですね。

GORE-TEXの2層目であるGORE-TEXメンブレンは「防水透湿膜」と言い、内部の水分を外に逃がしつつ外からの水気をシャットアウトするような構造になっています。 www.gore-tex.jp 詳細は不明ですがこのキャップの内幕にも似たような素材が使われているものと思われます。

つまりこの内膜は、内部からの水分は外に逃がしつつ、外からの水や風はしっかりと防ぐということ。

なので、内側のメッシュ素材によって素早く地肌から吸収・発散された汗を、透湿性の内膜を通って通気性の高いメリノウールの外側から逃がす一方、外側からの風や水は2層目の内幕でシャットアウトする。

絵で描くとこんな感じ。

f:id:weekendcycler:20190131220825j:plain
Belgium Capの構造
よく考えられた構造ですよね。

サイクルウェアの着こなし(内側はメッシュのインナーを着る)でも同じようなことやったりするので割と当たり前の話なのかもしれませんが、こうやって紐解いて理解してみるとなかなか面白いなと。

イヤーフラップ

イヤーフラップはメリノウール製ということもあり伸縮性がかなり高いです。

そして通気性の高さ故に音も通りやすく、フラップを下げていても周囲の音は十分に聞こえるため、道路状況の把握にもほぼ差し支えなしと言っても良いでしょう。 20190131-DSC02559

サイトの説明にもある通り、フラップは状況に応じて上げることができます。 20190131-DSC02560

暑くなってきて耳だけ出したい、なんてときはこれで対応できます。

素材と洗濯表示

続いて素材です。

20190127-DSC02514

  • Shell Fabric

おそらくイヤーフラップ、外側、および内膜の素材と思われます。理由はウールを含んでいるため。 Elastaneはポリウレタンのことです。VOLEROのサイクルウェアを紹介した際に、「ライクラ」という素材が出てきましたが、これもポリウレタン。 伸縮性に極めて優れ、混紡率が低くても(つまりライクラの比率が少なくても)特性を失わないという特徴を持つ繊維ですね。 実際にキャップの両端を持って引っ張ってみるとよく伸びますが、メリノウールだけでなくこいつも一役買っているということでしょうね。

  • Lining

裏地(内側)はポリアミドです。ポリアミドは前回も出てきましたが、非常に吸収性の高い生地。 これをメッシュ構造にすることで更に内側の吸収性と発散性と高めているのだと思います。

洗濯表示としては30℃を限度として水洗いのみOK、アイロン、ドライクリーニングは不可。乾燥は自然乾燥のみOKですね。

実際に使ってみた感触

まだ5-10℃の温度域でしか試せていないのですが、比較的冬にしては暖かい場面でも熱くなりすぎることはなく、変に蒸れることもなく非常に快適でした。 また非常にカジュアルなデザインなので、そのまま飲食店に入っても(まぁ)問題ないかなと言ったところ。 (タイツ履いてる時点でアウトといえばアウトだけど)

より寒い気候での運用は追記していきたいと思います。

実用上の注意

Belgium Capを利用するにあたりいくつか気になる点もあるので書いておきます。

ヘルメットのサイズを選ぶ

Belgium Capをヘルメットの下に被る場合、ヘルメットのサイズを一段階上げる必要があるかもしれません。

三層からなる構造は上記で説明したように理論的には非常に素晴らしい性能を発揮してくれます。 が、いかんせん厚みが増すため、これまで持っていたヘルメットだとキツくなるor入らない可能性があります。

不適切な着用(しっかりと固定されていない、または締め付けすぎ)は思わぬ事故を招く場合があるので注意する必要があります。 所持しているヘルメットと地肌の間に空きに余裕があり、ダイヤルを何度か回して締めているようなケースでは問題ないと思います。

イヤーフラップを上げるにはヘルメットを脱ぐ必要がある

これは全ての耳あて付き冬用キャップに共通の事柄だと思いますが、イヤーフラップを上げる場合は一度ヘルメットの首元のバック具を外し、あご紐を開放orヘルメットを外す必要があります

バックル自体ヘルメットを固定するためにキツめにしているはずなので、バックルを外さない状態ではイヤーフラップを動かす隙間が殆どないと思います。 ヘルメットを外さずにバックルを外しただけでも上げられないこともないですが、中途半端になるためにどうも気持ちが悪いです。

また、イヤーフラップを上げることでキャップ全体の横幅が増えるので、イヤーフラップを上げる運用で行く場合はそれも含めてヘルメットのサイズを選ぶ必要がありますね。

まとめ

いくつか懸念点はあるものの、Café du Cyclisteはデザインだけでなく機能性もしっかりと兼ね備えているウェアを生産しているということがよくわかりました。 主に実用感などまだまだレビューが足りていない部分がありますが、そのあたりは随時追記していきたいと思います。