Weekendcycler

Cycling, taking photographs, and drinking a cup of tea on the weekend

厳冬期を乗り切るグッドデザインなサイクルウェアを買ってみた②

前回 weekendcycler.hateblo.jp

今回はCafé du CyclisteのALBERTINEジャケットについてレビューしていきます。 片仮名発音だとアルベルティーヌと読むらしいです(ちなみにALBERTINEの意味はググってもわからなかった。。誰か教えて)。

www.cafeducycliste.com

公式サイトのタイトルによると"WINDPROOF CYCLING JACKET WITH PRIMALOFT INSULATION"と書いてあり、「PRIMALOFTの断熱を備えた防風のサイクリングジャケット」ということになります。

"PRIMALOFT(プリマロフト)"は素材名なので敢えて略しませんでした。

こいつがどんなものかは後で詳しく説明したいと思います。

"INSULATION"は断熱という意味です。

簡単に言うと「保温」のことで、魔法瓶(今じゃ言い方的に古いかもしれないけど、保温機能のついた水筒のこと)のように、中の熱を逃さないことによって温度を保つような振る舞いを指します。

例えば魔法瓶は、熱を伝える媒体になる流体(空気)を排除する事で対流(熱の伝わり方の一つ)が起きないようにしているわけですが、 このジャケットも同様に内部の熱を逃さないような機能を持っているため、体温または運動によって発生した熱を外に逃さないことで内部の温度を保つような仕組みになっているということ。

そしてそこに一役買っているのがPRIMALOFTという素材というわけです。

最近はインシュレーション(インサレーション)をサイクルウェアでも多く聞くようになりましたね。Raphaも一年前くらいからインサレーションウェアを売っています。 www.rapha.cc

まずは全景を。前から見ると薄手のダウン(羽毛)ジャケットのように見えます(でも羽毛じゃないんだなぁ、これが)。

20190114-DSC02235

全体的にスリムなシルエットで、バタつくことはなさそうです。しっかりと手首は絞られています。 通常はこの上から冬用グローブをかぶせるので袖から風が入ることはないでしょう。

また、極めつけは袖が十分に長いこと。Mサイズですが、初号機と形容されたこともある私の腕にも十分な長さが確保されています。 日本ブランドじゃこうはいかない。さすが欧米。

20190114-DSC02237

自転車ウェアらしく前は短め、後ろは長めです。 見てわかるように、後ろはダウンというよりはふわふわした素材で作られていますね。

これがミソ。 このダウンぽい部分が完全防風のパネルになっている一方で、

黒いふわふわした部分は高い吸湿発散性を持つ天然のメリノウールのフリース生地を使っています。

メリノウールは保温性に優れるだけでなく、かいた汗を発散させる能力が高いことで有名な素材(ただし総じて値段は高い)。

この前後のパネルが組み合わさることで、「風を防ぎつつも保温し、汗を外に逃がして冷えることを防ぐ」ことを実現しているわけです。

ちなみに裏返すとこのようになっています。

  • フロント裏

20190124-DSC02493

  • バック裏

20190124-DSC02490

全体のパーツについてより細かく見ていきましょう。

ジップはガードがついているため、激しく動いて邪魔になることもなく、裏側が首に食い込んで痛くなることもありません。

20190114-DSC02219-2

ただこのALBERTINEは色が白なので、汗汚れが気になることがあるかもしれません。 www.cafeducycliste.com

こちらのカラーなら問題なさそう。私はネイビーとゴールドの組み合わせがいいな!と思ったのでこちらは選択しませんでした。

ちなみにダブルジップになっているため、適宜下部を開放して風通しを調節できます。 空気抵抗を抑えたい場合は、敢えて3-5cmほど開けることで前傾時の下腹部の布のたるみを無くすことができます。

20190114-DSC02245-2

胸ポケットは4.7インチのiPhone 6sがちょうど入るくらいの大きさ。 横はまだ余裕がありますが、縦がこれ以上大きくなると厳しいかも。

20190114-DSC02223

このポケットがあるかないかでジャケットのデザインの良し悪しがだいぶ変わるな、というぐらい可愛らしいポケットです。 下地のゴールドとは異なる色を使っているところがポイント高し!

バックポケットは大きめのものが2つ(タテxヨコが18cmx14cm)。素材が柔らかめかつ大きいので、ライディング中でもモノの出し入れしやすいです。 下部に小さな反射材も付いてますね。

20190114-DSC02218

右のポケットにはサイドジップ付きのポケットが。こちらは縦入れの右ポケットとはしっかりと分断された構造になっています。 20190114-DSC02215

何よりうれしいのはその大きさ(タテxヨコが12cm*14cm)で、私がいつもサイクリング用として使っているCHAMSのコインケースがつっかからずに入る大きさ。

[チャムス]財布 Eco Key Coin Case Black

[チャムス]財布 Eco Key Coin Case Black

Raphaのレースラインであるプロチームシリーズは空気抵抗を意識してかポケットが小さめに作られており(最新モデルで変わってたらごめんなさい)、財布が入ることは入るけどつっかかってストレスがたまっていました。 寒くてあらゆる動作を最小限に済ませたい冬でもスムーズにモノが出し入れできるのは良いですね。

タイトに着れるサイズを選べば、ポケットの中のものもしっかりホールドされるので通常のライドで落とすこともないかな。 心配なものはジップ付きポケットに収納すればOK。

PRIMALOFTについて

冒頭で述べたPRIMALOFTについて説明しましょう。

ジャケットの後部にはメリノウール、前部には防風パネルを配置してあると言いました。 その防風パネルの裏側(胸部と前腕部分)に使われている素材こそがPRIMALOFT(プリマロフト)です。

20190124-DSC02497

"Feel the Performance"(「パフォーマンスを感じろ」) 20190114-DSC02224

簡単に言うと、羽毛のように温かいのに高い撥水性がある素材。 そして羽毛のように軽いところはそのまま。

「ダウンジャケット」の「ダウン」、つまるところ羽毛(正確にはガチョウやアヒルの胸の毛であり、希少)は大変温かい素材ですが、 一度濡れてしまうとその暖かさを発揮できなくなる、また乾きも悪いためスポーツウェアの素材には向きませんでした。

そんな欠点を解決するために人工羽毛として米国のAlbany International社によって開発された化学繊維がプリマロフトです。 様々な太さのマイクロファイバーを組み合わせることで羽毛と似た形状を生み出しているとのこと。

www.d-breath.co.jp

詳しい説明は上記のサイトを参照してください。

何よりも大きいのは「洗える」ことです。

通常、天然素材(動物の毛から作られた繊維)は水で洗ってしまうと縮んだり風合いを損ねるため、水洗いをしないほうが良い(むしろ不可)と言われています。

故に天然毛を使ったスーツやネクタイ、コートなどはドライクリーニングに出して、水ではなく有機溶剤(石油系)で洗うわけですが、プリマロフトは化学繊維なのでガシガシ洗えてしまうわけです(といっても生地自体の強さには限界があるのでおしゃれ着洗いすべきですが)。

よって家庭の洗濯で水溶性である汗汚れも落とすことができるため、プリマロフトはスポーツウェアにもピッタリというわけです(ちなみにドライクリーニングに出しているスーツは有機溶剤で洗うため汗汚れが落ちていないので注意。カビるよ。)

ちなみにALBERTINEジャケットはMACHINE WASH(洗濯機奨励)奨励かつ単体で洗う(WASH SEPARATELY)の非奨励。 20190114-DSC02225 単体で洗うと洗濯機のあっちゃこっちゃにぶつかって毛玉ができるというわけですね。ちなみにウールは毛玉ができやすい素材ということでも有名です。 洗うときはおしゃれ着モードかつネットに入れて洗いましょう。

さて、続いて素材比率と洗濯表示を見てみましょう。 20190114-DSC02229

1st Fabric(全て化学繊維なので、おそらくPRIMALOFTが配置された前面部分を言っている)は以下のようになっています。

  • Shell(表地) PA(ポリアミド) 100%
  • Filling(内部、表地と裏地に挟まれた部分)PES(ポリエステル)100%
  • Body (裏地)PES(ポリエステル)100%

おそらくFillingがPRIMAROFTで、PRIMALOFTは「天然羽毛のもつ繊維構造を、さまざまな太さのポリエステル繊維を配合する独自の技術で再現」ということなので、組成の通りになっています。 ポリエステルとポリアミドの違いについては私もよく知らないので、今度詳しく調査してみようと思います。

続いて2nd Fabric(おそらく背面の発散性を高めた部分)は以下。

  • WV(ウール) 38%
  • PC(アクリル)38%
  • PES(ポリエステル)24%

メリノウールにより保温性と発散性を高めていることは上で述べた通りです。その天然素材であるメリノウールと、化学繊維であるアクリル、ポリエステルを混ぜたような組成になっています。

アクリルはウールと同じで毛玉発生要因になる素材のようですが似た暖かさを持ち、故に混ぜられているといったところでしょうか(コストダウン?)。

ポリエステルについては柔軟性を高めるために入れているものと思われます。また適度に化学繊維を混ぜることによりハードユースや洗濯に耐えうる強度にしているのでしょう。

洗濯表示は以下の通り。

  • 水温30℃を限度に洗濯機で洗える
  • 漂白不可
  • 110℃を限度に、スチームなしでアイロンが利用可能
  • ドライクリーニング不可
  • タンブル乾燥禁止

洗濯可能とはいえウールも縮むので、なるべく縮みにくい洗剤・洗濯法を使うとよいと思います。 自分がいつも使う洗剤はこちら。

洗濯方法としてはおしゃれ着モードですね。

実際に着てみた感想

大変申し訳無いのですが、厳冬期のレビューをするといいつつも寒い日のライドを逃しているためちゃんとしたレビューができないのが現状です。 とりあえず現時点で試すことができたケースについて説明します。

5-10℃かつ無風でのライド(3時間程度)

シューズカバーをつけなくてもぎりぎりなんとかなる程度の寒さ。 インナー一枚(ジオライン)の上にALBERTINEで全く寒さを感じませんでした。むしろ走っている間は大変暖かく、止まっても変に汗冷えすることもなく暖かさが持続して大変快適でした。

0-5℃かつ風速9m/sの中で歩行(30分程度)

風速9m/sは時速に変換すると32km/hということで大体私が自転車に乗っているときの速度域になります。

こちらはALBERTINEの下に薄いシャツとインナー(ジオライン)を着用。結論から言うと、風を前面から受けた場合は全く冷たさを感じませんでした。防風機能がしっかりと働いていることが確認できました。

一方で後ろから風に吹かれたとき(ライド中はほとんどないですが)は少し寒さを感じました。やはり後ろが風通しの良い素材になっている故でしょう。

結論

やはり気になるのは冬場のヒルクライムですね。登りで一気に汗をかき、下りで汗冷えして寒すぎるというお決まりのパターンにどれだけこのALBERTINEが耐えられるのかという部分が決め手になるかと。 また長距離で汗が蓄積してきたときの劣化度も気になりますね。 ということでまだまだ試すべきことは多く結論は出せないですが、少なくともデザインと使いやすさだけ見るとかなり良いジャケットだと思います。

次回は同事購入したBELGIUMキャップについてレビューしますが、ヒルクライムでの検証が完了したら随時こちらに追記しようと思います。