Weekendcycler

Cycling, taking photographs, and drinking a cup of tea on the weekend

【写真撮影講座 番外編】構図について語ってみた②

他者の写真を分析すると、良い写真撮影の規則性を導き出せる

前回のラストで、どのような構図が良い写真を作るのかを客観的に判断するには、 他人が撮った写真を見て研究し、そこから規則性を導き出すことを繰り返すのがよいと説明しました。

そこで今回はネットに溢れる素晴らしい写真達を題材とし、写真を分析する過程を実践してみたいと思います。

Chicago Morning by Mitul Shah

Chicago Morning by Mitul Shah500px.com

朝焼けの柔らかい紅色の光がとても美しく、氷のせいで寒いはずなのに暖かさを感じる写真ですね。 これは前回の復習になる写真だと思います。

というのも、水平分割構図・三分割構図を組み合わせているためです。 水平線を水平分割線に置き、右1/3に人、左1/3に氷の端とビル群の端がきているにがわかります。

このように三分割構図の交点に目立つ被写体(人とビル群)と、目立たない被写体(氷)を重ねることにより、構図が美しくなるという例ですね。

The Gate by Nik Phot

The Gate by Nik Phot500px.com

タイトルの通り、海に向かって開くゲート(出入口)のごとく、アーチ状の赤レンガの壁を額縁に見立て、都市の海岸を切り取った作品。 所謂「額縁構図」という、主題の周囲を囲むことでより主題を引き立たせる事ができる構図を上手く使っていると思います。

特に、額縁にビビッドなレンガを使っていることがポイントです。 レンガの赤茶色と海の青、手前の緑のコントラストが大変美しいです。

都市はビルの高さから見てもかなり発達していることが伺える一方、レンガの壁は歴史を感じさせるという対比が面白いです。 レンガから遠くの都市までピントがあっているので、おそらくF値は大きめ。 額縁構図を考えるときには考慮しておきたいポイントです。

Framing up the Empire by s1000

Framing up the Empire by s1000500px.com

メインの被写体を別の被写体で挟み込むサンドイッチ構図です。

特筆すべきは、濃い色(レンガ色)の建造物で薄い色のブリッジを囲むことでコントラストがより際立つようになっているところです。 また、左右の建造物が直線的であるのに対し、中央のブリッジがアーチのような曲線を含むような構造であることもそれを助けていると思います。

印象的なサンドイッチ構図を撮影するためには、挟むものと挟まれるもののギャップが重要であることがよくわかる例ですね。

そして、敢えて曇り空で撮影していることもポイント。 これにより、茶白茶、という2色の縦の三分割が強調されるためインパクトの強い写真になっています。青空で撮影している場合はブリッジの印象が薄くなってしまうでしょう。

Kinderdijk sunrise by Mads Peter Iversen

Kinderdijk sunrise by Mads Peter Iversen500px.com

日の出直後の空の飛行機雲を川面に写し撮った作品です。

日の出というただの日常の移り変わりだけでなく、非日常である飛行機雲をプラスしたことがポイントだと思います。

飛行機雲という非日常を観たときに、それを水面に映すという発想が出てくるかが大事ですね。 毎日同じ場所で撮影していればこのような写真が撮影できるのかもしれないです。

特筆すべきなのは、ただの飛行機雲ではないことです。いくつかの線が重なり幾何学模様を描くようになっています。

この写真では飛行機雲が作る模様をうまく水面に反射させて、ちょうど画面が縦に三分割されるように撮影しているのがミソであり、観るものにインパクトを与えています。 またこれも水平分割構図との組み合わせになっていますね。

Electric Slide by Aaron Reed

Electric Slide by Aaron Reed500px.com

最後は、その意味に気づいたときにあまりの凄さに黙るしかなかった写真です。 構図関係なしに語りたいことを語ろうと思います。

Electric Slideはダンスフロアに整列した全員が一斉に同じステップを踏むダンスの一種だそうです。

それを知らずに最初にタイトルを見たときは、「電気のスライド…?確かにイルミネーションの光がスライドしているように見えなくもないな…」と思ったのですが、 こんな自然な川みたいなところに電気があるか?と。

その正体は意外なものでした。

鯉です。

昼間の長時間露光(長時間シャッターを開けたままにする)により、水中の鯉の動きを軌跡にした作品だったのです。

夜中に自動車や漁船や航空機のライトを軌跡にする作品はよく見かけますが、まさか昼間に、しかも鯉という驚くべき被写体作られた軌跡を見ることになるとは思いもしませんでした。

これを撮影するには、NDフィルターで何段か減光した上で(EXIFを見ると30秒なのでかなり暗くしている)、 PLフィルターによる偏光で水面の反射を無くし、魚影を見やすくした上で長時間露光しているのだろうと予想できます。

また、風が少ないときに撮影したことで以下のような効果が出ています。

  • 周囲の葉などがブレずに写真に締まりを与えている
  • 波が立たないため偏光で透過させた水中の魚影が良く見える

前述しましたがタイトルが素晴らしいです。 electric slideからまず連想されるのはまさに電気の流れ、 カメラマンなら漁船のライトの軌跡を連想すると思います。

しかし、そんなものここにあるはずがないわけです。 その軌跡が鯉であるということに気づいたときにハッとさせられます。

鯉が並んでダンスをしているよう、だからelectoric slideというわけです。

いやはや本当にすごい写真。 生きてるうちにこんな写真撮れたらいいなと思います。

まずは写真をじっくり観察してみよう

今回の記事を読んでみてどうだったでしょうか。 1枚の写真をじっくりと観察すると、実に様々なことがわかってきます。

そこから何故この写真が美しく、綺麗に、よく見えるのか。 そういった規則を見つけ出して自分の中にストックしていくことで、作品の幅が広がっていくと考えています。

まぁ、実際に撮るときにネタが出てくるかというと難しいわけですが笑