Weekendcycler

Cycling, taking photographs, and drinking a cup of coffee on the weekend

京都に写真を撮りにいった part1 (0日目)

そうだ 京都、行こう。」


気付いたら3泊4日で宿を予約していた。


何年も前からCMでのおなじみのフレーズ、まさか自分が真にそういう気持ちを抱くに至るとは、一週間前には思いもしなかった。
でもよくよく考えてみると、京都っていうのはそういう場所なのかもしれない。
差異はあれど、誰しも京都には一種のあこがれのようなものがあり、普段から行きたい、行きたいとなんとなく朧気に思っている場所なのではないだろうか。
そして、ふとある時「そうだ」と思い立つのである。


今回の自分がまさにそれだった。


この一年色々なことがあった。
今年は風邪ひかない!を目標に掲げながら何度も体調を崩し、挙句の果てに入院。
思うように自転車に乗れず、写真も撮れず、悶々とした日々を過ごしていた。
そんな想いを抱えつつ、今年もいつもと同じようにダラダラと年末を過ごし、
結局今年も大変だった来年はいい年にしたい…そんな1年で終わってしまっていいのだろうか。


それは嫌だった。
せめてこの1年が終わる前に何かをしたいと思ったのだ。


何するか、と考えた時にまず思い浮かんだのが自転車だった。
いっそのこと大阪あたりまで行ってみるか?とか考えるも、残業続きの寝不足気味で万全の状態とは言い難い。
また無理して風邪ひいても困るし。。(ビビリ)


となるとあとは写真か。


思えば退院した直後は体調が安定しないことが多く(もう調子は回復したけれど)、いつのまにやら出不精気味になってしまっていた。
あそこに撮りに行きたい、ここに撮りに行きたいと言いつつ思いつつ、結局何も出来ずに日が過ぎていた。
改めてFlickrを観てみても、室内で撮った写真ばかりが並んでいた。
ああ、これはまずいなと。


はて、まずいとは?
部屋の中に閉じこもっていたからと言って、別に誰かに怒られるわけではない。
むしろ他人に迷惑をかけないし、まずくもなんともない。
それに僕はどちらかといえばインドア派だ。
楽しみは家の中、もとい机の上からやってくると思っているフシもある。
だからそれはそれで自分のしたいことなのでは?とも思う。
別にわざわざ外に出て、寒い思いなんてしなくたっていいじゃないかと。


だがしかし、思い切って外に出ないとこには何も変わらんぞと。
前述したが、中途半端な気分で年末を迎えたくはない。
ダンバンさんの言葉を借りるならこういうこと。

退かなきゃ死ぬが、退けば未来は掴めない
なら掴もうぜ未来。
by ダンバン


そうして天気予報を見ると、年末は晴れの予報らしいということがわかった。
それなら、今回はどこかに自分が満足のいくような写真を撮りにいこう。
満足できる写真を撮ってこの一年を終わろう。そう決めた。
撮れるかわからないけど…まずは行ってみないことにはわからない。


そう考えた時に、まず頭に浮かんだのが京都だった。
京都と言えば、神戸への出張中に一回だけ写真を撮りに行った。
かの有名な伏見稲荷大社の千本鳥居に、一年に一度だけ行灯が灯される本宮祭。
その幻想的な光景を写真に納めたかったのだ。

DSC00659

今や超絶観光スポットになり、日本中どころか世界各国から観光客が訪れる伏見稲荷大社だが、この日は特にすごかった。
所謂コミケ状態というやつである。人が多すぎて千本鳥居に入ることすらままならない。
しかしそんな伏見稲荷も裏側から少し登っただけで人が一気に減る。
そこにはまるで俗世からは切り離された雰囲気があり、さながら異世界に迷い込んだようであった。


伏見稲荷だけでなく、京都はそんな魅力に溢れた場所なのではないかと思う。
他にこう思うようになったキッカケには、森見登美彦氏の本(夜は短し歩けよ乙女、四畳半神話大系、宵闇万華鏡、有頂天家族などなど…)を一時期読み漁っていたこともあり…
そういえば森見氏の本に出てくる登場人物って関西弁で喋らないような?


それはともかく、行ったら何かに出会える気がするのが京都である。
そんなこんなで「そうだ 京都、行こう。」となったわけだ。


そうと決まれば善は急げ。
まずは宿がなくてはどうしようもないということで、楽天トラベルで検索をかける。
と、意外と空いていることと宿泊費が安いことに驚く。
年末は旅行というよりも皆実家に帰るから、人の移動は多いものの宿はすいているのかも。
京都駅から徒歩5分の旅館を思い切って、12/27から3泊4日の16000円で予約した。
ちなみに予約したのは12/26であるが、まだどこに行くかも決めていない。
こういうのはノリが重要である。


あと、写真を撮りに行くには専用のバッグが必要だ。
今までレンズを3本も買っておきながら、カメラ用のバッグを1つも持っていなかった。
色々ありすぎてよくわからないのが理由の1つ。
でも今回は本気で撮りに行こうと思ってたので、これを機に購入することに。
Amazonプライムなら出発前に届きそうだし。


ということで、こいつをポチ。


少々値は張るが、致し方ない。返ってきた入院費を存分に使わせてもらう。
何より、もう心は引き返せない。


その日はたまたま僕のカメラの先生であるM氏とメッセージのやり取りをしていたのだが、
京都に行くことを伝えると撮影のおすすめスポットを色々と教えてくださった。
ここで重要なのが、カメラマンに聞くということである。

というのも、今回は京都の静謐さを撮りに行きたいと思ったからだ。
そのためにはなるべく人は少ないほうが良い。もっと言ってしまえば居なくても良い。

既に人が沢山いるところに行き、僕が奇声を上げながら腹踊りでもすれば人がいなくなるのは明白だが、
まず一般の旅行者の方々には迷惑だし、カメラマン=素直に旅行を楽しもうとしていない邪魔なやつ という悪印象を植え付けてしまい、全てのカメラ好きに迷惑をかけてしまう。
皆のために、もそうだが、自分が楽しめる環境はまず自分で意識して作っていかなければならない。これは自転車も同じ。
何より、20代で変なことをして捕まるのは早すぎる。まだ俺達の物語は始まったばかりだ!


そんなこんなで行く場所に大体検討を付け、旅行当日を迎えた。
この日はAmazonプライムを待ってから出る予定だったので、旅行の準備をしながらヤマトの到着を待つ…も、来ない。
向こうのチェックインが21時ということを考えると、大体新幹線を使うルートでで3時間かかるとして、18時には来てほしいところ。
が、来ない。
寮の一回に何度も何度も荷物が届いているかどうかを観に行く。その度に寮の管理人さんに怪訝な顔をされる。何やってんだこいつはと。
仕方ねぇとコンビニ行って夕飯を買ったりしていると、Amazonのアプリから配達完了の知らせが!
早速届いたカメラリュックに荷物を詰め、このとき既に19:30、どう考えてもアウトである。
3時間という見積もりも怪しいので、門限である23時に間に合うかどうかも怪しい。


ちょっとこれは連絡した方が良いなということで、旅館に電話をかけるも繋がらず。
仕方ないので、行くことに。最悪漫喫かな…
そんな想いを抱きながら新幹線へ搭乗。


やはりというか、下りは混んでいる。
まだ27日、翌日が平日ということもあり、人が溢れそうとまではいかない。
しかし自由席はMAX状態である。
仕方ないので通路にスーツケースを置いてそこに腰掛ける。
行儀が悪いが、今から疲れていたのでは話にならないので…


車内ではVITA朧村正をプレイしつつ宿に電話をかけるのを繰り返す。あっと言う前に時間が過ぎていく…
ちょうど元禄怪奇譚の白蛇の中ボスで詰まっていた。
結局時間内に倒せなかったものの、なんとなくコツは掴めたような?


宿の電話はチェックインのリミットである21:00を回ったところでようやくつながり、遅れることを伝えると大丈夫とのこと。
というか今まで何で繋がらなかったんだろ…公式に遅れる場合は連絡しろって書いてあるのに…ご飯の支度かな?


ともかく京都駅に到着。
改装されてから来るのは3回目だろうか。
この京都駅の構造は結構特徴的で、なかなかに面白い。さながら秘密基地のようである。
こいつを超広角レンズで収めるのも今回の旅の目的の1つだ。
ただ今は階段をのぼる気力が起きなかったので後回し。なに、まだあと3日もあるのだ。


そして、ひとまず京都に来たぞアピールするために京都駅を正面から撮影。
DSC02113

ちなみにこのとき、三脚を立てて構図を作っていると…
「テレビですかー?すごい三脚ですねー!」と、謎テンションのお姉さんに絡まれる。

期待させて申し訳ないが、僕はただの旅行者である。
謎テンションにやられつつたどたどしい言葉を紡ぎだす。

「あ、いえ、これは趣味で。旅行者です。ええ。」

そしてすぐ近くに「ほらー、早く行くよー!」とか言ってる連れの人が。
酔ってんなこの人…


これだけで判断できるわけじゃないが、神戸とは結構人の雰囲気が違う気がするなぁ。
そんなことを考えながら宿へ。


チェックインが遅れたものの、快く迎えてくれた。
部屋に入るとまずお菓子を探しちゃうのが僕の癖。
DSC02118
やはり安定の八つ橋。京都来たなぁという感じ。


それから色々と支度をして、寝る前に翌日のスケジュールを考えることに。
本当は早朝から嵐山に行きたかったのだけれど、時間が時間(23時ぎりぎり着)ということもあり、
しっかり睡眠をとりたいということ、そして遅く出た場合の混雑を考えて別の日にすることに。
その代わり、ちょっと時間が遅れても人が少なそうな以下のルートで回ることに決定。


円通寺下鴨神社三十三間堂→あじき路地→石塀小路→花見小路通(ライカストア京都)→京都駅


さて、完全にノリだけできた京都写真修行の旅、果たして満足のいく写真は撮れるのか…

part2に続きます。