weekenders.fm #2 暗い場所での撮影について喋ってみた
weekenders.fm #1 オールドレンズについて喋ってみた
みなさんお久しぶりです。
この度、ツナワタリマイライフのchaspyさんと写真について喋るPodcastやろうよ!という話になり
やりました(早)
これもひとえに瞬速のスタートアッパーであるchaspyさんの為せる技でございました。
ちなみに初回はオールドレンズについて喋る会になっており、こんな人にオススメな内容です。
- オールドレンズって聞いたことあるけど何?
- オールドレンズはどういう特徴があるんだろう?
- オールドレンズはどんな時に使うと効果的?
- おすすめのオールドレンズって?
今回のpodcastで利用している写真を以下に貼っておきます。
甘いコントラスト1
甘いコントラスト2(zerocycleさん)
甘いコントラスト3(zerocycleさん)
フレア1
フレア2
フレア3
ゴースト1
ゴースト2
ゴースト ミノルタ1
ゴーストミノルタ2
podcast内で紹介しているオールドレンズはこちらです。
- Jupiter-37A 135mm F3.5
- MINOLTA MC ROKKOR-PF 50mm F1.7
写真というグラフィカルなものについて声だけで語るというのはなかなか難しいです。 なのでお聞き苦しい部分もあるかと思いますが、なんとかわかりやすいように喋っていきたい所存です。
皆様の暇つぶしになれば幸いでございます。
毎週金曜更新予定です。何卒。
ブログ週一更新を一年間続けてみた
発端
今から一年ほど前、友人達とのslackの会話の中でこんなことを言ってしまったがために、ブログの更新を1年間続けることになってしまった。
そうすることにした理由はよく覚えていないが、多分自分の写真を沢山の人に見てもらいたいとか、要は承認欲求を満たすためだと思う。
ブログを続けたことで結局その目的が達成されたかというとNOである。 クソ真面目に記事を更新してもPVはほとんど上がらなかった(上がるには上がったけど)。
しかしやり続けてわかったこともあるので、今回はそれを書いていく。
ちなみにブログ更新以外の目標も2つ書いているけどこいつらはどこかに消えた。 たぶん承認欲求を満たすということならブログ以外の目標のほうが良かっただろうと思う。
自分は弱い人間だ。 この3つの中で「ブログ更新」が最後まで残ったのは、この中でブログ更新が最も自分にとて「やりやすい」方法だったからだろう。だってPCかスマホがあればどこでも書けるもの。
ブログは続かない。
とはいえ、ブログ経験者なら誰もが経験したことがあるだろう以下の問題に直面する。そう、
「ブログが続かない」
ということだ。
自分にも経験があるからこそ言える。今まで何度ブログのようなものを始め、更新が続かずに頓挫してきたところだろうか。 周りにも似たような人が沢山いるのを見てきた。
一方で自分自身続けることは得意だという自覚がある。一度始めた部活や仕事は途中で辞めたり投げ出したりすることがなかったし、それなりに達成感があった。
では何故ブログは駄目だったのだろうか?
少なくとも自分にはその理由が2つあった。
ブログが続かない理由①: ブログはいつでもやめることができる
それを考える前に、続けることができたものについて考察してみた。
続けられたものはそもそも「続けられた」のではない。「辞められなかった」のだ。
部活にしても仕事にしても、途中で辞めると自分がそれまでやっていたことを誰かに引き継ぎ、責任を負わせなければならない。
そうすることで、少なからずチームの誰かを不幸にすることだってある。
自分は昔から「人にどう思われているか気になる」性格だったので、何かをやめるによって「人に迷惑をかけるやつだ」というレッテルを貼られたくなかったのだ。
だから、誰かと協調して何かをしなくてはならない状況では、自分は「辞めること」ができない性格だ。
合理的な考え方をする人からすると、僕のこの性格は実に非合理的に見えることだろう。
そもそも、やりたくないことをやっている時点で効率は上がらないのでアウトプットもたいしたものはできないので、成果をあげることができない。
結果そちらの方が他人に迷惑をかけてしまう。
何よりもやりたくないことをやり続けるのは精神的な負荷が高い。
さて、話を戻そう。
では何故ブログは簡単にやめることができたのだろうか?
それは責任が個人の範囲に及び、やめたところで誰にも何とも思われないからだ。
いつ始めてもいいし、いつ辞めてもいい。誰にも何も迷惑もかからない。
それがブログ続かない大きな理由の一つである。
ブログが続かない理由②: ブログを更新するのは時間がかかる
自分は完璧主義に近い人間だ。
一度何かについて書くと決めたら、それに対し自分が納得まで調べた上で書かないと気が済まないタイプ。
なので一つ一つの記事を書くのに凄まじい時間がかかってしまう。出すものを完璧にすることに余念がないと言っていいだろう。
しかし、こういった完璧主義の悪いところは皆さんのよくわかるとおりである。
そもそも長い文章は読み手の気力を削ぐ。 ブログはただでさえ自己満足であるわけだから、それをちゃんと読んでもらうこと自体が稀である。 承認欲求を目的に置くならば、長すぎず、簡潔で、わかりやすい文章を書くべきなのである。
そして完璧主義のもう一つの難点は、時間がかかることによって期日までに完成しないということ。 そして無理やりその時間に出したとしても結局できていないのだから全く意味のないものになってしまう。
仕事なら締め切りがある上に一人でやっているわけでもないので、仮に完璧を求めたとしてもどこかで終着する。 だがブログは個人の裁量に任せられるためにいつまでも終わらない状態が続いてしまう。
そうなると、また別の優先度が高いタスクなどが上がってきて、未完成のままフォーカスから外れてしまうのだ。
ブログを続けるためには
じゃあ自分のような人間がブログを続けるにはどうしたらいいのか?
退路を断つ
理由①の解決法は簡単だ。逃げ道を失くせばいい。
今回の目標を達成するために、事あるごとにいろんな人にブログを毎週更新していることを言い、またSlackやTwitterで更新したブログをアップして常に周りの目に晒すようにしてみた。
特にSlackはクローズドなサークルなので、TwitterのようにTLが流れてしまう激しいものと真逆であり更新していなかったらすぐにバレる。
挙句の果てにSlackbotが毎週ブログを書けと攻め立ててくる(これは自分がやったことではない)ので書かざるを得ない。
小分けにして投稿する
完璧主義タイプでいつまでも記事をアップロードできないのであれば、いっそ記事を分割してしまって、短い単位での完璧主義を目指せばいい。
ネタが出る限りいつまでもPart.1, Part2,...と続けていって、満足したらそこで終わればいいのだ。 もし適当に書き終えてしまった記事の内容がきになるのであれば、あとで暇な時に直せばいい。
実際、長すぎると内容もまとまらないし読むのもダルいので読者のことを考えているとも言える。
この一年、この手を何度使ったかわからない。
そうまでしてブログを更新する理由
ここまで読んできて、こう思った人は多いだろう。
「え、そこまでしてブログ更新し続ける必要ある。。?」
実際、始めた時は自分にもそれがわからなかった。でもとりあえず言ってしまったからやらないといけないな…と思って更新をしていたが、いかんせん今のご時世ブログに対するリアクションは皆無、PVもそこまで増えない。
元々承認欲求をベースにしていたところもあるので、心が折れかけていたこともあった。 そんな中、何故続けたのか?
その理由を語ろう。
言語化することで、本当に使える知識や技術になっていく
あるトピック、例えば写真の一技術についていざブログを書こうとすると、意外とスムーズに書き進められないことに気づく。
普段自分が感覚的にやっていることを体系化して誰にでもわかるような言葉に直そうとすると、足りない知識や技術があるということに気づくのだ。
よく、「自分の仕事を家族に説明できますか?」という問いがある。もちろん、聞き手のレベルを設定しないと適切な問いとは言えないが、これは自分の仕事について自分がちゃんと理解しているかという指標になる問いである。
もちろん、いつも仕事をしている同僚相手であれば専門用語やこそあど言葉を使って適当に説明しても理解させることができる。 しかし全くバックボーンの異なる人に説明する場合は、同僚に対するそれとは別の視点から説明しなければいけないことは容易にわかるだろう。
言語化するというのは、まさにそういうことなのだ。
自分の中に経験としてある技術を他者にわかりやすく説明するために体系化して整理し直す。 時には足りない知識も出てくるので、それはそれでまた調べる。
それを実践してブログの記事として言語化し投稿できたとき、それは自分にとって揺るぎない知識・技術として完成するのだ。
それに気づいたとき、自分はアフィリエイトでも承認欲求でもないことのためにブログを続ける意味を知ったのだ。
ブログを続けてよかったこと
会う度に色々な人が質問してくれる
始終ブログへのリアクションは薄かった。じゃあお前はどうなんだと聞かれると、自分も他人のブログにコメントすることは稀なので、仕方ない。
一方で、公開先のSNSで繋がっている友人に会うと感想を言ってくれることがあった。これは素直に嬉しい。 ちゃんと読んでくれているんだなという実感を持つことができた。
写真関連の仕事をもらうことができた
コンスタントにブログに記事を投稿できるということは、アウトプットと継続できる力を持っているということの証明になる。ある意味、面接で口でぐちゃぐちゃ言うよりも正確なアウトプット力の証明になるということだ。
それが功をそうしてか、写真関係の仕事をいくつかもらうことができた。 見てくれる人は少なくて、リアクションも薄いかもしれないが、自分から何かをしようとしたとき、ブログは自分の力になってくれたと思う。
ブログを続けることでしんどかったこと
とにもかくにも時間を吸われる。これに尽きる。
どの記事もちゃんと書こうと決めて取りかかったので、勉強や調査、特に素材として写真を撮りに行く、その現像など含め膨大な時間を要した。 記事一つの投稿に10時間くらいかかった時もあった。
それによって寝不足になったりストレスになることがあった。迷惑をかけた人たちもいる。 今後は特に目標も設けず、自分のできるペースで書きたい記事を書いていきたいと思う。
まずはシリーズ物で完結していないものを完結させ、そのあとで捨ててしまった自分の別の目標を達成するための調査・勉強目的としての記事を書いていきたい。
最後に
ちなみに、この目標は正確にはまだ達成できていない。
なぜなら、このブログを公開すると同時に目標達成となるからだ。
それじゃ、
「覚悟はいいか? オレはできてる」
逆光で撮った写真のレタッチ方法について説明してみた Part1
逆光とは?
逆光とは、カメラのレンズが光源(太陽やライトなど光を発するもの)またはそれに近い方に向けられた状態を指します。
ポートレートを撮る場合でいうと、人物の背後に太陽などがある状況ですね。
逆光時の問題
ズバリ逆光時の問題は、被写体が黒くなり、何が写っているのか判別できなくなること。
撮影しているときに「あ〜、逆光じゃん!」となって撮影をやめてしまう、または向きを変えてしまうことはないでしょうか?
逆光の状態で記念撮影した場合、被写体が黒つぶれ(黒くなってしまって判別できない)状態になることが多いです。
人間の眼ではある程度明るく見える場合でも、いざシャッターを切ると黒つぶれしてしまうなんてことも。
これは、カメラのレンズが人間の目と比べて性能が悪いためです。
カメラのレンズよりも人間の目の方が輝度(明るい・暗いといった指標を数値化したもの)を細かく捉えることができます。
カメラはある一定の暗さ以上の部分を細かく見分ける能力が人間の目よりも劣るため、全て黒く潰れてしまうのです。
敢えて逆光で撮る
じゃあ逆光は避けたほうがいいのかというと、そんなこともありません。
逆光の反対は順光。つまり、光源と逆向きにレンズが向けられている状態です。もっとわかりやすく言うと、被写体の前面に光が当たっている状態ですね。
順光の写真は明るくて綺麗、色味もしっかり出ています。
これは個人個人の解釈ですが、あまり面白みがない写真にも見えないでしょうか?(もちろんモデルの方は大変美しいのですが)
撮るべくして撮ったような印象を覚える方もいるかもしれません。
一方でこちらの2枚の写真はどうでしょうか?逆光で撮影した写真です。
激しい明暗差によって被写体は黒つぶれ(もしくは気味)してしまっている部分もありますが、どこかドラマチックに見えませんか?
1枚目はライブハウスで撮った写真です。ギターを持った女性の輪郭がオレンジ色に浮かんでいます。
スポットライトが直接当たっていないことから、幕間なのか、それともライブが始まる直前なのか。いずれにしても演奏中でないことは確かです。
少しうつむいたその表情を伺い知ることができませんが、一体どのような気持ちでステージに立っているのでしょうか。
一方で2枚目は町中で撮った写真です。
あたりはオレンジ色に染まり、歩道を渡る女性の影が長く伸びています。これは朝なのか夕方なのか。 旅行かばんを引いていますが、これからどこかに行くのでしょうか?それとも帰ってきた後?
このように、逆光は被写体がよく見えないからこそ、色々と想像させるような風景を作り出すことができるのです。
また、上の二枚を観てもわかるように逆光は被写体の輪郭を際立たせるため、非常にドラマチックな雰囲気を出すことができます。
したがって逆光写真はある意味「芸術性の高い写真」とも言えます。
どうでしょう?敢えて逆光で撮るのも良いかも。。と思えてきたのではないでしょうか?
逆光写真の救済
とはいえ、あまりにも光が強すぎる場合は完全に被写体が黒くなってしまい、もはや何が何だかわからなくなってしまうのも事実。
しかしこれを救済できるとしたらどうでしょうか?例えばこんな風に。
次回からは逆光写真の救済方法と、より逆光の良さを引き出すためのレタッチ方法について説明していきます。
続きます。
GANZOの財布を買ってみた
ウン年振りに財布を新調したので紹介したいと思います。
選ぶに至り結構悩みながら選びました。
スーツに合う財布が良い
財布を選ぶときに自分が重要視していたポイントの一つに「スーツと組み合わせて使えるクラシックスタイルに合うもの」がありました。
スーツに合うとなると、派手すぎない、クラシックに合う見た目であること以上に形状も重要になってきます。
通常スーツのポケットは使わないものです。
ポケットにモノを入れるとシルエットが悪くなったり、重さでスーツの型崩れが起こってしまうためです。
そんなポケットの中で唯一使ってもいいかな?と思えるのはジャケットの内ポケット。
万が一から崩れしても外から見えないためです。
しかし厚みのある財布を入れてしまうとシルエットが悪くなってしまうためNG。したがって薄い財布であることが前提条件となります。
一方私が最近まで使っていた使っていた財布は二つ折り・カード入れ付き・小銭入れ付きという太くなる要素しかない財布でした。
特に小銭入れは現金を使えば使うほどかさが増していくのでまず除外しなければならない機能ですね。
良い財布がいい
どうせ買うなら良い財布がいいと思っていました。
良いという尺度は幅がありすぎて難しいですが、僕の考えていた「良い」を体現しているメーカーが「GANZO」というブランド。
時を重ねるほどに、輝くもの。GANZOは、あなたの手によって"世界最高"の完成品となる。
という公式サイトの文言にあるように、GANZOの革製品は新品の状態では悪い言い方をすると「無味乾燥」です。
特に派手な色付けがされたわけでもなく、華美な装飾もありません。
しかし、革の風合いを最大限に活かして作られたアイテムたちは使えば使うほどエイジング、経年変化によりその姿を味のあるものへと変えていきます。それも、持ち主の使い方次第で千差万別の仕上がりに。
GANZOのコレクションは、あなたに選ばれ、使い込まれることでパフォーマンスの頂点に達し、替えのきかないオリジナルとして完成されていくのです。
という言葉が示す通り、使い込めば使い込むほど自分自身だけの、唯一無二のアイテムになっていくというわけです。
いい意味で華やかさのないGANZOのデザイン
先程買ったばかりのGANZO製品は「無味乾燥」と言いましたが、そのままでも十分美しい仕上がりになっていると僕は思います。
いい意味で華やかさがない。
言い換えればいやらしさがない。
いやらしさと言っては失礼ですが、やはり紳士たるものよく磨き上げられた鈍く光る道具を懐に忍ばせるべきだと思うのです。
革に派手に色付けしているメーカーも沢山ありますが、どうも性に合いませんでした。
華やかなものというのは時の流れに弱い。華やかなものほど時間が経てば経つほど色あせ、本来の、買ったばかりのときの色を失っていく。
一方で鈍く光る革は時間が経てば経つほど良さが出てくる。
他人に与えられた一過性の華やかさではなく、一生続く、そして自分で作る鈍い輝き。
そんなところに魅力を感じるのです。
そんなこんなでGANZOの製品たちは僕の望みに完全にマッチしており、ここの財布を買おうかなーと思っていたのですが。。
時代はもうキャッシュレス
ここまで読んだ方も思ったと思うのですが、今更財布?感が拭えないですよね。
キャッシュレス化が進む昨今、クレジットカードだけでなく様々な電子マネーが現れては消えしのぎを削っています。
かく言う僕も普段の買い物はほぼほぼ電子マネーとクレジットカードだけになってきました。
その上今はクレジットカードや電子マネー全てをスマートフォンに集約させて使うことが可能です。
現金が必要なシーンはまだまだあるとはいえ、財布にそんなこだわらなくてもいい時代が到来しようとしているのです(というか、到来した)。
しかしやはり革がいい
革靴のブログでも散々語りましたが、天然皮革にはそれにしかない魅力があるのです。
そう、これは趣味の領域なんです。
誰がなんと言おうと、僕は天然皮革の持つ風合いが好きなんだと。
趣味という言葉は、全てを置き去りにする必殺技なのです。
で、結局買ったのは…
結局、マネークリップとコインパースという組み合わせになりました。
マネークリップとは、紙幣を挟んでおけるクリップのこと。
一般的には小銭入れを持たないので、かなり薄くコンパクトになります。
一方で小銭入れはその名の通り小銭だけを入れておく財布です。
小銭だけ入れるので太くなりがちですが、最近は小銭が必要になるタイミングも少ないので問題ないかなと。
どうしても現金で払わないといけない場合にだけ使う奥の手として、持っていくカバンに忍ばせておく想定です。
そのため膨れる小銭入れをスーツや衣服のポケットに入れることはないため、型崩れやシルエット崩れの心配はありません。
結婚式ではそもそも現金を使わないので、小さい手持ちカバンに入れて預けてしまえばいいですし。
今回買ったのは以下2点。
- GANZO THINBRIDLE MONEY CLIP
- GANZO CORDOVAN COIN PURSE
先程紹介したGANZOですね。 やはりここに行き着きました。
GANZO THINBRIDLE MONEY CLIP
マネークリップの種類は大きく分けて2種類あります。
- クリップだけのシンプルなもの
- 2つ折り財布形式
前者はこちら。
クリップに紙幣を挟んだ後、間にカードを差し込むタイプ。 どちらかというと、こちらが本来のマネークリップでしょう。
今回購入したGANZOのものは後者です。
ここまで革の話を散々しといて前者を買うわけないだろという感じですが…笑
単純なクリップタイプもミニマルデザインで素晴らしいですが、天然皮革への憧れとカードポケットの使い勝手の良さから後者を選択しました。
カードを入れる最低限の数のポケットと、二つ折りの折り目部分に紙幣を挟むための開閉式のクリップが付いています。
縦横の長さこそ普通の二つ折り財布と同等ですが、カードと紙幣しか入れないのでかなり薄くなります。
そして今回選んだのは、GANZOのTHIN BRIDLEというシリーズ。
このTHIN BRIDLEは、表面にブライドルレザー、内面に柔らかなヌメ革を使用したシリーズになります。
ブライドルレザーは、皮革に蝋を染み込ませることで強度を高めたものです。
革の表面に蝋のワックスを擦り込むことで浮かびあがる「ブルーム」という白い粉が特徴です。
表面に白い粉のようなものが見えるのがわかりますでしょうか。
一方で内側のヌメ革はなめし(樹液や薬品を用いて動物の皮に耐久性をもたせる工程のこと)ただけで着色されていない皮革を言い、自分で使い込むことで色を付けていく楽しみがあります。
表面のブライドルレザーは頑丈でツルツルした手触りである一方、開くとヌメ皮の柔らかくさらさらとしたコントラストを感じることのできるコンセプトが売りです。
また、ブライドルレザーで耐久性を高めつつ、ヌメ皮による経年変化を楽しむことができるハイブリッドなモデルとなっています。
使い方としては、このようにクリップを開き、
紙幣を挟んでパチンと閉じることでしっかりと固定されます。このパチンの音がまた小気味よくて素晴らしい。
そしてGANZOの製品全般に言えることですが、コバ(革の切った部分)の仕上げが素晴らしいです。
切り落とされたままの毛羽立ちを残すのも野性味があって良いですが、このように断面を綺麗に揃えてから彩色したタイプも主張しすぎない高級感があって素晴らしいです。
GANZO CORDOVAN COIN PURSE
続いては小銭入れです。
小銭入れも色々なタイプがありますよね。
馬蹄型と言われる、馬の蹄の形状によく似たもの。
パカッと開いた部分に小銭をスライドさせることで、目的の硬貨を高速にピップアップすることができます。
もう一方はBOX型。ボタンを外して開くと、折りたたまれた内壁が展開して正方形の収納スペースが現れます。口が広いので硬貨が開きやすいことが特徴です。
今回購入したのはこのBOX型になります。
当初は馬蹄形にしようかと思ったのですが、GANZOの馬蹄形はサイズが小さめであり、鍵が入りそうになかったためBOX型を選択しました。
鍵の持ち運びには結構苦労しており、別途キーケースを用意すると荷物が増えてしまうし、容量が大きい嵩張る財布は持ち運びたくない。
もともとカードやお金はマネークリップと小銭入れの2つだけにまとめたいかつ二つのデザインを合わせたいと思っていたので、GANZOのBOX型小銭入れはちょうどいいデザインかつサイズでした。
今回はCORDOVANのシリーズを選択しました。
マネークリップ同様統一感を持たせたかったためTHIN BRILDLEにしようと思っていたのですが、CORDOVANの方が縦横共に0.5mmだけ大きいためこちらを選択しました。
CORDVANシリーズはその名の通り皮革の中でも希少であるコードバンを外側に使っています。
コードバンは馬の臀部から採取される皮から作った皮革です。
その採取面積の狭さから天然皮革の中でも希少かつ高級であり、非常に滑らかでしっとりとした質感が魅力。
この小銭入れの外側も非常に触り心地がよく、ずっと触っていたくなるほどです。
一方で内部はマネークリップと同様牛ヌメ皮を使っており、マネークリップ同様内と外のコントラストを楽しむことができます。
開くと正方形の収納部が出現。
マチはコンパクトな見た目に反して意外と広く、比較的多めの硬貨を収納することができます。
ちょうど持っていた小銭を全て注ぎ込んでみましたが、型崩れすることはありませんでした。
- 1円玉 25枚
- 5円玉 5枚
- 10円玉 11枚
- 50円玉 3枚
- 100円玉 2枚
マネークリップ同様、コバの仕上げが美しいです。
このモデルでは後者で赤茶の色付けがされており、それが外側のコードバン部分のネイビーと非常によくマッチしていると思います。
この青と茶の組み合わせは、イタリアで定番カラーとも言われている“Azzurro e Marrone”(空色に栗色)に通ずるものがあり、上品でありながら遊び心のあるデザインです。
こういった目立たない工夫の積み重ねがGANZOのアイテムがシンプルでありながら高級感を覚える理由ではないかと思います。
使ってみて
友人の結婚式でスーツスタイルのときに早速使ってみましたが、実に良いですね。
マネークリップは胸ポケットに入れても主張しない薄さですし、小銭入れはいざ使うとなったときも硬貨が非常にピックアップしやすく使いやすいです。
なにより、良いものを懐に忍ばせているという感覚が良いですね。実に所有欲を満たしてくれていると思います。
決して安い買い物ではないですが、一生をかけて…は言いすぎかもしれませんが、長い時間をかけて作り上げていくものと考えるとある意味安い()気もしますし、何より革の良さは一度手にしてみないとわからない部分もあると思います。
ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。
7meshのサイクルウェアをレビューしてみた CYPRESS HYBRID JACKET その①
前回は同7MESHのASHLU MERINO JERSEYについて紹介しました。
7MESHはカナダ発のサイクルウェアメーカーです。
アウトドアウェア界では世界最高峰の技術を持つと言われるARC'TERYXの創設メンバーが始めたブランドで、その高い技術力とマインドを引き継ぎ数々の素晴らしいサイクルウェアを生み出しています。
詳しくは以下の記事を御覧ください。
今回は7MESHの「CYPRESS HYBRID JACKET」のメンズモデルについて紹介していきます。
CYPRESS HYBRID JACKETとは
CYPLESS HYBRID JACKETは、7MESHのジャケットの中でもっとも薄く、軽く、携帯性に優れたジャケット(たぶん)。
サイクルウェアで言うところの、「折り畳んでポケットに仕舞えるウインドブレーカー」的な立ち位置のアイテムになります。
商品名に含まれるCYPRESSは、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるサイプレス州立公園(またはその中のスキーリゾート、サイプレス山)に由来しているようです。
これだけ聞くと何故雪山(スキーリゾート)の名前をウインドブレーカーにつけたのかと疑問に思うところ(厳冬期ジャケットの方が適しているのでは?という)。
仕事でバンクーバーに滞在したことのある友人曰く、サイプレス山は獲得標高700m程度のちょうどよいヒルクライムスポット(もちろん冬季は除く)ということで、現地のサイクリストが足繁く通う場所だそうです。
ヒルクライムの下りではウインドブレーカーを多用するため、そこでトレーニングするサイクリスト向けに作られたジャケットと考えるとなんとなく納得がいきます。
そんなCYPRESSは乗鞍でも大いに活躍してくれました。
さて、これまでの記事でも紹介してきたように、ウェア設計から利用する素材まで異常なまでのこだわりを見せる7MESH。
その7MESHが繰り出すウインドブレーカーはいったいどんなシロモノなのか。
むしろウインドブレーカーと呼ぶのは失礼ではないのか?
HYBRIDとは何を意味するのか?
見ていきたいと思います。
ジャージポケットへのアクセスが容易
CYPLESS HYBRID JACKETは腰部の両側にベンチレーションを備えており、ジッパーを引っ張ることで開閉可能です。
ジャージ同様ジッパーの紐が大きめなので引っ掛けやすいです。
そしてこのベンチレーション、単に通風だけを目的としたものではないのがポイント。
そう、このベンチレーションから下に着たジャージのバックポケットを弄ることができるのです。
7MESHのお家芸であるジャージのジッパー付きポケットはもちろんのこと、ベンチレーション自体が縦長なので通常のバックポケットもアクセス可能です。
ジャージのポケット位置に合わせて設計された感が伺えます。
防風性と通気性のハイブリッド
防風性と通気性という一見相反する機能を同時に実現することの出来るハイブリットジャケットです。
公式サイトのこの文章を見るに、CYPRESS HYBRIDの"HYBRID"は防風性と通気性の両立という意味合いで使われているようです。
防風性と通気性と聞くと、一見相反する機能のように思えます。
これらの機能をCYPELESS HYBRID JACKETはどのように両立させているのでしょうか?
ウェアの性能を決める重要な要素は素材。
ということで組成を見てみましょう。
身頃
- ポリエステル 100%
対照
- ナイロン 78%
- エラステイン 22%
ASHLU MERINO同様身頃が「前面」、対照が「後面」であると考えると、この前後面での組成の違いが何らかの効果を生み出していそうですね。
公式サイトの説明文を見てみましょう。
And we made it with almost silent GORE-TEX INFINIUM™ Active front and arm fabric treated with a durable water-resistant finish, and a 4-way stretch back that allowed us to dial in the fit to keep things silent and streamlined throughout even the fastest descent.
前面のポリエステルはGORE-TEX INFINIUM™ Active, 後面はストレッチ加工ということで組成の通り伸縮性に富むエラステインが寄与していると思われます。
サイクリングはハンドルを掴むという特性上、雨が降っているときは腕が濡れやすいです。それを考慮し腕部分はDWRにしているといったところでしょうか。
防風・透湿の前面
前面はポリエステル100%です。
CYPRESSの前面にはGORE-TEX INFINIUM™ WINDSTOPPER®という素材が使われています。
GORE-TEX INFINIUM™ WINDSTOPPER®はGORE-TEXで有名なW. L. Gore & Associates, Inc.が提供している素材になります。
そんなGORE-TEX INFINIUM™ WINDSTOPPER®ですが、通常のGORE-TEXとは違いがあるようです。
防風(風を防ぐ、通さない機能)と透湿(内部の水蒸気を外部に発散する機能)は両方とも備えており、違うのは撥水なのか防水なのか?というところ。
撥水と防水を少しだけ詳しく書くとこういうこと。
- 撥水 -> 表面に付着した水を弾く
- 防水 -> 外部から水が入りこまない
え、撥水も表面に付着した水を弾くから結果的に水が入らないんじゃないの?と思うところですが、
撥水加工はシリコンやフッ素などで生地の表面をコーティングして撥水を実現させているのに対し、防水は生地自体が水を通さないように加工されているという点が違います。
したがって「撥水」は多量の水に晒されたり、コーティングが剥がれると水が染みてきてしまいます。
一方で「防水」は一切水を通さない生地になっているためにムレてしまういうデメリットもあります。
ストレッチ性を高めた後面
逆に後部はWINDSTOPPERを利用せず、ナイロンとエラステインを利用しています。
ナイロンは通気性が悪い素材です。故に防風性は高く、丈夫であり伸びにくいという性質を持っています。
ウインドブレーカーということで防風性を高めたいが、それだとライディングポジションをとった際に窮屈になってしまうことから、エラステインを含めて適度な伸縮性を保つことでその問題を解消しているのでしょう。
あれ、通気性は?
以上のことから後面は通気性はそこまで高くない(むしろ悪い)ということになりますが、公式サイトにある「防風性と通気性の両立」はいったいどこから来ているのか。
重要なことを忘れていました。そう、ベンチレーションです。
大きく空いたベンチレーションが通気性を高めている。これしか考えられません。
したがって以下のように防風と通気のハイブリッドを達成しているということになります。
- 風をモロに受ける前面はGORE®WINDSTOPPERを利用することで防風性を実現しつつも内部の汗は透湿
- 風を受けない後面はベンチレーションによる通気性を確保、かいた汗を発散
また以下のような工夫もされています。
- 腕部分はDWR(耐久性撥水加工)により水が染み込みにくい
- 背面はナイロンを利用することでウインドブレーカーに求められる防風性を担保しつつ、若干のエラステインによりライディング時の着心地の良さを実現
全ての面を同じ素材・同じ機能にするのではなく、適材適所で素材を配置し、サイクリストが「ウインドブレーカー」を利用し得るユースケースにおける効果を最大限に高める工夫をしているように思えます。
続きます。
ISO感度についてまとめてみた Part1
そのままアイエスオーかんどと読むときもあれば、ローマ字読みでイソ感度と読むこともあるISO感度。
ライブ撮影の記事で少しだけ説明しました。
大きくするとノイズが出るが明るい写真が撮れるというのがISO感度の性質です(ISO100の方は明るくするためにシャッタースピードを長くしています)。
したがって、ノイズが気にならない程度のISOを時と場合に応じて調整するのが画質の鮮明さと明るさを両立するための鍵となります。
…とエラそうに語っておきながら、自分は撮影時は割と適当にISOを設定したり、そもそも仕組みを上手くわかっていなかったりするのが現状だったりします。
その理論や仕組みを知ることでもう少し色々な状況に瞬時にかつ的確に対応できるフォトグラファーになりたい。。
というわけで、今回は写真の露出を決めるパラメータのうちの一つであるISO感度について勉強・まとめてみることにしました。
フィルムにおけるISO感度とは
ISO感度のISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization, 略してISO)のことを指し、ISO感度はその国際標準化機構が決めた写真フィルムの規格です。
今やカメラといえばスマホ含むデジタルカメラがメインになっていますが、我々(20代後半から30代前半くらい)が小さい頃はまだフィルムカメラが主流でしたよね。
フィルムにおけるISO感度とは何かというと、そのフィルムが記録できる光の下限、つまりどの程度の光の弱さまで記録できるかというフィルムの能力を示します。
ISOの数値は100とか200で表され、数値が大きくなるほどより弱い光を記録できる、つまり感光(物質が光によって化学変化する)しやすい、感度が高いことを意味します。
なのでISO200のフィルムの方がISO100のフィルムよりもより弱い光を捉えることができるということになり、それ故にシャッタースピードを速くしても明るい写真が撮れるということになります。
逆に言うと、シャッタースピードを速くすると取り込める光の量が少なくなるが、ISO感度を上げるとより弱い光を取り込めるようになる(ISO感度が低い状態では取り込めない光を取り込める)ので写真の明るさは変わらない、ということです。
なぜシャッタースピードを上げると光を多く取り込めるのか?それについてはライブハウス撮影記事の3回目で説明しました。もう一度復習してみましょう。
シャッタースピードとはつまり、カメラ本体にあるイメージセンサー(撮像素子)を光に晒す時間を指します。
デジタルカメラでは、光はセンサーからレンズを通ってイメージセンサーに当たり、それによって写真データが作成されます。
したがって、光があたっている時間が長いほど作成される写真データは明るくなるということになります。
これはフィルムカメラでも同様のことが言えます。というのも、フィルムカメラはデジタルカメラのイメージセンサーをフィルムに置き換えたものだからです。
センサーが素子が敷き詰められた網目状の構造になっているのと同様に、フィルムも粒子の集合体になっています。
一つ一つのフィルムの粒子に光が当たり、化学変化する(感光する)ことで、1枚のフィルムが写真になるという仕組みです。
したがって、フィルムカメラでもシャッタースピードが長い、つまり光をフィルムに当てる時間が長いほど取り込める光の量が多くなります。
シャッタースピードを上げられるということはすなわちより動きの激しい被写体にも対応できるということです。
なので、シャッタースピードを上げるためにはISO感度の高いフィルムを使うというわけです。
それによって薄暗いライブハウスでの撮影が楽になったり(ライブハウスは暗い上に被写体が動く)、手ブレを発生を抑えたりできる(シャッタースピードが長い状態で手持ちして撮ると手ブレが発生する)ようになります。
フィルムのISO感度を上げることのデメリット
さて、ISO感度を上げることで明るく撮れるならいくらでも上げたら良いじゃないかという話になりますがそう簡単にはいきません。ちゃんとデメリットが存在します。
ISO感度が高くなればなるほどフィルムの粒子が大きくなります。
粒子一つ一つが一つの色を表現します。
したがって、粒子が大きくなればなるほど表現できる色の数が減るため、写真が荒くなるということです。
便宜的に、フィルム上の1粒子を1マスで考えてみましょう。
マス目一つずつが一つの色で表されると過程すると、43のマスのフィルムでは家が9色で表現されます(33マスの正方形に入っている)
一方でISO感度が高いフィルムは粒子が大きくなる、つまりマスが大きくなるので以下のようになります。
1.51.7マスのフィルムであるとすると、家が1色(11マスの正方形に入っている)でしか表現されません。
ゆえにフィルムの粒子が大きくなると被写体を表現できる情報量が減るために写真が荒くなるということですね。
したがって、フィルムのISO感度については以下のようなことが言えます。
- ISO感度を上げると
- より弱い光を記録できる
- フィルムの粒子が大きくなるため画質が悪くなる(写真が荒くなる)
したがってフィルムにおいてもデジタルと同様、ISOを上げることは画質とのトレードオフになるということです。
一方で、デジタルカメラにおけるISO感度の仕組みはどのようになっているのでしょうか。
イメージセンサーは網目構造になっていますが、マスの大きさは固定です。
またデジタルカメラの場合、ISO感度を上げることで発生するデメリットがはノイズが発生してしまうことです。
したがってフィルムカメラとは別の仕組みであることが考えられます。
次回はその辺りについて解説していきたいと思います。