水野学 著「センスは知識からはじまる」を読んでみた その③
前回は、本に書かれた以下について私の所見を述べました。
- センスとは、数値化できない事象を最適化すること
- センスのいいアウトプットをするには「普通」を知ることが重要
今回も引き続き本の内容の気になった部分について、写真撮影の話を交えつつ所見を述べていきたいと思います。
- 作者: 水野学
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/04/18
- メディア: 単行本
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客観情報の集積がその人のセンスを決定する
本書では、客観情報を知識として集積することでセンスを向上させることができると述べています。
センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。 思い込みと主観による情報をいくら集めても、センスはよくならないのです。
「主観」や「思い込み」の例として、本書では以下の二人の人物を比較対象に上げています。
- なんてことはないセーターを着ているのに、お洒落に見えるA君
- 流行りのセーターを着ているのに、お洒落に見えないB君
冒頭で述べたことが解答になるのであれば、A君は客観的な知識を集積していてセンスがある(結果的にお洒落に見える)のに対し、
B君は主観的で思い込みが強いのでセンスがない(結果的にお洒落に見えない)
ということになるわけですが、ここでいう「客観」「主観」「思い込み」は、文中で以下のような例で説明されています。
A君はファッションについてよく勉強していて流行について精通しており、 かつ自分の個性や体型、雰囲気など客観的な情報を集積している。
したがって、A君は現在のトレンドに合うかつ自分にも合う服を選ぶことができる。結果お洒落に見える。
一方でB君はファッションについて勉強していて流行は知っているが、 「流行しているものがよい」という強い思い込みだけで服を選び、 自分の客観的な情報は無視しているため、結果お洒落に見えない。
つまり、一般的な知識(ここでいうところのファッションの基礎知識や流行)に、
現在の状況(自分の体型、雰囲気、TPOなど)という客観的な情報を加味し、
より適切な選択肢を取ることがA君にはできている。
つまり、センスの定義である「数値化できない事象」である「お洒落」を「最適化する」ことができているというわけです。 (本書におけるセンスの定義は、数値化できない事象を最適化すること)
写真における客観的視点とは?
これを写真で考えるとどういうことなのかを必死に考えてみました。
写真を撮る上で客観視という観点はかなり重要と感じます。 なぜなら写真もファッションと同様に「人に評価されるもの」であるため。
コンテストに自分の作品を提出する、クライアントの要望通りに写真を撮る、展覧会を開いて他人の目に晒される。
「上手くなりたい」という感情を持ち続ける限り、写真というアクティビティは常に「評価」と闘い続ける宿命を持っていると言えます。 (自分の好きなように撮って楽しむ場合は別にするとして)
私が特にそれを強く感じるのは、自分が全身全霊をかけ良いと思ってアップした写真よりも、 そうでない何気なしにアップした写真のほうが評価が高かったときです。
これは、自分が良いと思い込んだ写真がいつも他人にとって良いわけではないということ。
つまり「思い込み」で続けていたのではいつもよい評価を得られるわけではないことを意味しているわけですね。
だからこそ自分の写真を常に客観視し、評価に晒し、評価される他者と比べて何が違うのかを追求し続けていくことが重要なのだと思います。
ちなみにこれ、自分ではそうでもないと思ったけれど意外と評価が高かった写真です。
このような写真で何が良かったかを振り返り、客観的な「知識」として集積していくことが自分のセンスを上げる近道になるんだろうなと思います。
これを撮影したときの自分には「解像度」や「ピント」ばかりを追求することが良いという「思い込み」があり(もちろん構図なども考えていましたが)、 この写真はそこまで解像感を感じず、目を見張るほどの奥行きを感じるほどピントが合っているとも感じなかったため自己評価は低い作品でした。
一方でコメントからわかるように、構図右上から射し込む光とそれが作る光芒、そしてそれに照らされて染まった木の葉の鮮やかさが評価されたことがわかります。
光は一瞬、そのときににしかないもの。このことからの学びは、フォトグラファーは一瞬を切り取る者でなければならないということ。
効率よく知識を増やす三つのコツ
さて、既にこれまでの記述でセンスを磨くには「客観的な集積していく」、そして「普通を知る」必要がるとといった抽象的な方針は決まりましたね。 本書ではそれらを進めるコツについて「効率よく知識を増やすコツ」という形で紹介されているので、一つずつ見ていきたいと思います。
①王道から解いていく
「王道のもの」とは、製品によっては「定番のもの」「一番いいとされているもの」「ロングセラーになっているもの」と言い換えることができるかもしれません。
所謂自転車のパーツだと王道は世界一のシェアと信頼性を誇るSHIMANOになると思うのですが、何故王道から始めるのがよいのでしょうか。
本書で定義付けているセンスのよさとは、「数値化できない事象の良し悪しを判断し最適化する能力」。 王道ものは必ず、その最適化プロセスを経た上でいまに存在しています。 ゆえに王道のものを知ることで、そのジャンルの製品を最適化する際の指標ができるのです。
つまり、王道、言い換えれば無難なラインを知ることで、最適化するためのベースを作るということのようです。
しかし、王道を知ろうとした場合、自分のよく知っているジャンルのものならすぐに頭に浮かびますが そうでないジャンルで考えるとなかなか難しい気がします。
その商品が王道たり得る根拠を求め、調べるプロセスにおいて、いくつもの取捨選択をします。 結果、「王道」を見つけたときには、そのジャンルにまつわる幅広い知識も得ており、 その商品を王道とした理由だけでなく、「なぜ別のBという商品を王道として認定しなかったのか」についても語れるようになっているはずです。
これが意味するのは、「王道を見つけるのに近道はない」ということなのではないでしょうか。
「王道」を見つけるために様々なものを調査し、知識を吸収し、あるとき立ち止まると自分の中ではそのジャンルにおける「王道」、つまり「普通」(文中では名言されていませんが)がわかる状態、つまり数値化できない対象を最適化できるようになっているということなのかと。
例えばあるジャンルの写真(ポートレートとか。ちょっと幅が広すぎるけど。。)が上手くなりたいと思ったら、ひたすら他人の撮ったその写真を観てみる。 本を読んでみる。人に聞いてみる。といったことを繰り返し、集積していくしかないということでしょうか。
どうすればそれを継続できるのか、具体的な方法論はまた別の話になると思います。
この本はどちらかというと、マインド的な部分について語っていると言えるでしょう。
②今、流行しているものを知る
流行しているものの多くはたいてい、一過性のもの。 しかし、王道と流行のものの両方を知っておくことで、知識の幅を一気に広げられます。
流行を知ると知識の幅が広がるということですが、どう広がるかは書かれていませんでした。
しかし流行を知ることは非常に重要だと私は考えています。
なぜなら、前述したように写真は常に評価に晒されるものだから。
流行というのは発端がどうあれそれだけ多くの人が追っているということ。
ということは、それだけ多くの人に見られるということでもあり、評価の機会を増やす、もしくは得やすいということでもあるわけです。
写真で流行の例を挙げるとすると、一つは季節柄毎年来るもの、春の桜やネモフィラがありますよね。
またそれとは別に何かが起因となって爆発的に流行になった一過性のもの。 例としてはよろしくないですがノートルダム大聖堂が全焼したことで、その前の綺麗な姿の写真をアップする人が増えたとか。。
そういったものはSNSを追っていれば自然と目にしますが、目にしたときにどのように自分に記録しておくかが重要な気がします。 ◯月はネモフィラ、◯月はチューリップとか。 あとはこういう事件が起きたとき人は行動するという人間の心理をメモしておくとか(これは賛否両論だと思うけど)。
③「共通項」や「一定のルール」がないか考えてみる
分析したり解釈することで、自分なりの知識に精製するというプロセスです。
これは割と書いてあるままのことですね。
写真で考えると、流行している写真だとか、王道たる写真、長く愛され続けたり多くの人に撮られ続ける写真には何らかの「共通項」や「ルール」があるということ。
以前このブログでも取り上げたテンプレ構図もその最たるものだし、
ライブハウス撮影方法やパート3で止まっている工場夜景撮影の方法なんかもある意味向上を美しく撮影するための「ルール」なわけです。
weekendcycler.hateblo.jp weekendcycler.hateblo.jp
これらを知ることで、自分の中で「普通(王道)」や「流行」を定式化して活用できるようになるということだと思います。
これについては、ある目的に従い(例えばこのジャンルの写真を上手く撮れるようになりたいというモチベーションのもと)、 「共通項」や「ルール」を見つけるつもりで様々なものを見るとより一層習得が早まる気がします。
おわりに
この本を数週に渡って読みこみながら、書かれているマインドがどう写真撮影に昇華できるのか考えてきました。
結果思ったのは「やるしかない」部分が大きいなということ。何にしてもそうかなと思います。 けど、意識して取り組めばセンスは身につく。
あとはこれらのコツをどう実践していくか、具体的な落として考えなければいけないですね。。
水野学 著「センスは知識からはじまる」を読んでみた その②
前回は、センスという言葉について僕が抱いていたイメージ(センスとは生まれ持った資質である)と、 それを覆す可能性がある本「センスは知識からはじまる」について少しだけ紹介しました。
今回は本の中身で気になった部分について、写真を撮るという観点でどのような考え方ができるのか? を感想を交えつつ書いていきたいと思います。
センスの定義
本書では、センスは以下のように定義されています。
センスとは、数値化できない事象を最適化すること
「センスのよさ」とは、数値化できない事象の良し悪しを判断し、最適化する能力である
例えばテストはどうでしょうか。絶対的な解答が存在し、回答の正誤によって点数が決まるようなテストであれば数値化はできます(それで学力が決まるかと言うと微妙ですが)。
陸上競技の短距離など絶対的なタイムによって順位が付けられるものも数値化できる。
一方で「ある写真の良さ」は数値化するのが難しいですよね。撮影したからと言って、何らかの得点が出るわけではない。 しかしその写真を観た人が何らかの尺度をもってその写真を「良い」とか「悪い」とか言う。
数値化はできないが、確かに「良し悪し」が存在しているわけです。
そういった数値化できないものの良し悪しを判断できる、というのがセンスの定義のうちの一つということになります。
ではもう一つの「最適化」とは何を指すのでしょうか?
おしゃれもかっこよさもかわいらしさも、数値化できません。 しかしそのシーン、そのときに一緒にいる人、自分の個性に合わせて服装の良し悪しを判断し、最適化することはできます。 それを「かっこいい、センスがいい」と言うのです。
本書ではファッションに例えて解説されていますが、これはつまりこういうことなのではないかと。
「ある環境において、より最適な組み合わせを選択すること」
この「ある環境において」というのが非常に重要なのではないかと思います。
例えばパーティーに同行する相手の男性のスーツのネクタイの色がこれだから、自分のドレスの色はこれにしよう。 自分の体型はこんな感じだから、ドレスの形状としてはこういうのが適している、とか。
「ある環境において」、つまり「周囲の環境と自分の状態を突き合わせて」最適な組み合わせを選ぶことができる能力。
それが「センスがある」ということだと言っていると僕は読み取りました。
これが写真だとどうなるかというと、例えば以下のようになると思います(好みにもよりますが)
のように、被写体や天気、その他様々な条件と自分の機材の状態などから総合的に判断し「適切」な撮影(露出や構図)・現像方法を選択するといういことになると思います。
まず「普通を知ること」が必要
本書では、センスのいい商品を作るためには「普通」という感覚が重要であると述べられています。
普通こそ、「センスのいい/悪い」を測ることができる唯一の道具なのです。
なぜ「普通」が重要なのでしょうか?
普通とは、「いいもの」がわかるということ。 普通とは、「悪いもの」もわかるということ。 その両方を知った上で「一番真ん中」がわかるということ。
つまり、「普通」は「いいもの」と「悪いもの」がわかってないとわからないということ。
そして、「いいもの」と「悪いもの」が判断できて、「普通」がわかるようになっている状態こそ「センスがある」状態であるということに他ならないというわけです。
例えば写真をRAW現像するとき、彩度や露出、ホワイトバランスなどのスライダーを微調整しながら自分の理想の絵に近づけていきますよね。
このスライダーを思いっきり端まで動かすと、そりゃ見れたもんじゃない写真になるわけです。
これが所謂「悪いもの」の例の一つになるでしょうか。 他には、ホワイトバランスの調整で人間の目で見て白いものが緑になってしまったとか、コントラストがなさすぎてのっぺりとした気持ち悪い絵になってしまったとか。
こういった「悪い」例や、一般的に評価されている写真の「良い」例、それらの何が良くて何が悪いのかがわかって初めて中間であるところの「普通」がわかり、そこから適材適所で好きに自分のパラメータを振っていくことで「センスのある」写真を作れるようになる。
ということなのかなと。
「普通」を知っていれば、ありとあらゆるものが作れるということです。
今日はここまで。。今日で終わらせるつもりでしたが意外と長く続きそうですね。
ちなみにここまで全体の進捗20p/183p…
それでこんなに書けるということは、それだけ自分の中でこれまで考えてきたことと本に書いてあることに交わる道があるということなんでしょうね。
水野学 著「センスは知識からはじまる」を読んでみた その①
センスという言葉を使うとき、僕はものすごくセンシティヴになります。言い換えれば、気を揉まれると言えばいいか。
僕が「センス」という言葉に対して抱くイメージ
この「センス」という言葉は「センスがある」みたいな使われ方をよくしますよね。
例えば、「君はファッションのセンスがある」だとか「センスのいいプレゼントをありがとう」みたいに、 「何かを選別することに対する力の高さ」をうまい具合に包括する言葉として使われているように思えます。
一見プラスに見えるこの言葉は確かにプラスなのですが、一方で僕はこんなイメージを抱いてきました。
センスとは、生まれ持ったものであると。
圧倒的なセンスに押しつぶされそうになる世界
インターネットが発達し、SNSが生まれ、クリエイター達がより簡単に自分の作品を世に伝えることができる世界になりました。
日々ものすごい勢いでコンテンツが消費されていくのを感じています。
そんな中、僕も自分自身の個としての存在意義を確立させるべく自分の写真をアップし続けてきました。
それ続けていくうちに漠然と感じていて、やがて確信に変わっていったことがあります。
それは勘違いかもしれないが信じればそこにあるもの。
それは幽霊のような思い込みのようなもの。
それは自分の中にしかないのかもしれないが、どうやら自分以外の他人の中にもあるもの。
それは「圧倒的に強い『センスのある』人が勝つ」という真実です。
世界には、素晴らしい作品を撮り続ける人が沢山います。
インターネットはそんなすごい人達と僕との間の距離をたいへん短くしたこともあり、日々そんな方々の写真が沢山僕の前に流れてきます。
そんな作品を目にしたときの第一印象は、とにかく「すごい」。 そして次に思うのは、「自分にはこんな写真撮れない」という悔しさや情けなさ。
自分には「センスがない」から撮ることができない。生まれ持ったセンスがないから。
そう考えこんで、圧倒的なセンスに潰されそうになる毎日を送っていました。
正直、この記事を書くこと自体がもう恥ずかしく筆を置きたいぐらいです。
そんな気持ちで日々写真を撮っています。
ただ押し潰されるだけではいられない
そんな中少しでも抗いたいと思っていました。 何でもいいから、自分の生きた残滓を…と。
そこで始めたのが、素晴らしい写真家たちが撮影した写真を観て分析するということ。
とにかく自分にはセンスも知識もなにもないと思っていたので、世にあふれる素晴らしい写真たちからその『技』を学ぶしかないと思いました。
自分が写真を始めたキッカケは、ロードバイクを譲ってくれた方が自転車旅行の過程で撮られた写真がとても素晴らしかったから。
思えば最初はその方が自転車で行かれた場所に行き、似たような写真を撮ることから僕の写真人生は始まりました。
つまり模倣から始まったということになります。
素晴らしい写真も分析してみると、経験則に基づく特殊なタイミングを覗いては基本的な要素の組み合わせであることが多いように思えてきました。
であれば模倣を組み合わせることでオリジナリティを出し、少しでもセンスの重力に打ち勝てるのでは…と。
そこである一冊の本に出会う
そんな記事を書いた矢先、会社の元同期であるchaspy君に勧められたのがこの本、『センスは知識から始まる』という本です。
- 作者: 水野学
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2014/04/18
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この本の帯には、これまで自分を考えてきたことを覆すような衝撃的なことが書いてありました。
”センス”とは、特別な人に備わった才能ではない。それは、さまざまな知識を蓄積することにより「物事を最適化する能力」であり、誰もが等しく持っている。
センスはその人が持って生まれたものではなく、知識の蓄積により身につくものであると。
この知識の蓄積というのは、今自分が実践している「写真の分析」につながるところがあるのではないかと思いました。
であればこそ、その真偽を確かめるために。そして自分はセンスを身に付け得るのかを確かめるためにこの本を手にとったのでした。
ほんとうの「好き」にはかなわない
ここまでの文章を読んで、「人からどう思われたって自分が楽しければそれでいいじゃない」と思った人もいると思います。
その人は、僕が欲して止まない性質を持っていると思います。 ある意味これもセンスと言えるのかもしれませんが、それは
ほんとうの「好き」
です。
例えばある作品がとても好きだからその二次創作を作る方々。
その方々は、もちろん自分自身が評価されたいから作るという側面もあると思いますが、 きっとその作品とキャラクター達が本当に好きだからこそその世界に対する想いを表現してみたくなるというのが大きいのではないでしょうか。
つまり愛です。ほんとうの「好き」ってやつです。
ほんとうの「好き」が生む作品は、ただただ美しい。
なんて眩しいんだろう、ほんとうの「好き」ってやつは…
例えばカメラマンだとしたら、被写体に対する「愛」がそれに値するのではないでしょうか。
僕にもそれはありますが、多分いまは上手くなっていろんな人に好きだと言ってもらいたいと思っています。 それは『ほんとうの「好き」』と比較するとなんとも自分中心の考え方なのです。とても滑稽です。
でもそれが今やりたいことなんですよね。
果たしてこんな考えで人の心に響く写真は撮れるのでしょうか。
この本が道標になるとよいのですが。。続きます。
Rapha Cycling Club メンバーシップを購入してみた
Raphaというブランドをご存知でしょうか?
以前Café du Cyclisteのウェアについて書いたレビュー記事の中で少しだけ登場させた、 イギリスが誇る高品質かつグッドデザインなサイクルウェアブランドです。
カジュアルからクラシック、レーシーなモデルまでカバーし、シューズなども取り揃えたまさに総合サイクルウェアブランドと言っても良いでしょう。
プロチームへの供給は、2013~2016年の4年間は常勝Team Skyに、
今年はEF Education First Pro CyclingとCANYON SRAM Racingにウェアを提供している実績も確かなブランドです。
高品質・グッドデザインということでウェア自体は非常に高価ですが、以下の点から私はとても好きなブランドです。
- 身体にフィットするカッティング
レースモデルはロードバイクに乗って前傾姿勢を取った状態に合うようなカッティングが施されており、腹の布が弛むという現象が起きません。 とにかくバタつくのが好きではない、風の抵抗を減らしたい人にはうってつけのデザイン。
- シンプルイズザベストなデザイン
毎年ほとんどデザインの変わらないシンプルなデザイン。悪く言えば目立ちませんが、それ故に飽きが来ない。長く着れるデザインだと思います。
- 腕の長さがちょうどいい
ヨーロッパ発ということもあり欧米人の体型に合わせて袖が長めの作りになっています。それでいて細身なので、細長い体型の私にとっては好都合です。
- 着心地がとても良い
クラシックシリーズはメリノウールを使っており、非常に着心地がよく快適です。
- アフターサービスが充実
なんとライド中のウェアへのダメージを無料で修理してくれるリペアサービスもあります(一部対象外はあり)。
お高いウェアなので落車して破いてしまうとショックもそれだけ大きくなるわけですがこのサービスのおかげで心配なし。 信じられますか?自分の責任で破いたウェアを修理してもらえるってどういうことなの。。(それを含んだ値段とも考えられるが)
自分も過去に3回ほどリペアに出し、そのうち1回はパッチ当ての修理、1回は修理不可のため新品と交換、もう1回は1万円のバウチャーで対応とかなり手厚いです。
残念ながら現在は一時的に停止になっており、バウチャーのみの対応となっている模様。いずれにしても手厚い。
また、忘れてはならないサービスがもう一つ。ジャージダウンサイズオファーです。
購入から1年以内に限り、使用中に体重が落ちてジャージのサイズが合わなくなった場合に、定価の50%で購入することができるというサービス。
元々乗り込んでいて十分体重が落ちてる人にはあまり関係がないサービスですが、これから乗ろうという人にはモチベーションの維持に良いのではないでしょうか。
ざっと挙げてみましたが、単純に品質のよいウェアを作るだけではなく、アフターケアまで考えた質の高いサービスも同時に提供している素晴らしいブランドだと思います。
そんなこんなで気づいたら家にあふれていたRaphaなのですが、なんと今年はPaul Smithとのコラボジャージを発売することが決定!
実は私はPaul Smithが大好きなのです(似合うかどうかはともかく)。
Paul Smithをちゃんと意識し始めたのは2013年のGiro d'Italia(ジロ・デ・イタリア)でした。
ジロ・デ・イタリア(イタリア語でイタリア一周)は毎年5月に3週間もかけてイタリアを一周する過酷なレースです。
なんと距離にして3,000km以上、しかも間に休息日が2,3日しかないことを考えると凄まじいことがわかります。
ジロ・デ・イタリアには総合優勝含む4賞に専用のジャージが用意されており、2013年大会ではポール・スミス氏が4賞ジャージのデザイナーを務めていました。 www.cyclesports.jp
実はポール・スミス氏は元自転車競技選手だったのですが、 競技中の事故で酷い怪我を負い、そこからデザイナーとしてのキャリアを始めたという経緯があります。
自転車競技をやめてもなお自転車への愛は衰えることなく、色々な縁もあり2003年ついに大レースであるジロ・デ・イタリアのジャージのデザインを担うことになったというわけです。
さてそんなポール・スミス氏デザインのジャージのポイントは左袖の虹色のストライプ。
このストライプは「サイクルストライプ」といい、ポール・スミスが所有してきた自転車のうち、最初の7台の自転車の色を元に生み出されたこのデザイン。 今や様々な服に取り入れられているわけですが、なんと今年のRaphaとのコラボジャージにもこの意匠が取り入れられているんですね!
さて、そんな大好きな2つがコラボレーションするということで手に入れないわけにはいかない今回のジャージなのですが、
なんと今回のコラボ、Rapha Cycling Clubのメンバーしか購入できないということが判明。
さて、ここにきてついにタイトルにもなっているRapha Cycling Club(以下RCC)が出てきました。
しかしその年会費なんと¥22,000なり。。。
ちなみに入ると以下のようなメリットがあります。
- RCC限定製品の購入(Paul Smithのウェアなど)
- Rapha限定製品の優先購入
- ラファ クラブハウスで1日1杯のコーヒーが無料
- CANYONのフラッグシップバイクがレンタル可能
- 専用アプリからライドを検索、参加できる
結構な年会費を払って得られるメリットとして妥当かどうかは人それぞれですが、何が何でもPaul Smithのキットが欲しかった私としては致し方なし。
Rapha公式サイトからRCCメンバーシップを購入したのでした。
Paul Smithに限らず個人的にもう一つ気になったのは、専用アプリからライド検索・参加できるというもの。
私は如何せん自転車乗りの知り合いが少なく、少ない知り合いも家庭を持ち始めて時間が合わないということもあり最近は一人で乗ることが多くなってきました。
そんな中モチベーションも向上させるために、気軽にライドにいける環境を作りたい。。とかねてから強く思っていました。
RCCがそのキッカケになればいいなと思っています。
届いた
無駄にケースがおしゃれでヒモとか付いてる。
メンバーシップはアクティベーションコードとクラブメンバー限定グッズのセットになっており、中身はこんな感じ。
- メンバーズガイド
表にアクティベーションコードの書かれたピンク色の紙が刺さってます。 中身は、RCCメンバーに入ることで得られる恩恵の簡単な説明や、クラブメンバーのインタビュー・エッセイなど。
- オリジナルツールボトル
マットな質感で非常に高級感のあるツールボトル。凹みはRaphaウェアの袖の意匠に似たものを感じます。
ボトルケージに刺したらソッコーで汚れそうで、ちょっと使うのが勿体無い。 ワンポイントのHi-Viz ピンクが良いですな。
- オリジナルタイヤレバー
こちらもRaphaの代名詞であるHi-Viz ピンク一色の目を引くタイヤレバー。 今まで使ってたものと比較するとかなり大きいです。太さ1.5cmくらいある。
ここまで鮮やかあとこれも使うのが勿体無い。。
- キャップ
世界各地のRCC支部(チャプター)のエンブレムが散りばめられたキャップ。ちょっとかわいい。 ちなみに日本はTOKYOとOSAKAにクラブハウス(ショップ+カフェ)があり、チャプターになっています。
レッツアクティベーション
さて、このアクティベーションコードを使って早速メンバーになろうとしたのですが、結論から言うとなれませんでした。
ここでタイトルを見直していただきたいです。
特に、この記事のタイトルが「入会してみた」ではなく「購入してみた」であるところに注目です。
結論から言うと入会できなかったんですね。
アクティベーションコードが届いたのに何故?という疑問が湧くと思いますが、それは私も同じ。
というのも、実際にRaphaの公式サイトからコードを入力し先に進もうとしたところ、以下のような画面が表示されたため。
入力欄に禁止文字(記号とか)を入れたかな?と思い「入力内容を変更して【次へ進む】ボタンを押す」を何度か繰り返してみたものの同じ結果になりました。
埒が明かないのでRaphaのカスタマーサービスに問い合わせたところ、半日経たずと返信が来ました。 毎度のことながらRaphaは対応が早いです。
どうやらシステムに不具合が発生しており数日後に再び更新を試みてほしいとのこと。
Paul Smithジャージの発売はまだまだ先なので気長に待つことにします!(メンバーシップはアクティベーションしてから1年間有効ですし)
アクティベーションできたら追記したいと思います。
今日はここまで。
(ところで今回はテーブルフォトを真面目に撮ってみましたがいかがだったでしょうか?需要があれば記事にまとめようと思います。)
追記(2019/04/08)
数日後ということでしたが、2日後くらいにRaphaカスタマーセンターから復旧完了のメールが届きました。
コードを入力して、無事にアクティベーションも完了。
まずはアプリをインストールして個人データの設定などしてみました。 このアプリからライドの作成・参加ができるので、まずは他のクラブメンバーが作成したライドに参加してみようと思います。
工場夜景の撮り方について語ってみた その③
前回は工場夜景撮影に必要な機材について説明しました。 weekendcycler.hateblo.jp
今回はいよいよ撮影テクニックに入っていきます。
レリーズもしくはセルフタイマーを使う
レリーズとは、カメラ本体(ボディ+レンズ)に触れずにシャッターを切ることができるリモコンのこと。
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- メディア: エレクトロニクス
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セルフタイマーとは、シャッターボタンを押してから決まった秒数(2-10秒)が経過した後に自動でシャッターを切る機能のこと。 よく集合写真を撮影するときに、撮影者自身も写真に入りたい!なんてケースに使われるイメージが強いと思います。
レリーズもしくはセルフタイマーの何れかは三脚を使った撮影には必須となってきます。 (レリーズの機能によってはセルフタイマーを組み合わせることも可能)
なぜなら、シャッターボタンを押したときの力でカメラが揺れることで、撮影された写真がブレてしまうため。
え?そんなに?と思うかもしれませんが、写真でいうとこれぐらいの差が出ます。
セルフタイマー利用(2秒)
セルフタイマー利用(10秒)
シャッターボタン押下
せっかく三脚でカメラがブレないように固定しているのに、シャッターボタンを押す時にブレてしまっては意味がないですよね?
なので、工場夜景撮影では必ずレリーズ利用もしくはセルフタイマーをセットするようにしましょう。
なおセルフタイマーの場合、カメラボディによってセットできる時間が異なると思います。
私の持っているsony a7iiだと2秒または10秒のタイマーをセットできます。 このセルフタイマーにセットする時間には注意が必要です。
というのも、望遠レンズのような長いレンズを使う場合、必然的にシャッターボタンを押した場合のモーメントが大きくなるため揺れの時間も大きく・長くなります。 したがって2秒のタイマーをセットしたからといって、シャッターボタンを押して2秒後に静止する保証はないわけです。
したがって、レンズによっては撮影しつつセルフタイマーの時間を調節するなどの操作が必要になってきます。 無論、レリーズを利用する場合はこの手の心配はなくなります。
思うような写真が撮れず出直すくらいなら、英世を2枚出してレリーズを買ってしまいましょう。
F値の設定
いよいよパラメータの話に入っていきます。 最初はF値の説明から。
前回の記事でF値については大きめに設定する必要があると述べました。
シャープさと奥行きを演出
その理由は2つあり、そのうちの1つは前回述べたように 人工物たる工場の複雑な形状をボケさせることなくシャープに写すため。
500万回くらい言ってますが、F値が小さくなるとピントが合う範囲が狭くなります。 weekendcycler.hateblo.jp したがって、F値を小さくして奥行きのある構造物の先端にピントを合わせた場合、自然と奥側の輪郭はおぼろげになってしまうということになります。
F値が写真にどのような変化をもたらすのか、早速見てみましょう。
以下に挙げる4枚はF値を変更しながら同じ構図で撮影した写真になります。 明るさを少し調整しただけの、ほぼほぼJPEG撮って出しです。
は???全然変わらないやんけ???Weekendcycler何言ってんのお前???
てなった人。私もです()
正直言って意外と変わらなくて焦った。強風の中自転車倒してまで撮りに行く価値あったの?ねぇ?
でも、パッと見ではわからない部分をこだわっていくことにより全体のレベルを少しずつ上げ、チリツモ効果で素晴らしい作品にしていく。
それが写真というもの。。というわけで、しっかりと細かい部分を解説していきますよ!!
(一応違いはあるので、分かりづらい方はPCでリンク先を開いて拡大などしてみてください)
以下が写真の右上あたりにある煙突の部分をトリミングしたものになります。
これまたわかりにくいですが、F2.8とF11を比較するとF2.8の方が全体の輪郭がややぼやけているのがわかりますでしょうか。
今回の被写体はそこまで奥行きがないプラントなので分かりづらいですが、より広範囲のプラントを斜め上から俯瞰で写す時などは顕著になってきます。 (本当はそういう例を載せたかったが。。)
ちなみに、前ボケより後ろボケの方が広範囲に及ぶため、ピント面は最も後ろの被写体に合わせるのがベストです。 (前ボケはピント面より前側、つまり撮影者に近い方にできるボケ、後ろボケはその逆でピント面より後側にできるボケ)
したがってマニュアルフォーカスでの撮影が大前提となります。
工場夜景だと、パイプが密集している奥まった部分などにピントを合わせるとよいと思います。
光条を出す
工場夜景でF値を大きく大きめに設定する理由にはもう一つあります。
それは光条を出すため。
え、工場じゃなくて光条?そう、光条です。
光条とは放射状に伸びた光のことを言います。
前回、点光源がクロス状の光になるクロスフィルターについて説明しました。程度が凄まじいですが、このクロス状の光も光条の一つ。 フィルター無しでここまで凄まじい光条を出すことは不可能に近いですが、 F値をコントロールすることで構図内に存在する点光源の光条の強さをある程度コントロールできます。 (むしろこちらの光条の方が自然)
先程と同じく、F値別の拡大写真を並べてみました。
F2.8ではおぼろげだった点光源(工場の灯り)が、F値が大きくなるにつれ光条がより顕著に出るようになっているのがわかると思います。 F9あたりから顕著になってきて、F11までいくとかなり鋭利な光条になっていますね。
F2.8のようなぼんやりとした点光源よりも、光条がしっかり出ているF11の写真の方がより工場という被写体にマッチしていると私は思います。いかがでしょうか? 工場自体が鋭角な構造物であるため、鋭利な光を持つ光条がよりマッチしているというか。
逆にオレンジ色の灯りが灯る温かみのあるヨーロッパの夜の町並みなんかは、敢えて光条を出さない淡い朧げな光が合っている気がしますね。
まとめ
さて、F値を大きくしたときの工場夜景への変化は以下であるということがわかりました。
- シャープが増し、奥行きが出る
- 光条が顕著になる
これを知った上で改めて4つの写真(トリミングしていないもの)を見ると、なんとなく違いがわかるのではないでしょうか?
結論から言えるのは、光条が目立ち始めるのはF9あたりであるため、
工場夜景を撮影する際は少なくともF9までは絞り、
工場の最奥にマニュアルフォーカスでピントを合わせ、
レリーズ(もしくはタイマー)でシャッターを切る。
というのが私がおすすめする撮影方法です。
今日はこれまで。実は工場夜景の撮影テクニックはこれで終わりではありません。
次回に続きます。
オススメのコンデジについて考えてみた
今週は「工場夜景の撮り方について語ってみた その③」を書く予定だったのですが、ブログ撮影の素材が集まっていないため延期とさせてください。
目下素材を収集中です(工場夜景撮影に最適な季節も過ぎつつある今日このごろ。。)。
今回のトピックはコンパクトデジタルカメラです。
きっかけは最近Twitterで大学の研究室の先輩の以下のツイート。
【緩募】旅行に使えるおすすめのコンデジ
— 現実的な時間で列挙できない (@921603) 2019年3月17日
知り合いがカメラ選びで困っている。。これに答えることができなければカメラマンとしての面目丸つぶれや!
と思ったため、最近のコンデジ事情を調べてみることにしました。
さて、最近はスマホのカメラもすごいですよね。 正直これで十分だろと思うケースも多々あります。
そんなスマホカメラの進化が著しい中、敢えてコンデジを買うことにどんな意味があるか。
まずはそれをハッキリさせなければおすすめコンデジも出てこないでしょう!ということで考えてみました。
敢えてコンデジを買う理由
1. 光学ズームを搭載しているので、ズームしても画質(画素数)が落ちることはない
スマホは殆ど全ての機種はデジタルズーム、つまりトリミングして伸ばす形式なので望遠方向にズームさせると画質が落ちてしまいます。 何故トリミングで画質が落ちるかはこちらの記事を参照していただければと思います。 weekendcycler.hateblo.jp
中には光学ズーム可能な機種もありますが、本体の大きさに物理的な限界があるため組み合わせになります。
2. 外付けストロボや電子ファインダーをつけることができる
ストロボを付けることで、明るく綺麗な写真が撮ることができます。
ストロボとは所謂フラッシュのことで、ここでは外付け可能なフラッシュのことを言っています。
外付け可能なフラッシュは内蔵型と比較し非常に光量が多く、また上下左右に動かして天井や壁にその光を反射させることで、自然な光を作ることができます。 (ほとんどの内蔵フラッシュは前にしか向けられないので不自然な光になる)
またファインダーを付けることで、手持ちでもブレのない写真が撮れる、ピント合わせを追い込めるといったメリットが出てきます。
3. 露出パラメータを調整することで、自分のこだわりを反映した写真が撮れる
例えば以下のようなケースに有効です。
- 三脚で固定し、シャッタースピードを長くすることで綺麗な夜景を撮影
- F値を小さくすることで、人物の背後をボケさせて引き立たせる(一眼に比べるとボケは少ないが) weekendcycler.hateblo.jp
スマートフォンでも露出パラメータを設定できるアプリケーションが存在しますが、そもそもパラメータの幅が狭い(シャッタースピードは最大で3秒とか)ので勝負にはならないと思います。
4. RAW形式で保存できるので、あとで補正の幅が広がる
RAW形式とは、JPEGに変換(圧縮)する前の生データのことです。
データの情報量がJPEGよりも遥かに多いため、後で補正するときに変更できる幅が圧倒的に広くなります。 例えば、一見黒つぶれしている(真っ黒になってしまっている)部分についても、露出補正で明るくするとシルエットが浮きあがってくることがあります。
先輩の条件
どんな写真が撮りたいのか、コンデジで何がしたいのか聞かないことにはおすすめできないので聞いてみました。
- 旅行で使いたい
- モニタはチルト式がよい
- 被写体の優先順位は 風景>人>動物>モノ
- コンデジが良い(ミラーレスは重いからNGとのこと)
- 14万は高い(一応どれくらいの予算があるのか聞いてみた)
候補
コンデジを買う意味と上記の条件とを照らし合わせた結果、以下の機種が浮かんできました。
~¥100,000
SONY DSC-RX100M2 ¥46,480
SONY DSC-RX100M3 ¥55,663
- 180°チルト液晶(画面をレンズの方向に向けられる)
- 電子ファインダー搭載
- M2よりもレンズの性能が高いため、以下のアドバンテージ
- ボケが強い
- 同じ条件の明るさでシャッタースピードをより速くできる(動体がブレない)
- スマホに写真送れる
- マウントがないため、ストロボは付けられない(内蔵フラッシュは付いており、光量は少ないが上に向けることは可能。)
- ズームで風景~人物撮影に適した画角までカバー kakaku.com
RICOH GR2 ¥56,479
- センサーサイズがミラーレス一眼のエントリーと同じであるため、超高精細・高画質
- ズームできない(風景向けの画角のみ)
- 手ぶれ補正なし
- 内蔵フラッシュあり(向きは固定)
- 内蔵ファインダーなし
- ストロボ、ファインダーは外付け可能
- モニターはチルトではない
- スマホに写真送れる kakaku.com
¥100,000~
RICOH GR3 ¥109,350
FUJIFILM X100F ¥105,999
- センサーサイズがミラーレス一眼のエントリーと同じであるため、超高精細・高画質
- ファインダー付き
- 内蔵フラッシュあり。ストロボ外付け可能。
- FUJIFILMならではの「色」が出る
- ズームできない(風景向けの画角のみ)
- スマホに写真転送可能
- 手ぶれ補正なし
- チルト液晶ではない kakaku.com
総評
値段や機能含めるとバランスがいいのはRX100M3かなーという印象。
私自身M2を使っていてかなり良かったです。
いかんせんコンデジなのでボケはお察しですがパンフォーカス(風景とか)は本当によく映ります。購入当時私がハマったきっかけもこれを持っていったイタリアでの写真撮影がかなり捗ったからだったり。
アルノ川の夜(フィレンツェ)
これ全部コンデジです(RAW現像してるけどね)。
M3に関しては液晶はチルトだし、なんとストロボも上を向かせることが可能(これは驚いた)。
画角もちょうどいいところをカバーしており、ファインダーも付いてる。
コンデジなんだけど「写真を撮ることを楽しむ」ための機能が凝縮されていて、実に良いカメラだなと思いました。 敢えて挙げませんでしたがM4とM5は完全上位互換(の認識)なので財布と相談ですね。
先輩にもそのように勧めたところ、なんと購入まで至ったみたいです。
お役に立ててなにより。
正直GRやX100Fを使うなら一眼持ってくかな。。と思いました。あくまで自分ならですが。
35mmは便利だけど、やっぱりモノ撮りもしたい自分としては、歪みが気になるので単体では勝負したくないというのが本音です。
ともあれ、ぜひとも購入された先輩には撮ることを楽しんでほしいところです! (そういえばどこに旅行行くのか聞いてないや。。)
工場夜景の撮り方について語ってみた その②
前回に引き続き工場夜景の撮り方について語っていきます。今回はpart.2です。 weekendcycler.hateblo.jp
前回は工場夜景とは何かから始まり、工場夜景撮影には下調べが重要であると述べました。
part.2の今回は機材編ということで、工場夜景に持っていくべきアイテム3つについて紹介していきます。
三脚
工場夜景を綺麗に撮るためのアイテムのうち、1つ目は三脚です。 三脚は工場夜景に限らず夜景撮影にはマストの機材です。
三脚はその名の通り三本の脚で自立する台のことであり、台にカメラをセットすることで、 カメラを完全に固定させた状態で写真を撮影することができるようになるツールです。
三脚が夜景のマストアイテムである理由は以下の2つです。
- 暗い
- 静物である
これらについて順に説明していきます。
暗いということはつまるところ光が足りないということ。
光が足りない場合、カメラ露出設定を以下のように変更することで明るい写真が撮影することが可能です。 (それぞれの理由については、リンク先にあるライブハウスでの撮影方法の記事を御覧ください。)
- F値を小さくする weekendcycler.hateblo.jp
- シャッタースピードを遅くする weekendcycler.hateblo.jp
- ISOを上げる weekendcycler.hateblo.jp
しかし今回、F値を小さくすることはできません。
なぜなのか。
もう何度も口を酸っぱくするほど言っていますが、F値を小さくするということは、ピントの合う面の範囲が狭くなるということ。
今回撮影するのは夜景、つまり風景写真なので、逆にF値を大きめに設定し、手前から奥までしっかりとピントが合った写真を撮るのがセオリーになります。
特に工場のような複雑な構造を持った建造物であれば尚更それが持つ立体構造の輪郭がしっかり残るため、よりシャープで人工的な印象を与えることができます。 (以下、「表現④: パンフォーカス」参照) weekendcycler.hateblo.jp
逆にF値を小さくしてしまうと、細部がぼやけてしまって全体として締まりのない絵になってしまうというわけです。
したがって、工場夜景では「シャッタースピードを遅くする」もしくは「ISOを上げる」により対応するしかありません。 これらには以下のデメリットがありました。
- シャッタースピードを遅くすると、被写体の動きor撮影者の身体の震えによってブレてしまう
- ISOを上げるとノイズが出てしまう
実は工場夜景においては、三脚を使うことによってこれらの問題を解決することができてしまいます。
どういうことかというと、
そもそも工場は静物(静止したままで活動しないもの)であるため、被写体が動くことによるブレは全く考えなくてよいです。
更に三脚を利用することでカメラ自体が固定されるため、身体の震えによるブレも気にしなくてよくなります。
以上から、三脚を利用するとシャッタースピードを遅くすることで発生するデメリットが全てなくなるため、 好きなだけシャッタースピードを遅くすることができることになるというわけです。
つまり好きなだけ光を取り込めることになるため、ISOを上げて電気的に信号を増幅する必要もなくなります。
したがって、暗い場所で静物を撮影する場合、三脚を利用するとノイズを極限まで抑えつつピントが奥まで合った明るい写真が撮れる、ということになります。
三脚がいかに夜景撮影に重要であるかおわかりいただけたでしょうか?
三脚選びについてはログカメラ様の以下の記事が大変参考になります。 logcamera.com
望遠レンズ
2つ目のアイテムは望遠レンズです。
望遠レンズとは即ち、「遠くの風景を切り取るレンズ」です。 もっと簡単に言うと、望遠鏡のように遠くを写すことができる、また近距離にある被写体を大きく写すことができるレンズということになります。
なぜ望遠レンズが良いかというと、工場は撮影地点から遠い場所にあることが多いためです。 (前回のブログで工場夜景の撮影スポットが紹介されているサイトについて紹介しましたが、このサイトを見られた方は「意外と離れてるところにあるんだなぁ」と思った方も多いかも)
「え、別トリミングすれば良くない?」
と思う方もいると思うのですが、トリミングすると画質が低下してしまうという問題が発生します。
なぜ画質が低下するかを絵で説明してみます。
カメラの位置を変えずに、少し離れた場所にある丘に建つ家を撮影するシチュエーションを考えてみましょう(カメラが家よりでかいとか言わない)。
ここでカメラの撮像素子は4x3の12画素(そんなのありえないけど)、 使うレンズは望遠レンズ(遠くを切り取るレンズ)と広角レンズ(広い範囲を写すレンズ)の2本とします。
望遠レンズで撮影した写真は以下になります。
正方形に区切られた一つのマスが一つの画素に対応し、一つの画素に一つの色が対応します。
したがって、望遠レンズで撮影した方の写真の家は9マスの中に含まれるので9色で表現されることになります。
一方で、同じ地点から広角レンズで撮影した写真は以下のようになります。
望遠レンズの写真と同じ構図になるようにトリミングする場合、ここから点線部分をくり抜いて拡大することになります。
こちらが拡大された写真になります。
この場合、家は1マスの中にしか含まれないため1色で表現されることになります。
以上から、写真の一部分をくり抜いた(トリミング)ものとそうでないものを物理的に同じ大きさにして並べて見た場合、トリミングしたものの方が表現される色の数が少なくなってしまうということになります。
色の数が少なくなるということは、きめ細かいグラデーション表現や明暗が失われてしまうことを意味しており、これではせっかくISOを下げて三脚で撮っているのに台無しになってしまうというわけです。
よって、撮影地点から離れた場所にあるものを綺麗に撮りたい場合は望遠レンズを使うのがベストです(少なくともトリミングしなければ望んだ構図にならない場合は)。
センサーがフルサイズのカメラにおいては、一般的に焦点距離が55mm程度よりも大きいレンズのことを望遠レンズといい、工場夜景では最低でも焦点距離が200mmのレンズを用意しておくことをおすすめします。
クロスフィルター
次に紹介するのは、マストとはいかないまでもあると写真の表現の幅が広がるアイテムである「クロスフィルター」です。
クロスフィルターは、レンズの前面に取り付けることで、点光源(ライトなど、点状の光を発するもの)を交差状の光として煌めかせることができるフィルターになります。 代表的なものは二本の線が直角に交わった十字型ですが、8本の筋が等間隔で出るサニークロス(太陽の光条の形に似ているため)、6本の筋が出るスノークロス(雪の結晶の形に似ているため)などもあります。
Kenko レンズフィルター R-サニークロス 77mm クロス効果用 377222
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Kenko レンズフィルター R-クロススクリーン 77mm クロス効果用 377208
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Kenko カメラ用フィルター PRO1D R-クロススクリーン (W) 77mm クロス効果用 327715
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Kenko レンズフィルター R-スノークロス 77mm クロス効果用 377215
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このフィルターを工場夜景のように点光源が多い夜景で利用するとクロスが大量に構図の中に入ってくるため、より綺羅びやかな印象になります。
並べると一目瞭然ですね。
一見綺麗なサニークロスですが、上のように密集していると逆にごちゃごちゃして見づらくなってしまいます。 そういった場合は敢えて広角側で撮影してスッキリとした図にするのも表現の一つです。
そもそもクロス自体が自然に出た光ではない(そもそもライト自体が人工物なので何とも言えないが)ため違和感があるという場合は利用しないという選択肢もありだと思います。 全ては自分の写真をどう表現したいかです。
さて、今回は工場夜景撮影に必要な以下のアイテムについて説明しました。
- 三脚
- 望遠レンズ
- クロスフィルター
次回はいよいよ工場夜景特有の撮影テクニック(露出パラメータ制御)について紹介していきます。