Weekendcycler

Cycling, taking photographs, and drinking a cup of tea on the weekend

オススメのコンデジについて考えてみた

今週は「工場夜景の撮り方について語ってみた その③」を書く予定だったのですが、ブログ撮影の素材が集まっていないため延期とさせてください。

目下素材を収集中です(工場夜景撮影に最適な季節も過ぎつつある今日このごろ。。)。

今回のトピックはコンパクトデジタルカメラです。

このトピックについて考えた理由は、最近Twitterで大学の研究室の先輩が「【緩募】旅行に使えるおすすめのコンデジ」と呟いていたのに答えようと思ったから。

元々私が写真にハマるキッカケになったのはSONY RX100M2を買ったこと。

なのですが早々に(1年くらいで)フルサイズミラーレス一眼であるSONY a7iiに乗り換え、その世界に魅せられてしまったこともあり長いことコンデジの進化を追えていませんでした。

とはいえ答えることができなければカメラマンとしての面目丸つぶれやないか!

と思ったため、最近のコンデジ事情を調べてみることにしました。

さて、最近はスマホのカメラもすごいですよね。 正直これで十分だろと思うケースも多々あります。

そんなスマホカメラの進化が著しい中、敢えてコンデジを買うことにどんな意味があるか。

まずはそれをハッキリさせなければおすすめコンデジも出てこないでしょう!ということで考えてみました。

敢えてコンデジを買う理由

1. 光学ズームを搭載しているので、ズームしても画質(画素数)が落ちることはない

スマホは殆ど全ての機種はデジタルズーム、つまりトリミングして伸ばす形式なので望遠方向にズームさせると画質が落ちてしまいます。 何故トリミングで画質が落ちるかはこちらの記事を参照していただければと思います。 weekendcycler.hateblo.jp

中には光学ズーム可能な機種もありますが、本体の大きさに物理的な限界があるため組み合わせになります。

2. 外付けストロボや電子ファインダーをつけることができる

ストロボを付けることで、明るく綺麗な写真が撮ることができます。

ストロボとは所謂フラッシュのことで、ここでは外付け可能なフラッシュのことを言っています。

外付け可能なフラッシュは内蔵型と比較し非常に光量が多く、また上下左右に動かして天井や壁にその光を反射させることで、自然な光を作ることができます。 (ほとんどの内蔵フラッシュは前にしか向けられないので不自然な光になる)

またファインダーを付けることで、手持ちでもブレのない写真が撮れる、ピント合わせを追い込めるといったメリットが出てきます。

3. 露出パラメータを調整することで、自分のこだわりを反映した写真が撮れる

例えば以下のようなケースに有効です。

スマートフォンでも露出パラメータを設定できるアプリケーションが存在しますが、そもそもパラメータの幅が狭い(シャッタースピードは最大で3秒とか)ので勝負にはならないと思います。

4. RAW形式で保存できるので、あとで補正の幅が広がる

RAW形式とは、JPEGに変換(圧縮)する前の生データのことです。

データの情報量がJPEGよりも遥かに多いため、後で補正するときに変更できる幅が圧倒的に広くなります。 例えば、一見黒つぶれしている(真っ黒になってしまっている)部分についても、露出補正で明るくするとシルエットが浮きあがってくることがあります。

先輩の条件

どんな写真が撮りたいのか、コンデジで何がしたいのか聞かないことにはおすすめできないので聞いてみました。

  • 旅行で使いたい
  • モニタはチルト式がよい
  • 被写体の優先順位は 風景>人>動物>モノ
  • コンデジが良い(ミラーレスは重いからNGとのこと)
  • 14万は高い(一応どれくらいの予算があるのか聞いてみた)

候補

コンデジを買う意味と上記の条件とを照らし合わせた結果、以下の機種が浮かんできました。

~¥100,000

  1. SONY DSC-RX100M2 ¥46,480

    • 私のデジタルカメラデビュー機(5年前のモデル)
    • スマホ超えを狙うなら、これがスタートライン(それぐらい今のスマホはすごい)
    • コンデジにしては大きめのセンサーを持つ(高画素、高精細)
    • チルト液晶は90°まで。画面が地面に対して上向き水平になるのが限界。
    • 電子ファインダー、ストロボをつけられるマウントが付いている(内蔵フラッシュは付いてる)
    • スマホに写真送れる
    • ズームで風景~人物撮影に適した画角までカバー(ここでは焦点距離がフルサイズ換算で35mmあれば風景OK、70mmあればポートレートOKとしている) kakaku.com
  2. SONY DSC-RX100M3 ¥55,663

    • 180°チルト液晶(画面をレンズの方向に向けられる)
    • 電子ファインダー搭載
    • M2よりもレンズの性能が高いため、以下のアドバンテージ
    • スマホに写真送れる
    • マウントがないため、ストロボは付けられない(内蔵フラッシュは付いており、光量は少ないが上に向けることは可能。
    • ズームで風景~人物撮影に適した画角までカバー kakaku.com
  3. RICOH GR2 ¥56,479

    • センサーサイズがミラーレス一眼のエントリーと同じであるため、超高精細・高画質
    • ズームできない(風景向けの画角のみ)
    • 手ぶれ補正なし
    • 内蔵フラッシュあり(向きは固定)
    • 内蔵ファインダーなし
    • ストロボ、ファインダーは外付け可能
    • モニターはチルトではない
    • スマホに写真送れる kakaku.com

¥100,000~

  1. RICOH GR3 ¥109,350

    • GR2の後継機(出たばっか)
    • 内蔵フラッシュなし(向きは固定)
    • タッチパネル対応(オートフォーカススマホ感覚で合わせられる)
    • センサーサイズがミラーレス一眼のエントリーと同じであるため、超高精細・高画質
    • 手ぶれ補正あり(ストロボを使えない暗めの場所で手持ちで撮る必要があり、シャッタースピードが長めに設定される場合のブレをかなり軽減)
    • ズームできない(風景向けの画角のみ)
    • ストロボ、ファインダーは内蔵していないが外付け可能
    • Bluetoothを搭載しており、スマホと常時接続で写真を送ったりできる
    • モニターはチルトではない kakaku.com
  2. FUJIFILM X100F ¥105,999

    • センサーサイズがミラーレス一眼のエントリーと同じであるため、超高精細・高画質
    • ファインダー付き
    • 内蔵フラッシュあり。ストロボ外付け可能。
    • FUJIFILMならではの「」が出る
    • ズームできない(風景向けの画角のみ)
    • スマホに写真転送可能
    • 手ぶれ補正なし
    • チルト液晶ではない kakaku.com

総評

値段や機能含めるとバランスがいいのはRX100M3かなーという印象。

私自身M2を使っていてかなり良かったです。

いかんせんコンデジなのでボケはお察しですがパンフォーカス(風景とか)は本当によく映ります。購入当時私がハマったきっかけもこれを持っていったイタリアでの写真撮影がかなり捗ったからだったり。

レダン館(ヴェネツィア

Ca' Loredan by weekendcycler1015 on 500px.com

リアルト橋からカナル・グランデを臨む(ヴェネツィア

Dusk of Canal Grande by weekendcycler1015 on 500px.com

カナル・グランデの夜明け(ヴェネツィア

Dal ponte di Rialto by weekendcycler1015 on 500px.com

アルノ川の夜(フィレンツェ

Ponte Santa Trinita by weekendcycler1015 on 500px.com

これ全部コンデジです(RAW現像してるけどね)。

M3に関しては液晶はチルトだし、なんとストロボも上を向かせることが可能(これは驚いた)。

画角もちょうどいいところをカバーしており、ファインダーも付いてる。

コンデジなんだけど「写真を撮ることを楽しむ」ための機能が凝縮されていて、実に良いカメラだなと思いました。 敢えて挙げませんでしたがM4とM5は完全上位互換(の認識)なので財布と相談ですね。

先輩にもそのように勧めたところ、なんと購入まで至ったみたいです。お役に立ててなにより。

正直GRやX100Fを使うなら一眼持ってくかな。。と。あくまで自分ならね。

35mmは便利だけど、やっぱりモノ撮りもしたい自分としては、歪みが気になるので単体では勝負したくないというのが本音です。

ともあれ、ぜひとも購入された先輩には撮ることを楽しんでほしいところです! (そういえばどこに旅行行くのか聞いてないや。。)

工場夜景の撮り方について語ってみた その②

前回に引き続き工場夜景の撮り方について語っていきます。今回はpart.2です。 weekendcycler.hateblo.jp

前回は工場夜景とは何かから始まり、工場夜景撮影には下調べが重要であると述べました。

part.2の今回は機材編ということで、工場夜景に持っていくべきアイテム3つについて紹介していきます。

三脚

工場夜景を綺麗に撮るためのアイテムのうち、1つ目は三脚です。 三脚は工場夜景に限らず夜景撮影にはマストの機材です。

三脚はその名の通り三本の脚で自立する台のことであり、台にカメラをセットすることで、 カメラを完全に固定させた状態で写真を撮影することができるようになるツールです。

三脚が夜景のマストアイテムである理由は以下の2つです。

これらについて順に説明していきます。

暗いということはつまるところ光が足りないということ。

光が足りない場合、カメラ露出設定を以下のように変更することで明るい写真が撮影することが可能です。 (それぞれの理由については、リンク先にあるライブハウスでの撮影方法の記事を御覧ください。)

しかし今回、F値を小さくすることはできません。

なぜなのか。

もう何度も口を酸っぱくするほど言っていますが、F値を小さくするということは、ピントの合う面の範囲が狭くなるということ。

今回撮影するのは夜景、つまり風景写真なので、逆にF値を大きめに設定し、手前から奥までしっかりとピントが合った写真を撮るのがセオリーになります。

特に工場のような複雑な構造を持った建造物であれば尚更それが持つ立体構造の輪郭がしっかり残るため、よりシャープで人工的な印象を与えることができます。 (以下、「表現④: パンフォーカス」参照) weekendcycler.hateblo.jp

逆にF値を小さくしてしまうと、細部がぼやけてしまって全体として締まりのない絵になってしまうというわけです。

したがって、工場夜景では「シャッタースピードを遅くする」もしくは「ISOを上げる」により対応するしかありません。 これらには以下のデメリットがありました。

  • シャッタースピードを遅くすると、被写体の動きor撮影者の身体の震えによってブレてしまう
  • ISOを上げるとノイズが出てしまう

実は工場夜景においては、三脚を使うことによってこれらの問題を解決することができてしまいます。

どういうことかというと、

そもそも工場は静物(静止したままで活動しないもの)であるため、被写体が動くことによるブレは全く考えなくてよいです。

更に三脚を利用することでカメラ自体が固定されるため、身体の震えによるブレも気にしなくてよくなります

以上から、三脚を利用するとシャッタースピードを遅くすることで発生するデメリットが全てなくなるため、 好きなだけシャッタースピードを遅くすることができることになるというわけです。

つまり好きなだけ光を取り込めることになるため、ISOを上げて電気的に信号を増幅する必要もなくなります

したがって、暗い場所で静物を撮影する場合、三脚を利用するとノイズを極限まで抑えつつピントが奥まで合った明るい写真が撮れる、ということになります。

三脚がいかに夜景撮影に重要であるかおわかりいただけたでしょうか?

三脚選びについてはログカメラ様の以下の記事が大変参考になります。 logcamera.com

望遠レンズ

2つ目のアイテムは望遠レンズです。

望遠レンズとは即ち、「遠くの風景を切り取るレンズ」です。 もっと簡単に言うと、望遠鏡のように遠くを写すことができる、また近距離にある被写体を大きく写すことができるレンズということになります。

なぜ望遠レンズが良いかというと、工場は撮影地点から遠い場所にあることが多いためです。 (前回のブログで工場夜景の撮影スポットが紹介されているサイトについて紹介しましたが、このサイトを見られた方は「意外と離れてるところにあるんだなぁ」と思った方も多いかも)

「え、別トリミングすれば良くない?」

と思う方もいると思うのですが、トリミングすると画質が低下してしまうという問題が発生します。

なぜ画質が低下するかを絵で説明してみます。

カメラの位置を変えずに、少し離れた場所にある丘に建つ家を撮影するシチュエーションを考えてみましょう(カメラが家よりでかいとか言わない)。

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撮影シチュエーション

ここでカメラの撮像素子は4x3の12画素(そんなのありえないけど)、 使うレンズは望遠レンズ(遠くを切り取るレンズ)と広角レンズ(広い範囲を写すレンズ)の2本とします。

望遠レンズで撮影した写真は以下になります。

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望遠レンズで撮影した写真

正方形に区切られた一つのマスが一つの画素に対応し、一つの画素に一つの色が対応します。

したがって、望遠レンズで撮影した方の写真の家は9マスの中に含まれるので9色で表現されることになります。

一方で、同じ地点から広角レンズで撮影した写真は以下のようになります。

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広角レンズで撮影した写真

望遠レンズの写真と同じ構図になるようにトリミングする場合、ここから点線部分をくり抜いて拡大することになります。

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点線部分をトリミングして拡大する

こちらが拡大された写真になります。

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トリミングしてから拡大された写真(広角レンズで撮影)

この場合、家は1マスの中にしか含まれないため1色で表現されることになります。

以上から、写真の一部分をくり抜いた(トリミング)ものとそうでないものを物理的に同じ大きさにして並べて見た場合、トリミングしたものの方が表現される色の数が少なくなってしまうということになります。

色の数が少なくなるということは、きめ細かいグラデーション表現や明暗が失われてしまうことを意味しており、これではせっかくISOを下げて三脚で撮っているのに台無しになってしまうというわけです。

よって、撮影地点から離れた場所にあるものを綺麗に撮りたい場合は望遠レンズを使うのがベストです(少なくともトリミングしなければ望んだ構図にならない場合は)。

センサーがフルサイズのカメラにおいては、一般的に焦点距離が55mm程度よりも大きいレンズのことを望遠レンズといい工場夜景では最低でも焦点距離が200mmのレンズを用意しておくことをおすすめします

クロスフィルター

次に紹介するのは、マストとはいかないまでもあると写真の表現の幅が広がるアイテムである「クロスフィルター」です。

クロスフィルターは、レンズの前面に取り付けることで、点光源(ライトなど、点状の光を発するもの)を交差状の光として煌めかせることができるフィルターになります。 代表的なものは二本の線が直角に交わった十字型ですが、8本の筋が等間隔で出るサニークロス(太陽の光条の形に似ているため)、6本の筋が出るスノークロス(雪の結晶の形に似ているため)などもあります。

Kenko レンズフィルター R-サニークロス 77mm クロス効果用 377222

Kenko レンズフィルター R-サニークロス 77mm クロス効果用 377222

Kenko レンズフィルター R-クロススクリーン 77mm クロス効果用 377208

Kenko レンズフィルター R-クロススクリーン 77mm クロス効果用 377208

Kenko カメラ用フィルター PRO1D R-クロススクリーン (W) 77mm クロス効果用 327715

Kenko カメラ用フィルター PRO1D R-クロススクリーン (W) 77mm クロス効果用 327715

Kenko レンズフィルター R-スノークロス 77mm クロス効果用 377215

Kenko レンズフィルター R-スノークロス 77mm クロス効果用 377215

このフィルターを工場夜景のように点光源が多い夜景で利用するとクロスが大量に構図の中に入ってくるため、より綺羅びやかな印象になります。

並べると一目瞭然ですね。

  • サニークロスなし 20190210-DSC02601-2

  • サニークロスあり 20190210-DSC02599

一見綺麗なサニークロスですが、上のように密集していると逆にごちゃごちゃして見づらくなってしまいます。 そういった場合は敢えて広角側で撮影してスッキリとした図にするのも表現の一つです。

20190210-DSC02598

そもそもクロス自体が自然に出た光ではない(そもそもライト自体が人工物なので何とも言えないが)ため違和感があるという場合は利用しないという選択肢もありだと思います。 全ては自分の写真をどう表現したいかです。

さて、今回は工場夜景撮影に必要な以下のアイテムについて説明しました。

  • 三脚
  • 望遠レンズ
  • クロスフィルター

次回はいよいよ工場夜景特有の撮影テクニック(露出パラメータ制御)について紹介していきます。

工場夜景の撮り方について語ってみた その①

今週からは連続で工場夜景の撮り方について説明していきます。

Different world by weekendcycler1015 on 500px.com

工場夜景の美しさ

20190210-DSC02601-2 夜中に煌々と光る無数のライト、立ち上がる煙。そして鳴り響く重低音。

我々が寝静まった後も止まらず昼夜関係なく、何かを飲み込んではまた別の何か生産し続けている…

Glow of the blue by weekendcycler1015 on 500px.com

工場夜景の魅力は、工場の人工物としての無機的な冷たさや美しさと、まるで生きているかのような有機的な怪しさや迫力、美しさが混じり合った部分にあると私は考えています。

今回はそんな夜の工場の写真を綺麗に撮るにはどうすればよいか?に迫りたいと思います。

ちなみにこの記事を書くまで実はろくに考えもしなかったのですが、無数についているライトにはちゃんと意味があるようです。

  • 夜勤に作業する方々の視認性の確保のため
  • 夜間に飛行している航空機などに対し、危険な場所であると知らせるため
  • 夜間に液漏れなどを視認するため
  • 防犯カメラの視認性を上げるため

などなど。 作業や防犯、安全確保のために点けられた灯りがイルミネーション的な感覚で楽しまれているというのは面白いところですね。

って、それは都市部の夜景(社畜が生み出す光)も同じか。。みんなクリスマス・イヴの夜景には敬意を払おうな!!

何はともあれ下調べ

全ての写真撮影において言えることですが、下調べをしておくに越したことはないです。

工場夜景に関しては、検索すると親切にも撮影スポットをまとめたサイトも出てきます。 yakei.tw

「工場夜景ガイド」にはこの画角で撮るとこんな写真が撮れるぞということまで書いてありまず(正直言って親切すぎる)。

撮影スポットの情報がここまで公開されているのはすごいことだと思います。

というのも、本来撮影スポットを公開するメリットというのは、公開する本人にはほとんど存在しないため。

なぜなら、公開してしまうと人が集まりすぎたり、私有地に入り込んだりして近隣住民に迷惑をかけるといった公害が発生し、結果として立ち入り禁止になってしまい、二度とそこで写真を撮れなくなってしまうこともしばしば。

北海道の美瑛なんか有名ですし(公式サイトに書いてあるレベル)、似たような話が定期的にTwitterでもよく話題になっていますよね。 town.biei.hokkaido.jp

自分がカメラマンとしてマナーを守っていても、他の誰かが守らないと自分まで割りを食ってしまう可能性があるというわけです。このような事態になるのを避けるためにも、なるべく公開はしたくないですよね。

また、カメラマンにとって「撮影スポットを公開する」ことは自らの手の内をバラしてしまう行為でもあります。

スポットを公開するということは、たくさんの人がそのスポットで写真を撮るようになるということ。

ということは、相対的に自分で撮影した写真の価値が下がってしまうということを意味しています。

これはプロにとっては致命的ですよね。

とはいえ、プロの皆さんもスポットだけではなく経験を含めた写真の腕で勝負しているわけですから、スポットを公開しただけで差が縮まるといわけではないのですが、その可能性を高めてしまうという意味では間違っていないのかなと。

…なんか話が逸れましたね?話がよく逸れるのはこのブログの特徴です!

別に記事の内容を水増ししているわけじゃあないんだからね!勘違いしないでよね!

工場夜景に関しては色々な情報が公開されているわけですが、理由はこんなところでしょうか?

  1. もはや撮り尽くされたスポットのため新規性がない
  2. そもそも工場の周りには民家がない

とはいえ、被写体である工場に近づけず、離れたところが撮影地点になるようなケースでは近隣に迷惑がかかる可能性もあるため、 時間に注意するようにと注意書きがありますね。したがって一概に2.が正しいとも言えないのですが。。

ともかく、幸運にも撮影スポットが公開されているのが工場夜景撮影というジャンル。

これは非常に助かるので、ぜひ工場夜景を撮りに行く方はまず「工場夜景ガイド」で予習してから撮影に行きましょう。

今回はここまで。 次回は撮影に使用する機材について説明します。

ライブハウスでFor Tracy Hydeを撮影してきた 〜ライブハウスで明るく綺麗に撮影する方法〜 その④(最終回)

前回 weekendcycler.hateblo.jp

今回が最終回となります。

これまでの3回で説明した内容を振り返ってみましょう。

ライブハウスは暗いので、

  • F値をなるべく小さくし、カメラ内部に光を多く取り込めるようにする(最小F値が低いレンズだとなお良し)。

ただしF値を小さくすると被写界深度(ピントの合う範囲)が浅く(狭く)なり、ライブのような被写体がよく動く環境では写真がボケてしまう。なので、

  • 置きピンしてから連射する(数撃ちゃ当たる作戦)ことでピントの合った一枚を撮影する。

また、被写体がよく動くライブハウスでは、シャッタースピードが遅いと写真がブレてしまうため、

しかし、シャッタースピードを速くするということは、シャッターを開けている時間を短くすることになるので、光の量が減ってしまう

F値を下げて対応したいところですが、既にF値を限界まで下げている状態。もうこれ以上F値を下げることはできません。 そんなときどうやって対応するか?というのが今回のメインテーマになります。

ISO感度を上げる

のっけから答えを言ってしまいます。 前回紹介した露出の三要素、覚えていますでしょうか?

ですね。

このパラメータのうち、ISO感度を上げると写真は明るく、下げると写真は暗くなります。

したがって、F値を上げてもカバーできない暗さについてはISOを上げていけ、というのがアンサーになるわけですが。。 実はこれ、一筋縄ではいきません。落とし穴があります。

ISO感度を上げるとノイズが出る

何が落とし穴になるかというと、ISO感度を上げるとノイズが出てしまい、写真の鮮明さが失われてしまいます。 つまり、写真が劣化してしまうというわけです。

さて、口でノイズと言ってもわかりにくいと思うのでどのような影響が出るかわかりにくいので、手っ取り早く写真で見てみましょう。

一見わかりにくいですが、ISO25600で撮影した写真の右上あたりにザラザラとした粒子が混じっているのがわかると思います。 これがノイズです。

拡大してみるとその差は一目瞭然です。 20190301-DSC00050 20190301-DSC00051

ISO100の方は背景がとろけるような綺麗なボケになっていますが、ISO25600の背景はざらざらとしています。

20190301-DSC00050-3 20190301-DSC00051-2

チョコボの毛並みがノイズによって全て潰れてしまい、色と明暗の違いくらいしかわかりません。

ついでにシャッタースピードにも注目してください。 ISO100の方が240倍もシャッタースピードが遅くなっていますよね?(6:1/40=250:1)

これは、ISO感度が低い(つまり写真が暗くなる)ため、 カメラのオート機能がよきにはからって適正露出(目で見て自然な明るさ)を出すためにシャッタースピードを遅くしてより多くの光を取り込もうとしているということになります。

デジタルカメラにはISOもオートで設定するモードがあります。 そのモードに設定して暗所で適当に撮影するとISOが自分の意志とは無関係に高めに設定されてしまうこともあり、結果としてノイズだらけの写真が撮れてしまいます

せっかく一眼を使っているのに、ノイズだらけの写真を撮ってしまっては勿体無いです。 ぜひともそのモードはオフにして、ISOを自分で設定できるようにしてください。

ちなみにこのシャッタースピード(6秒)だと確実に手持ちではブレるので、作例は三脚に取り付けて撮影しています。

逆にISO100にてシャッタースピード1/40秒で撮影したらどのような絵になるでしょうか? こんな感じです。

DSC00053

え?なにこれ?って感じですよね。暗くて殆ど何も見えません。

ISOが低い、かつシャッタースピードも速い(1/40秒)状態だと、F値が2.8(このレンズでは最低)でもこんなに暗くなってしまいます

先程の写真では6秒もシャッタースピードがあったため、その分多くの光を取り込めたということになります。

というわけで、暗所でシャッタースピードを速くしたい場合はノイズが目立たない程度の適切なISO感度を設定する必要があるということになります。

適切なISO感度とは?

これはとても難しいですね。 というのも、カメラによってISO感度を上げた時のノイズの出にくさ、つまり「高感度耐性」が異なるからです。

世の中には高感度での撮影に特化した機種も存在します。 kakaku.com

というわけで、どこまでISO感度を上げられるか?というのは公式サイトに載っているわけでもなく万人に明確な答えがあるわけでもなく感覚的な部分が大きいです。

私の実感としては、そのカメラを使いながら掴んでいくしかない部分になる。。という曖昧な答えしか今のところは出せていないです。

とはいえ何らかの指標は出す必要があるため、私の普段の設定を紹介します。

ズバリ、ISOは3200まで。この写真もISO3200で撮影しています。 20181216-DSC01342 しかしこの設定は光が十分ではない上にシャッタースピードを速くしなければいけないライブハウス撮影のみです。 (とはいえこの写真もよく見ると結構ノイズが出てしまっており、スモークが出てるせいでなんとか誤魔化せている感はある)

普段の手持ち撮影はもっぱらISO400~800に設定しています。ブレなどはなるべくホールドや本体の手ぶれ補正でカバーしているというわけですね。

また三脚を使った静物・夜景撮影などではこちらの動きと被写体自体の動きを気にする必要がないため、ISO100に設定して最高画質を目指して撮影する、というように使い分けています。

私のカメラは特別に高感度耐性が高いわけではないので他の機種でも通用する値なのかな。。と思いますが、ぜひ自分のカメラでISOを変えて撮影してみて、どこまでが許容範囲なのか見極めて使っていってほしいです。

敢えてノイズを出す

これは番外編ですが、アレだけ抑えろと言ったノイズを敢えて出していくことで別の表現として昇華させようという話です。

例えばこの写真、ノイズによってレトロな雰囲気が出て味な写真になっていると思いませんか?

20190216-DSC03240

これはISO感度を上げて撮影したのではなく、あとで現像する際にノイズのような粒子効果を上乗せしています。 本末転倒な気もしますが表現方法としてはアリだと思います。

何度も言っていますが、大事なのはその表現で何を伝えたいか?です。

まとめ

全4回に渡ってお届けしてきたライブハウス撮影講座、いかがだったでしょうか?

内容もまとまりきれてなくて実に読みにくかったと思いますが、最後にもう一回おさらいしておきましょう。

ライブハウスは暗いので、

  • F値をなるべく小さくし、カメラ内部に光を多く取り込めるようにする(最小F値が低いレンズだとなお良し)。

ただしF値を小さくすると被写界深度(ピントの合う範囲)が浅く(狭く)なり、ライブのような被写体がよく動く環境では写真がボケてしまう。なので、

  • 置きピンしてから連射する(数撃ちゃ当たる作戦)ことでピントの合った一枚を撮影する。

また、被写体がよく動くライブハウスでは、シャッタースピードが遅いと写真がブレてしまうため、

しかし、シャッタースピードを速くするということは、シャッターを開けている時間を短くすることになるので、光の量が減ってしまう。そこで、

  • ノイズが目立たない程度にISO感度を設定して撮影する。

ということになりますが、ちょっと考えること多すぎない?と思ったアナタ。アナタは正しい。

私はライブ撮影時にこんな感じで撮影パラメータを決めています。

  1. 高速連射モードに設定

  2. カメラを絞り優先オートに設定

  3. F値をそのレンズで設定できる最低値に設定(絞り優先オートはF値を決めるとカメラが勝手にシャッタースピードを決めるので、ここでシャッタースピードも決まる)

  4. ISOを800ぐらいに設定

  5. 置きピンして連射

  6. 出来上がりの写真が暗いもしくはブレているなら、ISO感度を1段上げて(初回は 800 -> 1600)もう一度5.から繰り返し

簡単ですよね?

おわりに

ここまで読んできた方にはわかると思うのですが、カメラってちゃんと撮ろうとするとものすごく考えることが多いのです。

でもそこで手を止めないで欲しいです、

ちょっと極端な言い方になりますが、カメラの仕組みを正しく理解し、自分の意思でパラメータを設定して撮影して初めてデジタルカメラの本当の力を発揮できると私は思います。 逆にそうでなければスマートフォンのカメラで十分だと思うのです。

これはカメラを手にしたばかりの方にはとても難しいことだと思います。私もかつてはそうでした。

しかしそういった方々にも素敵な写真を撮ってほしい。そしてカメラを、写真をもっと好きになってほしい

その想いからカメラ講座の記事を書き続けているというわけです。

これからもよろしくお願いいたします。

最後に。今回写真を撮影させてくださったフォトハイの皆さん、本当にありがとうございました。

何枚か私のお気に入りの写真を貼らせて頂いて仕舞いにします。

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ライブハウスでFor Tracy Hydeを撮影してきた 〜ライブハウスで明るく綺麗に撮影する方法〜 その③

前回 weekendcycler.hateblo.jp

前回の最後に、ライブハウスにて綺麗な写真を撮影するにはまだまだ足りない要素があると言いました。 今回はそのテクニックについて解説していきます。

おさらいすると、ライブハウス撮影の難しさは「暗さ」「被写体が動く」ことにあります。

これまでの記事では、そういった環境で明るく綺麗に撮影するには以下を実施する必要があると述べました。

  • F値をなるべく小さくし、カメラ内部に光を多く取り込めるようにする(最小F値が低いレンズだとなお良し)
  • F値を小さくすると被写界深度(ピントの合う範囲)が浅く(狭く)なるため、置きピンしてから連射する(数撃ちゃ当たる作戦)ことでピントの合った一枚を撮影する

しかしこれだけでは、以下のような写真が撮れてしまうことがあります。

DSC03594

所謂ブレという現象です。

ブレ

ブレには2種類あります。

  1. 手ブレ: 撮影時に撮影者が動くことによって発生するブレ。手ぶれ補正機能の利用またはしっかりとカメラを固定する(脇を締めてホールドする、三脚を利用するなど)ことである程度抑制可能。
  2. 被写体の動きによるブレ: 被写体が激しく動くことによって発生するブレ。カメラの設定によってある程度抑制可能

1.は撮影の瞬間にカメラをしっかりと固定することである程度回避可能ですが、人間は生き物であるため完全に静止することはできません。

止まっているつもりでも心臓は脈打っているし、呼吸するから胸は上下するし、重いカメラを持つ手は常に小刻みに震えています。

また、仮に手ブレをどうにかできたとしても「被写体の動きによるブレ」は自分ではどうにもなりません

以下ではこのブレをどうやって抑制していくか、その方法について説明します。

ブレを抑制する方法①: 被写体の動きが小さいタイミングを狙う

当たり前の話ですが、被写体の動きが激しくないときにシャッターボタンを押して撮影された写真には殆どブレが出ません。

例えばボーカルがマイクに向かって歌っている状態など、(見た目)ほぼ静止しているような状態ですね。

20190216-DSC03622

とはいえ、自分の好きなタイミングで被写体に止まってもらうことはほぼほぼ不可能ですし、そんなことお願いするのは本末転倒というか失礼。 むしろ動きのある中での一瞬を撮りたい場合はこの方法では実現できません。

ブレを抑制する方法②: シャッタースピードを速くする

これが今回の一番重要なポイントです。

被写体の動きによるブレが出てしまう原因は、シャッタースピードが遅いため。これが全てです。

シャッタースピードとは?

ここでカメラの露出設定のうち最も重要なパラメータのうちの一つである「シャッタースピード」について説明します。

以下のスライドにもあるように、露出とはすなわちカメラの撮像素子に対して光を照射することを指します。

この「露出」方法によって撮影される写真は千変万化し、カメラにはその「露出」方法を制御する重要なパラメータがいくつか存在します。

それが、

の3つです。

F値はすでに以下の記事で詳しく説明しています。

weekendcycler.hateblo.jp

ついに今回はもう一つであるシャッタースピードについて説明する時がきました(本当は別の記事で説明する予定だった)。

シャッタースピードとはすなわち「撮像素子を露出させる時間」のことです。

上記のカメラの断面図には描かれていませんが、撮像素子とレンズの間には光を遮る板が存在します。 この板が所謂シャッターです。

撮影者がシャッターボタンを押すことによってシャッターが開いて撮像素子が露出し、再び閉じることによって露出が完了します。

露出時に外部から撮像素子に照射された光によって1枚の写真データが生成されます。

つまり、このシャッターが開いてから閉じるまでの時間が「シャッタースピードというわけです。

シャッタースピードが遅い、つまり長いとどうなるか?ここまで読んできた皆さんならわかるのではないでしょうか。 シャッタースピードが長いということは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間が長い

つまり、撮像素子が露出されている時間が長いということになります。

もうわかりましたよね?シャッタースピードが長くなるほど、多くの光が取り込めるようになるのです。

え、じゃあ暗いところなら尚更遅くしたほうがええやん!と思いがちなのですが。。。 というか、実際オートモードだと暗いところではカメラはシャッタースピードを遅く設定します。

しかしここで思い出してください。シャッタースピードを遅くすると、ブレてしまうのです。 ここからはそのメカニズムについて説明していきます。

例えばシャッタースピードが0.5秒になっている状態を例に話を進めましょう。 これは、ライブハウス程度の暗さでオートモードに設定した際、容易にカメラによって勝手に設定される値です。

例えば陸上のウサイン・ボルト選手は100mを9秒58で走れる記録の持ち主です。 0.5秒でどのくらい進んでいるかというと、(100/9.58)*0.5≒5.23mも移動することになります。 0.5秒で5mは凄まじいスピードですよね。

では0.5秒で5m移動するウサイン・ボルト選手を、シャッタースピードを0.5秒にした固定カメラで撮影しようとするとどうなるか。

俯瞰を図で表現してみました。

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高速で動く点ボ

高速で動く点ボ…じゃなかった、ウサイン・ボルト選手は、上図のように、固定されたカメラの前をシャッターが開いてから閉じるまでに5m進みます。 したがって、ウサイン・ボルト選手が左から右に移動する様が残像のように写真に写ってしまいます。

これがブレの正体です。

ここでシャッタースピードを1/1000秒にしたときのことを考えてみましょう

ウサイン・ボルト選手が1/1000秒間に移動可能な距離は0.01m、つまり1cmとなります。

故に残像は1cmの長さしか発生しないため、写真で見ても殆ど目立たなくなるわけです。

つまり、シャッタースピードを速くすることによって被写体が動いたときのブレが小さくなるということになります。

ちなみに、以下の写真ではシャッタースピード1/30秒かつ手ぶれ補正機能併用にて撮影しています。 20181216-DSC01603 これは殆ど動きがない状態で撮影したためウサイン・ボルト選手級のシャッタースピードは必要ありませんが、激しく動くシーンを撮る場合は必要になってきます。

一方で、敢えてブレを表現として残し、ライブの臨場感を出していくというスタイルもアリです。 今回は敢えて「ブレずに撮る」ことを焦点に当てて説明しているに過ぎないのです。

さて、今回はシャッタースピードを速くするとブレを軽減できることについて説明しました。

一方で途中で言及したように、シャッタースピードを速くすると露出時間が減るため、光を多く取り込めなくなってしまうことについて言及したと思います。

次回はそういった問題についてどのように対応しているか説明します。

おそらく次回が最後かな?

ライブハウスでFor Tracy Hydeを撮影してきた 〜ライブハウスで明るく綺麗に撮影する方法〜 その②

前回

weekendcycler.hateblo.jp

今回はライブハウスでの撮影テクニックについて説明していきますが、その前にライブハウス撮影に難しさについて説明したいと思います。

正直言って、ライブハウスの撮影は難しいです。

わざわざ記事にするのも自分で経験してそう感じたためです。

何故難しいかの結論を言ってしまうと「暗い」上に「被写体が動く」から。 今回はこれらの問題に対してどのように対応していくか解説していきます。

暗い

ライブ撮影を難しくする一番の要因はこれです。暗い。 写真撮影にとって一番重要なのは光です。

以下でも解説している通りです。

デジタルカメラにおいて、写真データはレンズを通した光がボディ内部の撮像素子に当たることで作成されます。

ゆえに、撮像素子に当たる光の量が少ないほど写真は暗くなってしまいます。

ライブハウスのステージはスポットライトで照らされるため明るいと思いきや、意外と暗いです。 比較するとこんな感じ。

晴天の屋外(日中) > 曇天の屋外(日中) > 蛍光灯が付いた屋内 > ライブハウス > 屋外(夜)

というわけで、結構暗いので撮影される写真もおのずと暗くなってしまいます。

単に暗いだけでなく、スポットライトの向きによっては逆光となり、アーティストの姿が真っ黒になってしまうこともしばしば(ライブ開始前のUnderwater Girl)。 20181216-DSC01208

これらはライブが始まる直前のステージを撮ったものです。 20181216-DSC01147

夜明け前を連想する青一色、まさに何かが始まる「黎明」な雰囲気。 20181216-DSC01119 アーティストが自然体な一瞬を捉えているようにも見え、故に個人的に大好きな写真です。 しかし観てわかるようにやはりライブハウスは暗いですよね。

ではそういった環境でも明るく綺麗な写真を撮るためにはどうすればいいのか。 幸いデジタルカメラには暗い場所でも明るく撮れる機能があるので、順に説明していきます。

ライブハウスで綺麗に撮る方法①: F値を小さくする

以前F値について説明する記事を書きましたが、そこでは全く触れなかった重要な性質を説明します。 weekendcycler.hateblo.jp

上記の記事ではF値を小さくすると被写界深度が浅くなる、つまりピントを合わせた面の前後がボケやすくなると言いました。

それだけではなく、実はF値は「写真の明るさ」にも大きく影響します。

結論から言うと、F値を小さくすると写真が明るくなります。

詳しいメカニズムが省略しますが(実はここもかなり重要なのですが、、、語るのはまたの機会に)、レンズには絞り羽根という通過する光の量を調整するための機構があります。

この写真の左のレンズに注目してください。何故紅茶と一緒に撮影したかはつっこまないでください(わかる人にはわかる、今となっては懐かしい今日の紅茶シリーズ)。 DSC09949_trim レンズのガラスの内側に灰色の薄い板のようなものが重なっているのがわかると思います。これが絞り羽根です。

F値を小さくすると絞り羽根が開いて光の通過量が増え

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F1.8
反対にF値を大きくすると絞り羽根が閉じて光の通過量が減ります。
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F22

写真で見ると一目瞭然、F値が1.8(最小)のときは絞り羽根が殆ど見えないぐらい引っ込んでおり、この状態が最も多くの光を通します。

F値最小ではレンズのガラス面が全開になっているため、このようなF値最小の状態を「開放」などと呼びます。

また最小のF値はレンズによって異なり、例えばこのレンズ (55mm単焦点レンズ)の最小F値はF1.8となります。

bbs.kakaku.com

したがってF値が小さいほど明るい写真が撮れるレンズであり、その分値段も高くなります。

目安としては単焦点であればF値2.0以下、ズームレンズであればF2.8以上F4.0未満であればかなり明るい(良い)レンズと言えるでしょう(単焦点やズーム、焦点距離や画角についても当ブログでは全く解説していないため、そのうちやらないとイカンな。。)。

以上から、ライブハウスのような暗い場所で明るい写真を撮るには以下を満たす必要があります。

  • F値を小さくする
  • 明るいレンズ(最小F値が小さいレンズ)を使う

前回紹介した私の使用したレンズは最小F値がF2.8の望遠ズームレンズ。

kakaku.com

ズームレンズの中では最高に明るいレンズということになります(つまり高い)。 これは別にドヤっているわけではなく、クライアントに良い写真だと思ってもらえるよう自分なりに死力を尽くした結果です。 ちなみにブリットポップもこれで撮影してます。私はU-1さんには敬意を払いまくっているのだよ!

こだわりの一足もきちんと撮影。 20181216-DSC01535

ライブハウスで綺麗に撮る方法②: 置きピン+連射

F値を小さくする=明るい写真が撮影できることについて説明しました。 しかしここには大きな落とし穴があるのです。

忘れてはならないF値の重要な性質、それはF値を小さくするとボケる範囲が広がるということ。 そしてライブハウス撮影(というかライブ)のもう一つの問題点、それは「被写体、つまりアーティストが激しく動く」ということ。

これが意味するところは一つ、F値が小さい状態でライブハウスの撮影をすると「ピントがめちゃくちゃ合いにくい」ということ。

被写界深度が浅いため、ピントを合わせて撮ったつもりがシャッターを切った瞬間にアーティストが動いてピント面から外れ、結果としてボケた写真になってしまうという問題があります。

図にするとこんな感じ。

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被写体がピント面からずれる

シャッターを切る直前にはピントが合っていたのに、シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでの間にピントが合う面から被写体がズレてしまい、ボケた写真になってしまう

重要な部分(人間でいうと顔、もっと言うと瞳)にピントが合ってさえすれば、それを観る人は他のボケたところは案外気にならないものです。

したがって、写真撮影においては(ライブ撮影に関わらず)いかに被写体の重要な部分にしっかりとピントを合わせるかが大事になってきます。

それを解決してくれるのが置きピン」と「連射」です。

「連射」とは、シャッターボタンを押している間写真を連続で取り続けてくれる機能です。 最近はiPhoneのシュババババババみたいな連射音を耳にする機会も多いので、だいぶ身近になったのだと思います。

そして置きピン、こちらは聞き慣れないワードだと思います。 置きピン」とは、「ピント」を「置いておく」こと

もっと言うと、被写体が来る場所を予想して、その場所にMF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせておく技術のことです。 したがって、置きピン」しておいて、被写体が通り過ぎる瞬間を狙ってシャッターを切れば、見事ピントの合った写真が撮れるわけです。

いやいやちょっと待てよと。そもそも被写体がちょうどその場所に来る一瞬のタイミングでピントが合わせられるわけないだろと。

その通りです。そこで置きピン」と前述した「連射」を組み合わせるわけです。

やり方は非常に簡単。

置きピン」でピントを合わせておいて、後はひたすら「連射する」。つまり「数撃ちゃ当たる」作戦です。

例えば、自転車レースやマラソンなどで走っている人を前から撮るケースを例に上げてみましょう。 この場合、被写体である選手は手前から自分に向かって近づいてくることになります。

なので、被写体が自分より十分遠い位置にいるときに、シャッターを切りたい場所、つまり自分と被写体の間の任意の位置にMFでピントを合わせ(置きピンし)」置きピン」した場所よりも少しだけ手前の位置に被写体が来たあたりから「連射」を開始し、 置きピン」した場所よりも少しだけ自分側に近づいたあたりで「連射」を止める

絵で表現するとこんな感じ。

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置きピンと連射の合わせ技

このようにすると、撮影された何枚かの写真のうち1枚くらいはしっかりと合うべきとこにピントが合った写真が含まれている、というわけです。 このときカメラはしっかりと固定するように。写真がブレてしまうため。

さて、このように思われた方も多いのではないでしょうか?

「そもそもライブ撮影じゃどこにアーティストが動くか予測できない…。」

これもまた然り。私がライブ撮影で置きピンするときは、とりあえず被写体にピントを合わせた状態から連射を始めます。 割と前後に繰り返し動くことも多いため、動きがそこまで大きくないタイミングを狙えば、被写界深度が浅かったとしてもこの方法で大体上手くいきます。 というか、動きの少ない瞬間をなるべく狙って撮っています。

ぜひ動体撮影の際は「置きピン」と「連射」を試してみてください。

我々カメラマン(というほどの者でもないけど)が撮った写真は、大抵ピントが合うべきところにしっかり合っていますよね。 今回説明したように、それは数撃ちゃ当たるによって撮られた大量の写真から厳選したものに過ぎないわけです。 今回のフォトハイの撮影でも、たった30分間に連射をし続けてゆうに500枚を超える撮影をしていますしかしそのうち見せられると思ったのはたった20枚程度

そんなほんの一握りの奇跡を願ってシャッターを切り続ける、それがカメラの醍醐味とも言えると思います。

そしてその一握りを他の誰かに喜んでもらえたときこそ嬉しい時はありません。 皆さんもぜひそんな一枚を撮ってみてください。

20181216-DSC01281

20181216-DSC01258

さて、今回はここまで。

今回何枚か写真を乗せましたが、実は今日紹介したテクニックだけではまだライブハウスで綺麗な写真を撮るのに十分とは言えません。 次回も引き続き説明していきたいと思います。

ライブハウスでFor Tracy Hydeを撮影してきた 〜ライブハウスで明るく綺麗に撮影する方法〜 その①

昨年For Tracy Hyde(以下フォトハイ)というバンドを撮影する機会に恵まれた。 20181216-DSC01601 写真はVocalのEurekaさん。

fortracyhyde.com

私は楽曲を語る語彙力を持ち合わせていないが、曲を聴いて思い浮かんだ単語は「透明」「煌めき」「スピード感」

記憶から浮かんだイメージは、ロードバイクで走っているときに移りゆく、目の前を通り過ぎていく世界、視界の片隅に映る光や水面の煌めき。そんな場面が次々と目まぐるしく移り変わっていくようなイメージ。

この機会をいただくに至った経緯については最早忘れかけていたのだが、記事のネタを考えているときに段々と思い出してきた。

そうだ、この写真だ。 20181028-DSC00118 この御仁はフォトハイのギターであるU-1さんである。なんと柔らかな表情であろうか。ちなみに写真のタイトルはブリットポップ

私とU-1さんの出会いはウン年前(ゴメン覚えてない)王ドロボウJINGという、大昔にコミックボンボンマガジンZ(THE KING OF BANDIT JING)で連載していた伝説的なコミックを通じてネット上で知り合ったのだった。

王ドロボウJING 1 (コミックボンボン)

王ドロボウJING 1 (コミックボンボン)

それからまぁなんやかんやあって(適当)飲んだり被写体になってもらったり勝手にフリー素材にしたりする関係が続いていた。U-1さんの被写体としての才能はガチ

今回はこのブリットポップを本人の許可なく私が発表資料で利用、つまり無断転載したことに対し私が謝罪し「なんなら今度撮りますよ!」みたいなことを言ったことがキッカケであった。

(ちなみに本人曰くこれもフリー素材なので全く問題なかったとのこと。)

正直、かなり差し出がましいお願いだったと思う。

私はライブでの撮影経験はほぼ皆無であったし、既にお付きのカメラマンがいるような状態(たぶん)でどこの馬の骨ともわからない私を快く受け入れてくださったフォトハイの皆様方には感謝しかない。

そして今回非常に嬉しいと思ったのは、

「Weekendcyclerさんに頼むってことはWeekendcyclerさんの写真が好きってことだし最終的に自分がいいと思う感性は大切にしたほうがいいですね!凝り固まらずに気楽にやっていいと思います!」

とU-1さんに言っていただけたこと。

この言葉を受けて余計凝り固まって挑んだ本番だったわけだが、私としてはそこで非常に良い経験をさせていただいた

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入場券

なので今回はそれを「ライブハウスにおける撮影方法」というテーマで数回に分けてここに書き残しておこうと思った次第である。

というわけでポエムっぽい雰囲気でスタートした今回の記事だが、ここからは打って変わって撮影テクニックの話になる。

ちなみに、今回はこの記事を読んだ方がすぐに撮影に活かせるように手段ベースで説明していく

撮影ポジション

舞台は高円寺Highというライブハウス。

高円寺HighでPhotoを撮る。つまりPhotoHigh(フォトハイ)。なんたる偶然()

フロア全体の俯瞰図はこんな感じ

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高円寺High全体の俯瞰図

図の通り今回はステージ真ん前の柵の内側と観客席、2階の機材席?を行ったりきたりしながら撮影させてもらった。

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バンドおよび私の立ち位置とレンズの向き(点線矢印)
ステージの横の長さは大体10mくらいだろうか。高さはしゃがんだ私がぎりぎり隠れるくらい。

柵の内側での撮影は主に右端と左端のみから実施した。理由は、望遠レンズ(遠くを切り取るレンズ)を持っていったがために、被写体であるバンドメンバーからある程度距離を取る必要があったため。

中心付近はボーカルに近づきすぎる立ち位置しか取れないのと、ライブを聴きにきている方々の邪魔になることが懸念されるため避けざるを得なかった一方で、端は観客席まで下がればある程度クリアランスを保つことができるため撮影に最適だった。

一方で真正面からの写真も撮影したかったため、必要に応じて観客席に移動して撮影した。

ちなみに2F機材席からは手持ちのレンズと私自身の撮影スキルの問題であまり良い構図で撮れなかったため、今回はその部分に関する説明は割愛する。

撮影機材

機材はレンズ+本体1セットのシンプルな構成。

レンズ

今回は大三元の望遠ズームレンズSEL70200GMを選択。

このレンズを選択した時点でバンドメンバー全員を一度に写す構図は撮れないわけだが(観客席に行けば撮れないこともないが、どうしても人の頭が写ってしまう)、今回は「個」を美しく撮影するということを目的としこのレンズを選択。

その他の理由は以下

  • 個を美しく撮るということで、被写体が歪まない望遠レンズが最適(広角レンズは被写体が歪む)
  • ライブハウスは暗いため、最低でもF2.8が下限の明るいレンズを選択したかった(本音を言えばF1.4に望遠単焦点を2台持ちぐらいで使いたかった)
  • 撮影中にレンズを交換する手間を省きたい&幅広い焦点距離に対応したかったため、ズームレンズ1本に絞った
  • 望遠域の明るい単焦点レンズを持っていなかった

このあたりの詳細については、これまでの記事では出てきていない撮影に重要な要素も多々入り込んでいるため、後ほど説明したい。

本体

sony a7iiを選択。というか選択するも何もこれしか持っていない。

SDカード

東芝のSDカードを利用(容量32GB, 最大転送速度40MB/s)。

ある程度動体(動くもの)を撮影したことがある方ならこの選択肢は失敗であることがわかるだろう。

決して東芝のせいではない。この理由については後ほど書くことにする。

今回はここまで。 次回はこれらの機材を使って実際に撮影してみた感触と、ライブ撮影の要点について更に深掘りして説明していく。